流木で作ったモビールが、思いのほか売れている。
と言っても、大量生産できるものでもないので微微たる数ですが。
手持ちが少なくなったので、久しぶりに流木拾いに行くことにした。
4月22日・午後3時・快晴。
いつものサバ海岸。
ゴミの小山が、あちこちにできていた。
煙が立ちこめている小山もある。
清掃ボランティアが入ったのか?
ゴミを集めている女性に聞いてみた。
「あのホテルから頼まれてやってるの」
海岸線を少し入った林を指さした。
ホテルから手間賃をもらって、清掃作業をしている。
清掃員は、彼女ひとりのようだ。
宿泊客が、海岸を散歩することを考えての策だろう。
夢のリゾート地で、ゴミの海岸を見せられては興ざめだ。
どちらにしても、海岸からゴミがなくなることはいいことだ。
同時に、私の欲しい流木も姿を消した。
手ぶらで帰るのは初めてだ。
サボ海岸をあきらめて、隣りのプルナモ(Purnama)海岸に移動した。
満月(プルナモ)という名前の海岸だ。
前に一度、下見をしたことのある海岸。
その時は、1キロほどの海辺には、大量のゴミが打ち上げられていた。
今日も、相変わらずのゴミの帯。
喜んでいいのか嘆くべきか、それが問題だ。
ゴミの中には、供物の残骸もある。
バリのほとんどの海岸は、ムラスティと呼ばれるヒンドゥー・バリの浄化儀礼が行われる場所でもある。
海岸には、供物が残される。
自然素材で作られた供物は、自然に戻ると考えられていた。
現在は、プラスチックゴミと一緒に海岸に残っている。
供物は、燃えるゴミ。
分別して、燃える物は燃やし、リサイクルできる物は回収してもらおう。
バリのゴミ問題は、深刻だ。
特にプラスチックゴミには、危機感を持ったほうがよい。
いたるところで、プラスチックゴミの山を見かける。
スーパー&コンビニなどはプラチック袋を有料化し、エコバックを持つことを推進し始めた。
ゴミを分別して回収する村も増えている。
しかし、島内のゴミ回収車の数は圧倒的に少なく、山間部や僻地には廻ってこない。
どちらにしても、目先のゴミをか片付けたところで、バリのゴミがなくなりわけではない。
ゴミは場所を変えるだけで、一向に減っていない。
根本的解決方は、ゴミを焼却することだ。
バリには焼却炉がないため、ゴミ集積所は限りなくゴミの山を高くしていくだけ。
サヌール方面の海岸とクルンクン県の山奥のゴミ集積所は、パンク寸前だと聞く。
バリ島の経済成長は、今後さらに著しくなっていくだろう。
消費文化が活発となり、廃棄物が増加する。
インフラの充実は必修だが、何よりも先に、焼却炉の建設を急ぐべきだ。
プルナモ海岸で、流木が確保できた。
今後、ゴミ問題が解決されれば、海岸の流木の姿も消えることになるだろう。
そして、美しい海辺が再現される。
嬉しいような、悲しいような現実が、いつかやってくる。
そうなるまで、流木作品を作り続けよう。
2016年04月24日
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