2016年11月23日

ルドラクシで作るビーズ(100)

ルドラクシは、シバ神の涙という意味だと言われている。

ルドラは、シヴァ神でもあるルドラ神のこと。

インドのヒンドゥー教の神々には、こういった化身がよくある。

支配星は木星。

平安な心をもたらし、すべてのチャクラに作用するらしい。

バリでとれるルドラクシは、5面。

5面のルドラクシは、パンチャ(5の意味)・ムキーと呼ばれる。

健康に貢献すると言われている。

ある文献には:

シヴァ神の祝福を受け、どの職業分野でも成功できる。

これを身につけるものは、病気とは無縁である。

特に、高血圧の患者に最適。

このルドラクシを3つ身につけることにより、十分な利益を得て富を獲得できる。

パンチャ・ムキーを身につけるとき唱えるマントラは:

「オーム・フラーム・パーンチャ・ヴァクトラシャ」

「オーム・フリーム・アーム・クシャムヨーン・スヴァーハー」

意味は:

「私たちの欲求を満たしてくださる5つの顔をお持ちの至高の主に帰依いたします」

「素晴らしい結果をもたらし、豊かさと名声への欲求を強め、守護を与えてくださり、究極的な平安へと導く幸福をお与えくださる至高の主に帰依いたします」

ルドラクシを手に持って、マントラを108回唱えます。

そのあと、そのビーズを身につける。

ここに記載するルドラクシの効果は、古典文献の記載に基づくものであり、誇張された表現が含まれている可能性があります。とあったので・・一言添えておきます。


☆☆☆


ルドラクシの実(ビーズ)で作るブレスレットについては「ルドラクシの実がなる樹(62)」で説明したが、もう少し詳細に解説することにする。

ルドラクシの実がなる樹は、バリ語でジェニトゥリ(Genitri・インドネシア語も同じ)と呼ばれ種類の菩提樹。

これと同じ種類の菩提樹の前で、釈迦が悟りを開いたと言われている。

瞑想中に、頭の上にルドラクシの実がポトポトと落ちてきたのかな。

それでも気が散らなかったから、悟れたのだろう。

インドでは、この菩提樹、なんと呼ばれているのでしょうね。

根元は、こんな感じのヒダになっています。


Rudraksh1.jpg


枝の葉は、数枚が深紅に染まり、赤い花が咲いているように見える。


Rudraksh2.jpg

Rudraksh2_1.jpg


地面に落ちたルドラクシの実は、さくらんぼのように小さな枝のついた青い実。

どの時期に実が落ちるのかは、定かでない。

7月に入ってから一粒も落ちてこなくなり、11月に入って少しずつ落ち始めている。

枝葉が深紅に染まり始めた頃と、時期を同じくしているのか。


Rudraksh3.jpg


ルドラクシの実を集めて、外皮を剥がす。


Rudraksha1_2.jpg


外皮の除去が、もっとも面倒な作業だ。

さまざまな方法があると思うが、私が次の方法を試した。

1)煮込む

2)苛性ソーダを入れて煮込む

3)外皮をナイフで剥いてから煮込む

4)外皮をナイフで剥いて、苛性ソーダを入れて煮込む

棒でかき回しながら、2〜3時間煮込む。

1)番の単に煮込む方法で、結果は同じだった。


ほとんど外皮は煮込みの過程で取れるが、ルドラクシ独特のシワには、まだ果肉が残っている。

これが白い線を作って、見栄えが悪い。

この白い果肉を取るのに、カルキ(プールなどを掃除する時に使われる漂白粉)に浸けてみた。

あまり効果はなかった。

歯ブラシでこすっても、ワイヤーブラシでも取れない。

最終的には、千枚通りで丹念に取り除いている。

苛性ソーダやカルキを使う方法は、止めた。

よく乾いてから穴を開ける。

乾くと、生成りの色です。

我が家のルドラクシの実は、1センチ前後の大ぶり。


Rudraksha4-1.jpg


貫通はしていないが、小枝の先に始めから穴があいているため、ドリルを通す作業は簡単。

中心が出ない実もあり、それは外しています。

以上が、ルドラクシの実(ビーズ)作りです。

そうそう、生成りのまま使うのもオシャレですが、私はココナッツ・オイルを塗っています。

オイルを塗ると、赤みを帯びた色になります。

使っていないと、油気が抜けて白くなってくるので、時々、オイルを塗って生き返らせます。


この取り立ての実以外に、数年、もしかすると数十年の間、庭に落ちていたと思われるルドラクシが見つかった。

古色の感じがいい。

虫に食われ、腐り、風雨に晒されて、すでに外皮はなくなっている。

これなら、外皮を剥くこともない。

その変りに、年月が経っているので、割れる確立が高い。

水洗いで泥を取り、水に浮く物を取り除く。

やはり、ドリルで穴を開けた時に中心が出ていない物は除ける。

中心が出ていないと、繋いでブレスレットにした時、左右不規則で一直線にならない。

このオールド・ルドラクシは、ココナッツ・オイルを塗らなくても渋い茶色で私は気に入っている。

どちらかと言うと、男好みの色かな。


実験中なのは、新しい実を土の上に置いて腐らせ、自然に外皮を取り除く方法。

これが成功すれば、外皮剥がしの煮込み行程が省かれるし、薪の消費がなくなる。

なおかつ、古色風味のオールド・ルドラクシが見込まれるというわけだ。

どのくらいの期間、寝かせておくかが問題だ。

完成するのは、まだまだ先の話になりそうです。



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2016年11月18日

nessa warung・こんなワルンがお気に入り(99)

私は、ビザの申請を代理業者に任せている。

書き換えが12月に迫ったので、昨日(17日)パスポートを届けにデンパサールに行った。

待ち合わせ場所は、イミグレーション・オフィス。

代理業者にパスポートを渡して、その足で「マタハリ・デパート」へ向かった。

「マタハリ・デパート」に来たのは、10年ぶりの以上だろう。

以前、待ち合わせ場所が「マタハリ・デパート」の入口だったことがある。

時間は、午前11時。

店内を軽く一周する。

通路部分が、狭くなっていた。

ズボンを買おうかと値札を覗くと、日本円で六千円から1万円していた。

眼鏡をかけていなかったので間違いかもしれないが、高くない?。

私の生活水準では、買えない値段だ。

地下街に下りて、フードコートで朝食。

別段、お腹がすいているわけでもないが、久しぶりのデンパサールなので、ちょっと寛いでみようと思ったわけだ。

Free WiFIを使ってネットを繋ぐ。

ドリップ・コーヒーの味に期待を大きく裏切られ、居心地が悪くなる。

ウブドに帰らなくっちゃ。


気を取り直して、最近見つけたウブドのお気に入りのワルンを紹介します。

ゴータマ通りは、レストラン街としてツーリストに人気のオシャレエリアだ。

ワルン・ビアビアがオープンした2001年には、裏道の格安ワルン通りだった。

15年が経ち、200メートルほどの通りの左右はすべて店舗で埋め尽くされた。

デヴィシータ通りを渡った南側の道にまで、店舗が増え始め、いつのまにか通りの名前が「ゴータマ・スラタン(南)通り」と呼ばれるようになった。

参考までに、1990年のゴータマ南通りの入口の写真を添付しました。

湿気の多いウブドでは、写真の保存も気を配らないと、こんな結果になるという証拠の一枚。


ゴータマ通り2.jpg


私は、10メートルほど入った右手にある中華の「ワルン・ケレウー」の常連だ。

ウブド・ワルン・リスト(Warung List in Ubud)ゴータマ通りを御覧下さい。

ここでは、餃子とフーヨンハイが定番。

ゴータマ南通りは、L字道路を突きあたって左手・東に進み、ハヌマン通りまでの約200メートルの通り。

ハヌマン通り側からの入口は、入るのをためらうほど鬱蒼とした竹やぶが奥にあった。


ゴータマ通り南.jpg


バイクが脇道として利用する程度の通りは、「タクス・スパ」がオープンした頃から出店が増え始めた。

ベジタリアン・レストランの「Down to Earth」も集客力を持っている店だ。

雑貨やコスメの店も並び、人通りが賑やかになってきた。

L字の右手「タクス・スパ」の隣りが、老舗ホームステイ「スリ・ナディ(Sari Nadi)」。

「スリ・ナディ・ホームステイ」の屋敷前にオープンしたのが、紹介したい「ネサ・ワルン=nessa warung」。

「ネサ・ワルン」は、「スリ・ナディ」の家族が経営。


nessa_warung.jpg


人通りが多くなったのを契機にしての開店だろう。

小さな店舗と、外壁に沿って作られた素朴なテラス席がある。

枝木作りの垣根が新鮮。

ロンボク島北西に並ぶ3つの島・トラワンガン、アイル、メノに開発前にあったワルンに似ている。

好感の持てる、私好みのワルンだ。

値段は、安めに設定したツーリスト向け。

是非一度、ご訪問ください。


★メニュー:インドネシア中華

★食事:ナシゴレン(ベジタリアン)Rp20,000-(アヤム)Rp25,000-/ミーゴレン(ベジタリアン)Rp20,000-(アヤム)Rp25,000-/ナシチャンプール&チキンカレーRp25,000-/

