2016年05月22日

NOT FOR SALE @ BALI(60)

実は、水道パイプをクワで叩き割ったあと、もう一つ失敗している。

(水道パイプの話は「家庭菜園を始めた(58)」を読んでください)

私の美意識に、邪魔なものが眼に写った。

大樹に絡むツルだ。

スッキリしたい衝動にかられた私は、手にしたオノで足下のツルを一刀両断にした。

切り取ったツルを勢いよく引っぱると、ざわついた音とともにツルが手元に寄せられる。

2度目にツタを引こうとした時、陶芸工房の方から声が掛かった。

「そのツタは、◎喫茶だから切らないで!」イブの声。

また、やってしまった。

「覆水盆に返らず」

捨てるわけにいかず、カゴをつくる私でした。

kago.jpg

マルキッサ(パッションフルーツ)を変換すると◎喫茶になった。

可笑しかったので、そのままにしました。


では、本日の本題に移ります。

テガランタン村の北の端は、ジュンジュンガン村との村境になる。

この辺りには、田んぼの風景が残っている。

ホタルが乱舞すると言われているライス・フィールドだ。

夜になると、地元の若いカップルのデート・スポットになる。

境界線を越えてすぐ右手、田んぼの真ん中に「NOT FOR SALE」の文字が見える。

私が最初に見たのは、2011年の2月のことだ。

何度も紹介している、竹で無造作に作られた野立て看板。

バリ人が、田んぼを売ることに警告を発している。

看板を背景に、記念写真を撮っていく観光客もいる。

そう言う私もそのひとり。


近年、海外から、そしてインドネシア各地の富裕層(主にジャカルタ)が、バリ島の土地を購入している。

その影響からか、バリの土地が高騰している。

売って欲しいという人が頻繁に訪れるのに業を煮やした村人が「NOT FOR SALE」の看板を立てた。

村人は、絵画アーチストだと聞いている。

「このままでは、バリ人の所有する土地が乗っ取られてしまう」と心配する声が上がっている。

土地を売ることを止めたバリ人が増えた。

売買契約の手続きが、年々煩雑になってきているのは、売らない為の政策か。

not-for-sale2.jpg


「NOT FOR SALE」の看板が、デジタル文字に変わっていたことがある。

看板には、お金がかかっているように見えた。

アーチスト作とは、薄々気がついていたが、この文字で確定的だ。

アーチストの主張が表面化した時点で、この作品が興ざめとなった。

残念至極!

Not For Sale2.jpg

2013年7月26日、野立て看板の前で「Bali Not For Sale」ライブ・コンサートが行われた。

ジュンジュンガン村、始まって以来の出来事だろう。

観客は、田んぼの畦道で鑑賞する。

MCの発する言葉から「プラスチック」「ノット・フォー・セイル」という言葉が頻繁に出た。

バリ南部ブノア湾のマングローブ保存や観光開発による環境破壊問題に真摯に取り組んでいるロックバンドが出演している。

環境問題に取り組んでいるグループの無料コンサートだった。


静かなテガランタン村にも、ヴィラ建築が始まっている。

土地を売ることを止めたバリ人は、貸すことにした。

貸すことなら、土地を手放すことにはならないから。

でも、貸すんだ。

土地は子孫からの預かりもの。

それを忘れてはいけない。

この田園風景がいつまで続くか。

それが心配だ!

現在、看板は竹製に戻っている。


動画は「ワルン・メゾ=Warung MEZZO」から撮っています。




posted by ito-san at 18:14| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする