2013年09月19日

不可解な音(54)

テガランタン村の住民・西村夫妻が、14日に日本に一時帰国することになった。

予定は一ヶ月ほど。

一時帰国の理由を知っているが、ここには書かない。


12日夜6時、まみちゃんを伴って西村家を訪問した。

まみちゃんは、小顔でバリ人系美人。

私のガールフレンドではありません。(残念ですが)

まみちゃんとは、昔々、影武者で知り合った。

旦那さんのカメラマン・小原孝博さんとは、1990年のグルン・ルバ寺院オダラン以来の付き合いだ。

小原さんは、写真集「オラン・バリ」(1996年6月27日・初版発行)の著者。

アパ?のホームページ「バリ関係・推薦本」に、バリをこよなく愛した写真家・小原の「つぶやき」が聞こえる一冊。オラン・バリ(バリ人)の内面が、リアルに滲み出ている。

なんてコメントを、私が書いている。

まみちゃんは、タバナン県にある某寺院で奉納芸能する日本のガムラン・グループの一員として、6日に来バリした。

3年ぶりのバリだ。

奉納芸能を見学するつもりでいた私は「寺院は、チャングーとタナ・ロットの間」という、あまりにもアバウトな情報に恐れをなして、行くことを断念した。

今回はガムラン奏者として参加している彼女は、日本では踊り手としても活躍している。

14日、西村夫妻と同じ日に帰国する。

小原夫妻と面識のある西村夫妻のため、私はまみちゃんとの歓談の席をセッティングしたのだ。

ぎりぎりセーフで会うことができた。

実に、10数年ぶりの再会だ。

小原さんは、来月1日、仕事でバリを訪れることになっている。

やはり3年ぶりになる。


「冷蔵庫の中身を片付けたい」と、私にとっては有り難い理由で、西村夫妻は、さまざまな手料理を大テーブルに並べてくれた。

お好み焼きは、旦那の制作。

いつもは、ふんだんに贅沢な料理をご馳走になっていることを、夫妻の名誉のために補足しておく。

もちろん、ワインは旦那の蘊蓄を伴ってサービスされた。

まみちゃんと「美味しい、美味しい」と連発して、ご馳走になる。

途中から、オカちゃんとラティが参加した6人で、昔話に盛り上がった。


「そう言えば」と前置きして、私はちょっと前から部屋で起こっている話を切り出した。

深夜、ベッドで横になっていると、横で寝ている愛猫チビタの身体が跳ね上がった。

同時に、頭上で「ドスン!」と壁が落ちたよう大きな音がした。

天井が抜けてもおかしくないほどの大きな音だ。

この頃、深夜になると私の部屋の屋根裏で不審な音がする。

トッケイが飛び降りた音とも、ネズミが走り廻る音とは明らかに違う。

我が家のトッケイは、身長30センチほどある大物だ。

トッケイとネズミが戦う騒音は、日常茶飯事。

壁の表面が剥離してこぼれ落ちるような「サラサラ」した音もする。

私の話を聞いていたラティが、少し緊張した顔になった。

そして、「それは、土の音だね」と言う。

それを引き継いで、オカちゃんが「あのあたりは40年前、埋葬場だったんだよ」と言う。

再びラティが、少し微笑みながら「土を掘ってる音だね」と念を押した。

遺体を埋めるために穴を掘っているのか、火葬するために遺体を掘り起こしているのか?

私は、聞くことを躊躇した。

思い起こしてみると、音が始まったのは、火葬儀礼の準備が始まった頃のような気がする。

ひょっとすると、この不審な音は火葬儀礼と関係があるのか。

もし不審音が、火葬儀礼の終了と共に、聴こえなくなったとすれば・・・・・。


不思議なことに、14日以降、土がこぼれる音はしなくなった。

しかし、不可解な音は、その後も依然として続いている。


posted by ito-san at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | テガランタン村滞在記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする