2013年11月25日

バリ島の風物詩・ドゥダル(65)

バリ島の雨季の始まりを告げる風物詩は、夜7時頃になると現れる羽アリだ。

体長2センチ弱、こげ茶色の羽アリ。

バリ語でドゥダル(Dedalu)、インドネシア語ではラルン。

今年、テガランタン村では11月21日から出没した。

ドゥダルは、明かりという明かりに群がり、飛び交う。

「数匹のアゲハチョウが、ブーゲンビリアのまわりをノンビリと飛び交っている〜」なんて生易しいものではないゾ!

街灯の明かりが暗くなるほどの大量発生だ。

初めて目撃した人は、異常事態だと思うだろう。

私もカルチャーショックを受けたひとりだ。

レストランの中にも侵入して来る。

ロウソクの炎に飛び込む、自殺行為のドゥダルもいる。

ドゥダルは、1時間もすると床に着地し這いずる。

しばらくすると、羽が抜け始める。

羽が取れたドゥダルは今、巨大アリの姿だ。

正体は、シロアリらしい。

シロアリが、何らかの変異で羽をつけて飛び出して来るのだ。

巨大アリはツガイになって、いっせいに交尾を始める。

1〜2時間のうちに羽だけ残して、きれいにいなくなってしまう。

短時間で姿を消すと言っても、虫の苦手な人には、迷惑な風物詩かもしれない。

羽の掃除も大変だ。


ウブドの町中は、アスファルトと敷石で近代化が進みドゥダルの発生量が少なくなった。

ホテルでは、殺虫剤を散布して退治しているらしい。

あいにく私の滞在していいるテガランタン村は田舎だから、今でも大量に飛来する。

昨夜もドゥダル大隊の急襲にあった。

私は明かりに群がるドゥダル大隊の写真を撮ろうとテラスに出た。

飛び交うドゥダルに身体が包まれる。

カメラを向けたが、大隊はカゲロウのようにボケて実体をともなわない。

写真はボツだ!

庭では、ドンカン=dongkang(バリ語でカエル)が好物のドゥダルを待ち受けている。

マイ・マンディ場の壁には、数匹のチチャッと大きなトッケイが好物のドゥダルにありつこうと待ち構えていた。


以前、プンゴセカン村にカフェと名のついた雑貨屋「ブンブン・カフェ」があった。

なんと経営者は私。だからツブレタ。

夜な夜な、店の裏の作業場でバナナの幹から作った紙で、ランプシェードを作っていた。

この頃は、8時になるとドゥダルが登場した。

コンクリート床の割れ目に、小さく土の盛り上がりができた。

なんだろうと、近づくと一匹のドゥダルが飛び立つところだった。

ところが一匹ではなかった。

次から次へドゥダルは飛び出して来る。

数カ所から吹き出るように沸き上り、明かりを目指した。

作業場の電灯のまわりを、狂ったように飛び廻る。

私は、爬虫類は苦手だがドゥダルはヘッチャラ。

上半身裸のまま、ドゥダルに身を任せて作業に専念する。

痒くなるアレルギーのバリ人もいると聞いている。

オカちゃんが、バケツに水を張って電灯の下に置いた。

ドゥダルが、ポトポトと落ちて来る。

昔は、羽の取れたドゥダルを集めてナベでから煎りしたり、小麦粉と卵で作るクルプック煎餅に混ぜたりしたそうだ。

そんな話をしながらオカちゃんは、テーブルの上を動き回っているドゥダルを一匹つかむと、つまようじに突き刺し、ライターの火でジュッと炙った。

そして「ほらね」と、口の中に放り込んだ。

味はないと言う。

数日後、ドゥダルが飛び出したあとの土からキノコが生える。

このキノコは美味しいらしい。


空港で新婚さんを迎えて、ウブドへの戻り。

バイパスの街灯に大量発生したドゥダルの群れが、道路一面に広がっていた。

まるで、粉雪が乱舞しているかのように幻想的だった、ことを思い出した。

こんな光景を見せてくれるドゥダルも、虫の苦手な女の子には大問題だろう。

ホテルにチェックインした新婚さんが案内された部屋には、まだ、ドゥダルが飛んでいた。

あと数分で姿を隠し、その後、羽の掃除をしてしまえば、お客様が気がつくことはなかった。

それを見てしまった奥さんはショックを受け、そのホテルをキャンセルして「アマンダリ」に移って行った。

空調設備の整った高級ホテルでは、密封度が高いためドゥダルの侵入はないそうだ。

願わくば、虫の苦手な人も少しづつ慣れてくれればいいなと思う。

美しい自然があって、たくましい生き物たちがいる。

これもバリ島の魅力のひとつとも言える。


そうは言っても、誰にでも天敵はいるものだ。

私は “爬虫類一般”、影武者の女将は “ゴキブリ系”、友人のT子さんは蛾は対丈夫なのに “蝶” が天敵。

トッケー大好き、ドゥダルも大丈夫のMさんの天敵は “クモ” だそうだ。

あなたにとって、バリに棲む天敵は何ですか?

「ito-san」というのは却下ですよ。

ドゥダルの乱舞は10日から2週間ほどの間に幾日か発生し、いつの間にか終結している。

発生と終結の時期は、地域によって異なるようです。

どんなタイミングで発生するかの、疑問が残った。

posted by ito-san at 23:09| Comment(2) | TrackBack(0) | テガランタン村滞在記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
Posted by at 2014年02月12日 12:18
株さんへ

もうしわけありません。
気がつかなくて、返事が遅くなりました。
今後とも、よろしくお願いします。
Posted by ito-san at 2015年10月09日 13:32
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック