2020年05月16日

トルコの旅・カッパドキア(Kapadokya)(1)

外出自粛で、時間が有り余っている。

MacBook Airに入っているデータを整理することにした。

古い旅のメモが出てきたので、読み返してみた。

2005年のトルコ・カッパドキアの旅。


私がカッパドキアを知ったのは、友人のレストランで手にした写真雑誌だった。

カッパドキアとは、馬の故郷と言う意味らしい。

「美しい馬のいる土地」という意味のペルシャ語で、カプトキー(kaputky)と発音された。

カッパドキアと呼ばれる一帯は、トルコ中部にある。

太古の昔、火山灰が堆積しそれが凝固したが、厳しい気象条件により風化して、柔らかい岩が削り取られ、堅い岩が残って奇岩となった。

中世、イスラム教徒により迫害されたキリスト教徒たちが岩をくり貫いて隠れ住むようになったと本にある。

この景観は異様であり、トルコ有数の観光地として知られている。

その奇岩の村の写真を見て、わたしは、是非行ってみたいと思った。


何の計画も立てずに行き当たりばったりの旅だから、参考にはならないと思うが、まあ読んでください。

これまでの経験から、こうして遠くへ来ると、この町には今後2度と訪れることはないかもしてない、という感慨が起こる。

そう思うと、この機会に充分に記憶に焼き付けておこうと、欲がでる。

こうして私の旅は、その土地を体感しようと、どん欲に歩き回ることになる。


バリ島滞在者の私は、タイ経由でトルコ・イスタンブールに向かった。

トランジットとは聞いていたが、まさか泊まりのなるとは。

エジプトの空港で降り、何のアナウンスも受けないまま、ウロウロ。

状況が飲み込めた時には、空港近くのホテルに押し込まれた。

英語もできないので、感に頼るしかない。

かなり焦ったゾ。

イスタンブールに数日泊まり、ツーリスト・オフィスでトルコ中央部の街・ギョレメ(Goreme)までの長距離バスのチケットを購入。

カッパドキアは、ギョレメ近郊にある。

快適な高速バスに乗り、首都アンカラを素通りしてギョレメのバスターミナルに降りる。

バスターミナルからは、ミニバスに乗り換え、カッパドキアへ向かう。

降り立つと、目の前は、夢に見た奇岩の風景。

「何?」 

「どうして?」
 
「なんでこうなる?」 

疑問が湧く。

これが見たかったのだ。

宿は、飛び込みで探す。

10分ほど歩いたところにあったケーブ・ホテルに決めた。

内部は、まさに洞窟だった。

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街の入り口広場にあるレンタル・バイクは、遠出するツーリスト用だろう。

私は、この街を歩いて巡ることにした。

奇岩の家々が点在する街中に、車の往来はない。

回り道、坂道、袋小路と起伏にとんだ道、T字路、Y字路、Z字路や複数の道が交差する。

放置された荷車が、古代を忍ばせる一種独特の情緒を醸し出している。

冷たい水の出る水道が目につく。

冬期に備えて薪として使われるのだろう、塀の上や壁にもたれかけた枯れ木が山になっている。

冬には雪が積もるらしい。

牛、鶏、犬、猫、鳩、牧歌的な風景。

ロバの糞がいたるところで悪臭を放っている。

その土地が気に入ると、そんな匂いも長所となって許されてしまう。

人口が少ないのか、村人と触れ合い機会は少ない。

老人がテーブルを囲んでゲームに興じていた。

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(麻雀のようなゲーム)

一時間も歩けば、街を一周できる。

街中を離れると、ガラガラヘビでも出そうな木々の少ない野原になる。

家並はないし、木陰も少ない。

木陰があったとしても観光客の好奇な眼があちこちに光っていて、立ち小便もままならない。

ちなみに、私はお腹を壊して、やせ細った木陰を探してキジ打ちをしたことがある。

冷や汗ものの勇気がいった。

途中トイレは無いので、出かける前に用は済ましていこう。


地層の違いで、先っちょに濃色の岩がのった、チョコレートスナック菓子「きのこの山」のような岩々の姿。

生クリームでものったような岩、ジョーズが頭をもたげているような岩、白雪姫の物語に出てくるこびとの家のような岩。

奇怪な円錐形の小山。

小山には、いくつもの窓らしき穴がある。

らくだのこぶのように連なる奇岩と岸壁に掘られた住居。

これは掘り出して作られた家だ。

2人がかりで、およそ1ヶ月で出来てしまうほど柔らかいという。

自然現象と、人間の技と生活の知恵によって作られた家。

常識では考えられない造形。

自然の造形物は、店舗デザイナーだった私には魅力的だった。

都会的直線が皆無で、自然の織りなす曲線で造られた街は、私の感性を有頂天にする。

サラサラと砂の落ちる音が聞こえる。

今でも風化している。

亀裂が入り、いずれは崩れるだろうと思われる岩。

危険のないように建築されているのだろうが、生活している人には申し訳ないが、わたしは崩れかけた塀や壁が好きだ。

これはツーリストのわがままな意見として聞いてください。

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網の目のような道を抜けて、丘の上に登る。

日本ならさしずめ裏山といったところだ。

街を見下ろす。

ひとつとして同じ形がないというのが嬉しい。

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夜は、奇岩と街路樹がライトアップされる。

きらめく街と夕焼けも美しい。

空気の澄んだこの土地なら、さぞかし星空は綺麗なことだろうと、期待をしていた。

残念なことにライトアップされた街灯の明かりで、満天の星をいうわけにはいかない。

生憎というか幸いというか、停電になった夜があった。

空には、満天の星が煌めいていた。

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(よく利用したカバブの店)

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(夕食に利用したレストラン)


ツアーに参加すると、地下都市、フレスコ画の残る岩窟教会、ウフララ渓谷などが見学できる。

陶器工場・キリム工場にも立ち寄る。

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(陶器工場)

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(キリム工場)

気球ツアーが人気のようだが、私にそんな余裕の予算はない。

トレッキング・コースは、どこまでも続く奇岩に圧倒される。

近くにいくつも奇岩の渓谷がある。

大地にいきなり窪地ができたように、大きな渓谷が広がる。

映画のロケ地になりそうだ。

さしずめアクション物かロマンス物。

私なら奇岩の屋根を失踪するアクション物だ。

キャラバンサライ(隊商宿)にも立ち寄った。

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(昼食付きのツアーだった)

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(ツアー・オフィスのスタッフと夕食)


10日間の滞在は、あっという間に過ぎた。

経済的に許されるなら、長期滞在してみたい場所となった。


posted by ito-san at 17:05| Comment(0) | トルコの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする