2015年07月05日

コロンビア大統領の訪サレント・裏話(49)

7月1日:午後1時

家の前が騒がしい。

立ち話をする人の声が聞こえる。

もしかして・・・・・・ポリスか?

私には、心当たりがあった。

それは昨夜、鳩小屋の下に古くなったハムを捨てたことだ。

鳩か犬が食べてくれればと、軽い気持ちで捨てた。

それが問題になっているのかもしれない。

毎週火曜日と金曜日の午前中にゴミ回収車が廻り、各家の前に出されたゴミ袋をピックアップしていく。

牛、馬、犬のウンコは、匂いが鼻につくほどそこらじゅうに落ちてるが、人が生み出すゴミはない。

外にゴミを捨てるフトドキモノは、この町内にはいないだろう。

潔癖な町民が通報した、と考えられる。


恐る恐るカーテンを引いた。

ガラス窓の向こうにひとりのポリスが立っているのが見えた。

ゴミを捨てた近くだ。

ポリスが私の顔を見届け、近づいて来た。

バイクで巡回している見覚えのあるポリスだった。

まずいことになったゾ。

何か言っている。

私は窓を開けた。

・・・・・沈黙。

しばらくして、ポリスは、手にしていたスマホとアダプターを私に見せた。

私は合点した。

彼は、スマホを充電したいのだ。

私は笑顔を見せて、アダプターをコンセントに差し込んだ。

考えてみれば、私を取り調べるなら、扉を叩くはず。

だったらナゼ。

立ち話するポリスの数が、いつもより多いのも気になる。


外に出ると、見かけない車が沿道に並んでいた。

救急車に、緑の白バイも数台止まっている。

terrizaje1.jpg

目の前にあるサッカー場には、銃を持ったポリスが警備体勢で立っている。

これは、ただごとではない。

私は、ジュンペイさんの家に飛び込んで、状況の説明を受けた。

午後1時に、コロンビアの大統領がヘリコプターで訪サレントするのだそうだ。

「ココラ渓谷見学じゃないかな」と言う。

ヘリコプターがサッカー場に降りるということか。

ゲリラが多発する国の大統領だというのに、それにしては警備体制がユルいのじゃないの。

沿道で、歓迎の小旗を振らなくていいのか?

「人気がない大統領だから」とジュンペイさんは言う。

人気がないにしても、大統領がヘリコプターで降り立つというスチュエーションは滅多にあることではない。

それも、我が家の目の前に。

この決定的瞬間を動画で撮ることにした。

大統領にビザ取得を直訴して、恩恵にあずかれないかな、なんてことも考えている。

藁にもすがる思いで、すがってみたら上手くいくかも。

否否、すがっている時に、銃殺されるのが落ちだよね。


1時は、とうに過ぎている。

ヘリコプターの音は聞こえてこない。

2時を過ぎた頃、発煙筒が焚かれた。

terrizaje2.jpg

すぐに、ヘリコプターの音が聞こえてきた。

いよいよ大統領の到着だ。

軍用ヘリコプターが、2機降下した。

1機目は、関係者か?

2機目に大統領夫妻が乗っていたようだ。

大統領を乗せた車は、どこか知らない目的地に向かって去っていった。

terrizaje-helicóptero.jpg

1時間ほどで車は戻り、軍用ヘリコプターは飛び立って行った。


翌日、ジュンペイさんが「ご免なさい」と謝ってきた。

どうやら昨日の訪サレントは、大統領じゃなくて副大統領だったようだ。

副大統領も、大統領と同様に人気のない人物なんだね。


時間の余裕がありましたら、動画2本も御覧下さい。







posted by ito-san at 04:51| 愛知 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 南米コロンビアの旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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