2017年03月11日

アヤム・カンプン=Ayam kampung(121)

コーヒーは、かまどで沸かした湯を使っている。

薪は、使わなくなった流木の木っ端。

コーヒー一杯分のお湯を沸かすには、木っ端も少しでいい。

暑い昼下がり、いつものようにかまどの前に立つ。

何度も言うが、私は暑い日でも焚き火をするほど火を見るのが好きだ。

かまどの上に、真っ黒に煤けたヤカンをのせる。

インドネシア製100円ライターで、雑誌の数ページを握りつぶした紙に火をつける。

かまどの口に、火をもっていく。

からっぽのはずのかまどの中に、何かが入っている。

茶色い塊。

Ayam1.jpg


恐る恐る覗いてみる。

何者かの目が、暗闇で動いた。

赤いトサカの鶏だ。

威嚇する目が、私を睨む。

具合のよいネグラなのだろう。

そうはいかない、私はお湯が沸かしたいのだ。

可哀想だが、出て行ってもらおう。

鶏に、火を近づける。

微動だもしない。

眼光が、いっそう鋭くなる。

図々しい奴だ。

いきなり飛びかかられては、怖い。

短い棒で、お腹を軽く突ついてみた。

いっこうに動く気配はない。

お腹の辺りを棒で少し、持ち上げてみた。

白い物が見えた。

もしかすると卵かもしれない。

親鳥が卵を温めているのか?

それなら、邪魔はできない。

この場所は、暖かく、そして安全なのだろう。

イブに聞くと「この鶏は、卵をとらせないために絶対に動かない」と言う。

ということは、卵がかえるまで、かまどから出て行かないということか。

お湯を沸かすのをあきらめるしかない。


セナ家では、放し飼いの鶏がけたたましい声をあげ、庭を走り回っている。

時には、テラスまで上って来て、糞をする。

追い払う、イブの大声が聞こえる。

親鶏5匹が、それぞれうしろに子供を8匹ほど従えている。

テリトリーをつくって、餌をついばんむ。

子供のすべてが成長すれば、庭中、鶏でいっぱいになる。

そうにはならないところをみると、適当なところで食べているのだろう。

庭で飼う鶏は、アヤム・カンプンと呼ばれ美味しい。

卵も栄養価が高い。

Ayam2.jpg


卵は、何日でかえるのだろうか?

無知な私は、そんなことも知らない。

3週間ほどだと、イブは言う。

ネットで検索すると「抱卵を始めた日から21日目に自らの力で殻を割り、誕生を迎えます」とあった。

「えっ〜! その間ず〜とコーヒーが飲めないの!」

ここで、いくつもの疑問が浮かんだ。

鶏は、平均一日に一個の卵を産むと聞いている。

交尾しなくても卵を産む。

これを、無精卵と言うらしい。

セナ家では、オスとメスが同居していて自由に交尾をするので、有精卵かもしれない。

生み続けていては、抱卵する暇がない。

ネットで検索すると「ニワトリなどの鳥は、一斉抱卵の習性がありますので、ある程度卵を産んでから抱卵します」とある。

抱卵を始めたら、21日間は、卵を生まないというわけだ。

この期間、メス鶏の餌はどうしているのだろう。

この年になっても、知らないことのほうが断然多い。

日々、これ学習だね。


今月の初め、かまどが明け渡された。

モヒカン柄のひよこが8匹、母鶏の懐に隠れている。

ひよこにかえることはできなかった卵が、一つ。

一子から九子まで、9日間に渡って産み落とされたことになる。

抱卵の始まりは九子から、数えるのかな?

誕生日は、産卵日なのかひよこにかえった日か?

あとで検索してみよう。

みんな、食べられるまで元気に育てよ。

さて、久しぶりにお湯を沸かしてコーヒーでも淹れるか。



知らなかったウンチク:

本来は、生物学的な意味で「卵」、食材として「玉子」というように区別されるが、2014年現在では、生のものを「卵」、調理されたものを「玉子」という使い分けがされるようになってきているという。



posted by ito-san at 14:24| 愛知 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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