2014年03月10日

ウブド・本の交換会(43)

今現在、バリ島に日本の新書を扱う書店はない。

もちろんウブドにあるわけがない。

そこで登場するのが、長期滞在者御用達「ウブド・本の交換会」だ。


私が長期滞在を始めた1990年頃の話を、少しさせてください。

当時滞在していて、寂しい思いをしたのは、日本の本が読めないことだった。

これまでは、ビジネス専門書かインテリアデザイン関係の雑誌しか読んでいなかった。

読書好きというわけではない。

活字を見て日本語で思考したかっただけだと思う。

手元には、旅立つ前に兄・章司が渡してくれた、青島幸雄の「人間万事塞翁が丙午」だだ一冊。

何度も読み返した。

知り合いが出来ると、手持ちの本を交換した。

有為エィンジェル著「姫子・イン・バリ」、本岡類の「ウブドの花嫁」、山田詠美「カンヴァスの柩」などが、廻って来た。

これも何度も読んだ。

手に入る本が限られている。

選んでなんかいられない。

滞在者が少なく、廻ってくる本もすぐに底をつく。

私は来る物拒まず、ダボハゼのようにどんな内容の本でも飛びついた。

今でも、作者やジャンルに囚われず、恋愛・推理・歴史・エッセーなんでも読みあさっている。


時々、飛行機内の新聞、雑誌、機内誌が届く。

情報としての記事をシャットアウトしている私は、内容よりは活字を眺めていることが多い。

日本語で書かれたパンフレットを隅々まで目で追うこともある。

土産の説明書を読破する癖は、この時に培ったのだろう。

誰かが置いていった「国語辞典」を読みふけった日々もある。

バックパッカーが手放していった本が、数件の古本屋で手に入った。

旅行記や精神世界系に偏っていたが、比較的新しいのを選んで購入した。

ビザ取得でシンガポールに出掛けると、三越百貨店内にある「紀伊国屋書店」を覗き物色する。

税金が加算された本は節約旅行者には贅沢品で、一冊手に入れるのにサンザン悩んだ。

旅行者が増えるとともに、日本語の書物が集まるようになった。

気をきかせたリピーターさんが、土産に日本の小説を持って来てくれることが嬉しかった。

「居酒屋・影武者」の蔵書も、少しずつ増えていく。

余程、日本語の活字に飢えていたのだろう、と当時のことを思い出す。

hon1.jpg

長期滞在者のほとんどが、私とよく似た読書環境の中で暮らしていたと思う。

貪欲に本を読みたい人々には、本の絶対数が足らない。

「新しい本が読みた〜い!」

そんな要望から「ウブド・本の交換会」がスタートすることになった。

言い出しっぺたちが、ボランティアの実行委員に任命された。

第1回は、2009年3月21日(土)「カフェ・アンカサ」から始まった。

在住者、旅行者に声を掛け、たくさんの本が集まり交換ができた。

大勢の人々の協力を得て「第1回ウブド・本の交換会@アンカサ」は盛況のうちに終わった。

読書好きな滞在者には、ありがたい催し物となった。

第2回は、5月2日(土)ペネスタナン村の「ワルン・ソフィア」で午後1時より5時まで行われた。

この後は「カフェ・アンカサ」「ワルン・ソフィア」が交互に、月一で月末の土曜日(変更することもあります)に開催。

第16回からサンギンガン通りにある「和食レストラン・萬まる」が加入して、3軒の持ち回りとなった。

「萬まる」は、46回まで参加した。

テガランタン村にある「サリナ・ワルン」は、49回から今年1月の58回までの1年間参加。

後継店は、サクティ村にある「カフェ・ビンタン」が、61回から参加してくれる予定になっている。

今月3月には6年目に突入する。

なんと60回を迎える。

hon3.jpg

過去59回の交換会に、それぞれの思い出がある。

ボランティアスタッフの募集。

ピンクのスタッフTシャツ作成。(思いがけないことに、ピンクが似合う私を発見)

存続させるために、スタッフは様々なアイデアを持ち寄った。

チラシを作って協賛店に貼ってもらったこともある。

バリ関連本のレンタルコーナーを「アンカサ」に設置。

3冊以上寄付された方に、無料のサービスを提供したこともある。

交換の方法がポイント制となった。

バザー、フリーマーケットを加えた。

おでん、たこ焼き、お好み焼き・焼きそば、ラーメン、ピザ、ケーキ、豆腐、様々な総菜がテーブルに並んだ。

日頃、口にすることのできない食材が、手頃な値段が提供されている。

参加する人々に、味の楽しみが加わった。

私は、みちこさんの作る「おはぎ」の大ファンだ。

フリーマーケットの古着は、地元の娘さんたちに評判がよかった。

売り上げの10%が「ウブド・本の交換会」の活動資金としてご寄付される。

寄付金が貯まると、新作文芸書を購入した。

本を交換された方全員にチャンス!の「お楽しみ抽選会」の商品購入に寄付金を充てることもある。

年末には、「大ビンゴ大会」を催した。

楽しい思い出がいっぱいだ。

長期滞在者も増え、旅行者も参加する親睦&交流を目的とする「ウブド・本の交換会」は成長している。

末永く、続くことを期待して・・・・合掌。

hon4.jpg

最後に、「ウブド・本の交換会」実行委員からの声をお伝えします。

「ウブド・本の交換会」は、ウブド在住の日本人が主催するイベントです。

旅のお供に持ってきた本、読み終わった本を交換しましょう。

覗くだけでも構いません。

ウブド好きな人々が集まって、親睦&交流しませんか。

ご意見、アイデアを広く皆様より受け付けております。

ボランティアスタッフも常時募集しています。

ご気軽に、お声をおかけください。

消滅しないように、皆の力で育てていきたいと思っています。

hon2.jpg
posted by ito-san at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村徒然記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック