2014年11月22日

バリ人男性をちょっと考察・その四(82)

暑〜い!

午前11時、部屋の中で32度。

一雨一雨で、日々涼しくなってはきているが、まだ暑い。

風景の緑が濃くなってきているのが、眼に心地よい。


「バリ人男性をちょっと考察」シリーズ。

いつのまにかシリーズになっている。

その壱で、一夫多妻の精神を受け継いだウブドっ子。

その弐で、自由恋愛気質のウブドっ子。

その参では、目立つことを嫌う、とウブドっ子を断定した。

断定は、私がもっとも嫌う行為です。

今、頭を垂れて反省しています。

その壱とその弐を読んで「ウブドっ子に純粋な恋愛はないのか?」と疑問を持たれた方も多いと思う。

いえいえ、そんなことはありません。

彼らは純粋に恋愛をしていますよ。

バリ人男性に嫁いだ日本人女性に、総スカンを受けそうなので、言い訳をしておきます。

しかしである。

恋愛に対する熱が、私の想像するより低いのではないかと感じているのは確かだ。

ウブドっ子の恋愛が、私の考える恋愛とは少々違うのではということを考察してみました。

と書き出してはみたが、えらいことについて書き始めてしまったと後悔している。

満足な恋愛も経験していない私には、荷が重かった。

ワヤン君の結婚式.jpg

※写真はイメージです。
モデルは、アパ?主幹ワヤン君夫妻の結婚式でのツーショット。


ウブドっ子の恋愛感情は、お互いに恋や愛だけでは成り立たない。

なぜなら、ウブドっ子の結婚は、本人同士の意志以外の要素が多分にあるからだ。

そういった意味では、純愛ではないかもしれない。

彼らは、まずは家族の幸せを考える。

恋を貫くことで家族に不幸を及ぼすことをためらう。

血縁家族を重視する彼らの考えに、打算があることは間違いない。

言い切っていいのか、と天の声。

自信がありませんが、私はそう思っている。

だからと言って、いい加減な恋愛をしているわけではない。

恋人同士は付き合いは始めると、両家を訪ねて両親に紹介する。

両親の承諾を得た、潔白な付き合いである。


ウブドっ子は、無意識のうちに、恋愛の終着駅を結婚と考えているところがある。

よくは知らないが、日本人の多くも結婚を前提にして恋愛をする男女が多いらしい。

ウブドっ子は、結婚を前提にしているのではなく、結果的には結婚するんだと承知している。

“ 授かり婚(おめでた婚)” は、そんな意味から大歓迎なのだ。

女性からすれば、計画的な “ できちゃった婚 ” かもしれないが、男たちはそんな策略には気づかない。

もう少し2人の付き合いを続けたいと思っている男性からすれば、だまし討ちだ。

日本人男性なら経済的な理由から計画出産をするところだが、優しいウブドっ子は彼女たちの策略を無条件で受け入れる。

バリ人の場合、妊娠したあとの結婚というパターンがかなり多いようだ。

これは、バリ人が家系のつながりを重視し、子供(父系社会なので、特に男の子)を持つことを重視することからきている。


全てのバリ人は、どこかのバンジャールに関係している。

バンジャールの一員でない人は、バリ人ではないとも言える。

男性は、結婚するとバンジャールの成員となる。

結婚は、家族・親族が認めると同時に、バンジャールの承認を得る必要がある。

家、そして村との共存が、結婚の目的のひとつ。

他の村人との結婚の場合、これは村同士の結婚とも考える。

それは、彼らの信じる宗教と慣習に関係があるようだ。

それらを無視した生活は、考えられない。

バンジャールの関係を怠ると、バリ人の最も重要と考える通過儀礼のひとつである火葬儀礼が遂行されない。

女性は、結婚すると家族の一員になって、毎日供物作りに励む。

村が違えば、方言もあり儀礼の方法も供物の作り方も違ってくる。

肩身の狭い思いをしたくない女性は、同じ村の男性の家に嫁ぐことを望む。

同じバンジャールの男女の結婚が多いのは、そんな理由からだ。


恋愛は自由だが、いざ結婚となるとカーストが問題になってくる。

バリのカーストは、現在、名称と少しの宗教儀礼に残っている。

90%のスドラ層には、あまり問題はないようだが、10%にあたるトリワンサ層の女性はたいへんだ。

称号を持たないスドラ層の女性が称号のあるトリワンサ層の男性に嫁ぐときは「ジェロ」と呼ばれレベルアップする。

逆に、スドラ層の男性に称号のあるトリワンサ層の女性が嫁ぐときは、レベルダウンのイメージがある。

先祖霊が違うことで、嫁ぎ先の家寺でのお参りができなくて、外から悲しげに眺める女性の姿を見たことがある。

女性の心理はまったくわからないが、慣習とは言え、そうやすやすと納得できることでもないだろう。

カーストの束縛はルーズだが、それでも、できることなら同じカーストの人と結婚したいと望んでいる。

幸福は、制約の中でも見つけられる。

家族や親族が反対しても突っ走る恋愛もある。

そんな時は、最後の手段「駆け落ち婚(略奪婚)」という手がある。

村の若者総出で、駆け落ちの手助けをするのがユニークだ。

慣習に従った “駆け落ち婚” をすれば、カーストも貧富の差も問題なくなる。


こんな背景の中で、純愛を貫き通すのは難しいだろう。

戦前の日本にも、バリに似た歴史はあったと聞いている。

バリ人の結婚観も将来は、変化していくはずだ。

それが、良いのか悪いのか、結論を出すのは難しい。

最後にもう一つ付け加えておきます。

バリ人は、プライドが高い民族ということ。

さらにウブドは、称号を持つ階層・トリワンサが多く住み、プライドが高い村人が多い。


中途半端だが、取りあえず書き留めておくことにした。

読みづらい点は、お許しください。
posted by ito-san at 17:00| Comment(2) | TrackBack(0) | ウブド村徒然記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする