裏庭の落ち葉焚きは、私の専門職となった。
私が滞在し始めた当時のセナ家の裏は、雑木林だった。
運動不足解消のために始めた、雑木林の掃除。
途中から、デング熱などの蚊の発生、毒蛇の棲息を防ぐためにもなると思い始めた。
ブッシュを切り開くと、雑木林は見とうしのきく小さな林に変身した。
私は、小さな林を裏庭と呼んでいる。
将来、ここにハンモックを吊って昼寝をむさぼるつもりでいる。
裏庭の奥は畑、その向こうに竹林がある、竹林の下は渓谷だ。
陽射しが少し柔らかくなった午後4時頃、私は裏庭に行く。
ゴム長靴をはいて、手に「エース」で買った熊手とルドラクシ(※ルドラークシャ)を入れるザルを持って。
※ルドラークシャ:今後は、インド人の発音するルドラクシと明記する。
適当な位置にザルを置き、熊手でせっせと落ち葉を集める。
今月(10月)に入ってから、ルドラクシの青い実が落ち始めた。
3ヶ月周期か。
落ち葉を集めながらルドラクシの実を拾い、ザルに投げ込む。
蚊よけのために、落ち葉に火をつける。
日本では、焚き火も自由にできなくなったと聞く。
ここでは、大好きな焚き火が気兼ねなく楽しめる。
ふっと、焼き芋の匂いがした。
気のせいだ。
食べたくなったので、想像したのだろう。
夜の「和食・影武者」で、女将に「仕入れの時に、サツマイモも買って来て」とお願いした。
翌日、火がよく通るからと、小振りのサツマイモが届いた。
サツマイモ(インドネシア語でクテラ=Ketela。ubiという呼び方もあるようだ)7つ・Rp14,600-。
バリ語で、セロ=Sela。
(※山芋=ubi rambat&ketela・サツマイモ=ketela&ubi jalar・ジャガイモ=kentang)
セナ家の敷地内にあるアトリエ・スタッフのオヤツと考えていたので、ジャストの数だ。
20日、焼き芋作り本番の日を迎えた。
昨夜のうちに洗っておいた芋を、「影武者」でわけてもらったアルミホイルで包む。
地面にサツマイモを七つ並べた。
これがあとで問題になる。
何年ぶりの焼き芋作りだろう。
まったく覚えていない。
幼少期以来かもしれない。幼少期
食べること専門で、作っているところを見たことがない。
全責任を持って、焼き芋を管理した体験はない。
未経験の領域。
焼き上がりは、20分〜30分だろうと決めた。
大雑把だな。
落ち葉を集め、サツマイモの上にかぶせる。
火をつける。
落ち葉が、勢いよく燃え始める。
次から次へと、落ち葉をかぶせていく。
思ったより20分は長く、落ち葉のほとんどを使い果たした。
アルミホイルに包まれたサツマイモを一つ取り出して、爪楊枝を刺してみる。
途中から、少し固くなる。
真ん中まで、火が通っていないのかもしれない。
おき火の状態で、もうしばらく焼くことにした。
待つ間、畑に水をまいたり、雑草を鍬で起こした。
アトリエのスタッフが帰宅してしまった。
彼らには、またの機会ということにしてもらおう。
灰に包まれたアルミホイルを取り出す。
熱々のアルミホイルを剥がすと、ふっくらと焼き上がった芋が出てきた。
美味しいじゃないですか!
芋は生でも齧られる(私だけかもしれないが)。
火を通して不味いはずがない。
片面が少し固いのは、地面についていた側だろう。
初めに、おき火を作っておいて、その上にサツマイモをのせれば、こんなことはなかったはずだ。
途中で、位置を変えるのもよいかもしれない。
「正しい焼き芋の作り方」は、残り火でじっくり焼く、だと思う。
開眼だ。
セナ家の食卓に、2つ置いて来た。
夜の影武者に、1つ持っていくことにした。
ネットで調べたら、落ち葉だけではダメで、薪を用意する必要があった。
最初に小枝と落ち葉を燃やしておき火を用意し、その上にサツマイモを置き、落ち葉や薪をかぶせる。
おき火で、1時間ほどじっくり焼くのが「正しい焼き芋の作り方」のようだ。
存知の方には読むに価しない話ですが、知らない者にとっては楽しい新しい発見なんですよ。
数日後に、リベンジをするつもりだ。
posted by ito-san at 14:35| 愛知 ☁|
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ウブド村帰郷記
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