名古屋の老舗百貨店・松坂屋の屋上から松坂屋の文字看板が下ろされる写真を、グーグルで見た。
気になって、他の百貨店を調べてみると、すでに撤退した店と来年に営業終了する店とがあった。
私の記憶には、名古屋には4つの百貨店がある。
栄地域に、松坂屋百貨店、丸栄百貨店、オリエンタル中村百貨店の3店舗。
名古屋駅前には、名鉄百貨店。
名古屋に興味ない人には、知らない名前ばかりで、興味のない話になってしまいますが、まあ聞いてください。
●一番初めに姿を消したのは、オリエンタル中村百貨店。
ルーツは、1869年の「中村呉服店」。
私が店舗デザイナイーの仕事をしている頃の1980年に閉店した。
日本万国博覧会の翌年1971(昭和46)年11月、岡本太郎氏制作の壁画「天に星、地に花、人に愛」(写真)が飾られたのは全国的なニュースになった(はず)。

1972年、手作り屋(町売り)の仲間を集めて、大津通り沿のウインドー前でフリーマケットを開催したことを思い出す。
この頃の手作り屋は、ほとんどヒッピー風の風体だったので、百貨店側としては英断だったと思われる。
当時の宣伝部には、好奇心の強いデザイナーが多く在籍していたので可能だったのだろう。
催事場で、フリーマーケットを開催したこともあったな。
●丸栄百貨店のルーツは、1615年の呉服店「十一屋」。
2018年6月30日閉店。
所有していたのは、コルゲンコーワで有名な興和株式会社。
栄町ビル、名古屋観光ホテル、キャッスルプラザ、ウエスティンナゴヤキャッスルを所有している。
今後の栄地域の再開発が楽しみな会社です。
栄町ビル内の狭いスペースを利用して、若手オーナー達の夢の詰まったショッピングエリアの企画に店舗デザインとして参加したことがあったな。
●松坂屋百貨店のルーツは、1611年の呉服小物問屋「伊藤屋」。
2007年に大丸と経営統合して「J・フロントリテイリング」となった。
統合したあとも、松坂屋の名前は残っていた。
2024年6月10日に、看板の撤去作業が写真にアップされている。
●残りの一つ、名鉄百貨店は、1954年に名古屋鉄道のターミナル百貨店として創業。
2026年2月29日には、営業終了する。
ナナちゃん人形は、何処え!(写真)

来年には、4百貨店とも姿を消すことになる。
百貨店(デパート)という業態が、もう古いんだよね。
名古屋駅前の再開発に伴い、名駅前から栄までを一体化した面として発展していくことになれば楽しい街になるかな。
今回の〆の言葉。
名古屋に戻ると、こうやって変化したことを、懐かしんだり嘆いたりすることになる。
嫌いじゃないのですが、懐かしむのはウブドだけでにしたい。
移住した土岐市は、予備知識のまったくない町。
そういう意味では、ウブドに立ち寄った時と同じ状況。
歴史や文化を学び、人々の生活を垣間見るのが楽しい。
今の私の好奇心を満たすに、最適な土地柄だった。
もちろん頼りになる友人が居ることが、心強くての移住ですがね(これが一番大事)。