2013年05月24日

デウィ・プリティウィ(8)

「ワルン・スバリ」の建築をお手伝いしている関係で、私は週に1度の割でスバリ村のグスティ君の家を訊ねている。

グスティ家と隣家の境はブロック塀だ。

ちょっと前までは、樹木が境界線だったと言う。

自由に行き来できたその頃のなごりか、塀の一部に人の出入りが出来る開口部がある。

スバリ村の家々では、必ず、こうした開口部があり繋がっている。

人間関係も密な繋がりが残っている。

ニュピには、この出入り口を通って行き来しているようだ。

ウブドでは、見かけることは少なくなった。


グスティ家の門を潜ると、私の好奇心のアンテナが、庭の片隅で行われている不穏な動きをキャッチした。

隣家との開口部のあたりで、何らや儀礼(ウパチャラ)が行われようとしている。

近づいてみると、地霊や邪悪な力を祓うためのムチャル儀礼のように見える。

Upacara-Ngeplugin.jpg

母娘の前に、小規模な供物が置かれている。

「何をしているのですか?」と訊くと「この子が転んで足を脱臼してしまったので、イブ・プリティウィにお祈りをする」の返事だった。

供物を挟んで、年配のオバさんが腰を下ろした。

今回は、このオバさんが僧侶の役目のようだ。

僧侶の立ち会いでなくてよいのか? と疑問がわく。

オバさんが、バリ語で何事かつぶやき始めた。

私はその場を離れた。


テラスで寛いでいるグスティ君に、説明してもらうことにした。

1週間程前に、隣の子供がグスティ家の庭に入ってから転んで左足首を脱臼した。

近在のバリヤンに診てもらって、今は、もう大丈夫だそうだ。

転んだ時に、驚いた子供の心の中にすむロー(精霊)が飛び出してしまう、とバリ人は考える。

儀礼は「ウパチャラ・ンプルギン(Upacara Ngeplugin)」と呼ばれ、イブ・プリティウィのパワーが戻ってくれるようにお願いする。

この儀礼は、5日ごとに巡ってくるクリオンの日が選ばれる。

この日は、3日に一度巡って来るカジャンとクリオンが15日ごとに重なる、霊力の強い日であるカジャン・クリオンだった。

ウパチャラ・ンプルギンは、事故のあった場所で行われる。

私の好奇心は、初めて遭遇したウパチャラに反応したようだ。


ところで、そのイブ・プリティウィって誰だ?

宗教儀礼に詳しい知人に問い合わせたら「何処のイブかと思いました(*^^*)…」だって。

確かにイブとつけば、レストラン「イブ・ライ」やバビグリンの「イブ・オカ」などを思い起こしてしまいそうだが。

神の名は、女神(デウィ)プリティウィ。バリ人はイブ・プリティウィと呼ぶ。

デウィ・ウマとも言われる。

デウィ・ウマは、バリの神話によれば、最高神サン・ヒャン・ウィディが宇宙を創造する時、最初に生み出した女神だという。

シワ神の妻となるが、魔女ドゥルガーとしての側面を持つ。


地霊に戻ってきてもらうための儀礼と、いうことか?

飛び出したのはロー(精霊)だが。

ム〜ン!どうも結論アヤフヤだな。

詳しくは、もう少し勉強してからで、と言うことで “失礼”。


posted by ito-san at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村徒然記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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