2014年01月13日

キャン・ユー・スピーク・イングリッシュ?(37)

今夜の「日本料理店・影武者」の大テーブルには、女性5人と私がいる。

ウブドからスラバヤに居を移した綾子さんが、主婦仲間3人をつれて来店。

もうひとりは女将・由美さんです。

スラバヤからの遠征目的は、インドネシア語技能検定試験をバリで受けること。

今朝、試験を済ませウブド入り。

試験を終えた開放感から彼女たちのテンションは高い。(これが普通かもしれない)

バリ滞在の本当の目的は、この後のウブド観光にあるのではないかと勘ぐってしまうほど楽しそうだ。

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深夜12時に近い時間。

「影武者」の入り口から「キャン・ユー・スピーク・イングリッシュ?」の声。

大テーブルの全員が、声の方に振り向く。

そこには、緊張した表情の白人女性が立っていた。

足下は素足。

余程のことが起こっているのだろうと、想像できる。

影武者の営業時間は夜11時まで、すでに閉店している。

我々は、ヤケド虫の話で盛り上がっているところ。

関わるのも面倒だし、英語を得意とする者もいない。

適当にあしらって、帰っていただこうか。

しかし、困っているのなら放っておけないのも人情。

まずは、理由を訊いてみよう。

由美さんが「リル・ビット!」と答えた。


「部屋にネズミが侵入して、部屋中を駆け回るので困っている」白人女性は訴える。

頼れるのはあなたたちだけなの、という悲壮感が漂う。

「それなら、影武者の猫を一匹お貸しするので、お持ちください」と女将。

近くに黒猫 “黒ちゃん” の姿が見える。

「ネズミより猫の方が、よりベターだわ」会話にジョークが混じった。

少し落ち着いてきているようではある。

しかし、“黒ちゃん” を抱き上げる様子は見えない。

「実は、ネズミがタンスの後ろの隙間に入ったので、私はタンスを押してネズミを押し込みました。それがチューチューと鳴いて怖いのです」

そうか、タンスの裏でチューチューと一晩中鳴かれては眠られないだろうな。

ネズミに関しては、私にも苦い経験があり彼女に同情した。

※「極楽通信UBUD・ウブド沈没:パスポートに偽造スタンプ」に経験談有り〼。

問題は、彼女の宿泊先だ。

状況から察するに、彼女は近くに宿泊しているはず。

影武者に裸足で飛び込んでくるほどの近くと言えば・・・・。

それは、昨年末まで駐車場問題を起こしていたヴィラでしょう。

「ヴィラに、スタッフはいないのですか?」全員の声が揃った。

これは当然の質問だろう。

女性ひとりの泊まり客。

「セキュリティもスタッフもいないヴィラってどうなのよ?」突然、女言葉になってしまう私。

連絡先もないと言っている。

危険きわまりない。

大テーブル全員が、マジに心配顔になった。

ネズミを退治しない限り彼女は、部屋に戻れないだろう。

「取りあえず、全員で退治しに行ったら」私は他人に大役を押し付けるような発言をした。

「私、ネズミ大丈夫だから」スラバヤ婦人のひとりが、心強い発言とともに立ち上がった。

手にサランラップの芯と黒ちゃんを抱きかかえている女将は、黒猫作戦を実行するつもりのようだ。

人の良い女将は、駐車場問題を忘れて、ネズミ退治に参加する覚悟でいる。

白人女性は、2人の勇ましい日本人女性を従えてヴィラに帰っていった。


しばらくして、笑い声とともに2人は戻ってきた。

ネズミは、タンスの裏ですでに事切れていた。

白人女性は、終始「イヤイヤ=嫌々=ノーノー=No No」を繰り返すばかり。

床をネズミが転がるのさえ、嫌なのだ。

スラバヤ婦人はティッシュを片手に「以外と大きな奴だった。つまみ上げて、田んぼにポ〜んと投げ捨ててやった」と平然としている。

女将はサランラップの芯を手にしながら「黒ちゃんは、ヴィラに着いたらすぐに逃亡してしまった」と黒猫作戦の失敗を嘆く。

今回は、ネズミ撃退に対応できる人材が居合わせたのが幸運だった。

我々がいなかったら彼女はどうしたのだろう。

ネズミごときで恐れをなしていたら、ウブド滞在もままならないゾ。

裏の川には、1メートルほどの水トカゲが棲息しているのだから。

どんな問題が起こるか予想もつかない。

駐車場問題が持続しているヴィラの諸問題を、影武者のスタッフが今後もアシストをすることもあるだろう。

周囲とのコミュニケーションが必要だ、ということを理解して欲しいものだ。

posted by ito-san at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村徒然記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする