2013年10月21日

ムルカット(Melukat)(24)

《「アパ?情報センター|極楽通信・ウブド|バリ島見聞録」同時発信 》

2010年に入ってから、どういうわけかウブドを訪れる観光客に、ムルカット・ツアーを希望する人が増えている。

アパ?だけの日本人独占現象ではなく、欧米人にも人気がある。

というわけで、「ムルカットって何(APA)?」の問い合わせがある前に、アパ?としては答えを用意をしなくてはと知恵を絞ることにいたしました。


ムルカットは、お祈り前の清めのマンディ=Mandi(水浴び)より、ひとランク、アップした儀礼性の強いバリ人には欠かせない心身浄化の沐浴だ。

インド・ヒンドゥーの斎戒沐浴(斎は心の不浄を浄める意、戒は身の過ちを戒めるの意)、日本・神道の禊=ミソギ(身に罪または穢れのある時や重大な神事などに従う前、海や川で身を洗い浄める)に通じるものだ。


身近なところでは、結婚儀礼時のムルカットがある。

新郎新婦が、数人の親族をともなって近くの川へ出掛ける。

友人・知人の見守るなかでムルカットをする村もあると聞く。

川へは衣服をつけたまま入っていく。

これは恥ずかしいからだと思っていたが、そうではなかった。

新郎新婦は、川の中で衣服を全部脱いでスッポンポンの丸裸になる。

そして、身体と同時に、今まで着ていた衣服を洗濯する。

独身時代の汚れを洗い流すのが、この儀礼の目的だ。

ムルカットをすますと、用意された真新しい衣服と着替える。

これからの2人の新しい人生が始まるというわけだ。

今では、屋敷内にある浴場(これもマンディ場と言う)ですませる地域も増えているようです。

malukat2.jpg

タンパクシリン村に、古代遺跡沐浴場がある。

西暦962年に発見された石碑には、ミソギの儀礼が記されていた。

10世紀から14世紀までペジェンを中心に栄えたワルマデワ王国時代に、こんな神話がある。

インドラ神が手にした剣(Keris=クリス)を地上に突き刺すと、薬効の泉が沸き出した。

泉の水を飲んだ兵隊たちは、みるみるうちに息を吹き返し、蔓延しかけた邪悪なものを退治した。

この聖なる泉は、のちにティルタ・ウンプル(Tirta Empul)と名付けられる。

詳しくは、「極楽通信・ウブド|プクリサン川の神話」をお読み下さい。

いつの頃からか、聖泉で洗い浄めることが奨励されるようになり、1000年を経た現在も、多くのバリ人がティルタ・ウンプルを訪れムルカットして行く。

tirta-empul.jpg

ティルタ・ウンプルのムルカット場は、2つの大きなプールだ。

寺院側の壁面に並んだパゴダ型石彫の突起物から、満々と湧き水が吹き出されている。

最初のプールには13カ所の吹き口がある。

一般の人が使用できない吹き口があるので注意しよう。

9番目は神々への儀礼(Dewa Yadnya)専用、10番目は死者への儀礼(Pitara Yadnya)専用だ。

11番目は、不吉な夢を見た時にお祓いをする吹き口だそうだ。

腰まで水に浸かり、一番手前の吹き口から順にミソギをしていく。

プールの底は玉砂利が敷かれている。

水が落下するあたりに身体を入れる。

冷たい水が肌を打つ。

壁を隔てたプールには、通路を挟んで左手に3つ、右手に8つと並んで合計11カ所の吹き口がある。

余談だが、モンキーフォーレスト通りにある「カフェ・アンカサ」の水出しアイスコーヒーは、通路右手一番目の吹き口から戴いて来た聖水を使用している。

飲んだ人は「まろやかな味がした」と表現している。


プダンダ(高僧)、プマンク(僧侶)、バリアン(呪術師)から聖水を戴くムルカットもある。

最上級は、プダンダのムルカット。

プダンダの屋敷を訪ねて、マントラを唱えてもらいお祈りを捧げる。

ケガや病気の元となる悪いエネルギーを落とす。

受け手は、何も考えなくてもよろしい。

そのあと、特別に作った聖水を戴く。

たくさんの花が浮かべられた聖水が振りかけられる、というよりは降りかけられる。

まさに、ザブザブという感じだ。

「何も考えるな! 無心になるのじゃ!」


極楽通信・UBUD
バリ島見聞録ムルカット(Melukat)

posted by ito-san at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村徒然記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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