★飲物:コピ・バリ&紅茶Rp10,000-/ジュース各種Rp15,000-/ビンタン・ビール大Rp35,000-小25,000-/

★営業時間:9.00am〜11.00pm / 定休日:儀礼祭礼日/




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2016年11月09日

ままならない家庭菜園(98)

焼き芋のリベンジは、大成功だった。

落ちだ枝を薪にして、おき火を用意した。

落ち葉を燃やして、1時間ゆっくり焼いた。

ホカホカで、柔らかくて美味しい焼き芋ができた。

焼き芋作りは、私におまかせください。


残念なことに、家庭菜園は伸び悩んでいる。

キュウリは、2つ収穫したあとから、枯れてしまった。

オクラは、ひとつ実がついたあとから、成長していない。

ナスも同様、成長を止めている。

キュウリの足下を掘り起こすと、蛆が発生していた。

枯れた原因は、蛆だろうか。

農薬を使いたくないので、このままの方法でいくしかない。


本格的な雨季に突入した模様で、このところ豪雨のスコールに見舞われることが多い。

家庭菜園の今後が思いやられる。

天候に左右されるので、あきらめはつく。

自然が相手だから、私の無能を棚の上にあげられる。

命がかかっているわけじゃないので、困ってはいない。

実がなれば、完成。

楽しみに待っていよう。






posted by ito-san at 22:58| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月07日

生け贄となる犬(97)

2、3日前から、我がセナ家に、子犬が飼われた。

写真を撮ろうとしていた私を見つけて、

「パケッ・ウパチャラ=儀礼に使う」と、イブが声を掛けてきた。

予想はしていた。

子犬は、来月執り行われるセナ家の寺院祭礼の生け贄になるのだ。

私は、カメラをしまった。

そんな子犬を写真に撮るのは、心苦しい。

可愛がると情が移ってしまうので、無視することにした。

生け贄になる犬の写真を、動物愛護の団体が見つけたらどうなるだろう。

バリ人の信仰するヒンドゥー教を批判をするだろうか。


セナ家には、2匹の犬がいる。


anjin1.jpg

anjin2.jpg


番犬として飼われているのだろう。

近頃、ペットとして犬を飼うバリ人も増えている。

生け贄ー番犬ーペット。

同じ犬だが、意味合いが違う。

バリ人は、どんな感情で対応しているのだろうか。

私は、べべ(バリ語はイテッ=あひる)や鶏は気にならないのだが、犬だと少し心が痛む。

バリ人は、日本人と感情に似ている点が多い。

しかし、彼らは生け贄の犬に、心が傷むことはないのだろうか。

生け贄は、人間の身代わりとなる。

重要な儀礼のひとつだ。

ズレは、彼らの宗教観からくるのだろう。

私が理解が出来ない、バリ人の感情のひとつだ。

バリ人気質の探求は、まだまだ続く。


ついでに、極楽通信・34「バリの犬(Anjing)」もお読みください。


posted by ito-san at 17:47| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月04日

テガラランのライステラス(96)

ウブドから最も近いところにあるライステラスは、通称「テガラランのライステラス」と呼ばれている。

正式名は「チュキン・テラス」。

渓谷の両側に、箱庭のような景色が広がる人気の観光名所。

もっとも美しい眺望が、チュキン村側から見られる。

沿道には、レストランと土産物店が軒を連ね、毎日、大勢の観光客が訪れる。

最近、畦道を下りて向こう側まで行けるようになったとの情報を聞いた。


知人親子が日本から訪ねてきていたので、数年ぶりに案内することにした。

畦道は、無惨にも踏み荒らされて土を露出させていた。

遠目に見るから美しいのに、何故に下りて行くのだろう。

今後、もっと荒らされてしまえば、観光名所としての価値がなくなってしまうのではないかと心配だ。


極楽通信・49「ウブドのライステラス(Ceking Terrace)」に詳しい道順を説明してあります。

是非、お読みください。






posted by ito-san at 16:32| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

椰子の葉を編んで作るネット(95)

家主宅の家寺の寺院祭礼(オダラン)が一ヶ月後に迫った。

正式には12月7日。

ウク暦の24週目・Prangbakat Rabu (Buda) Umanis。

今回は、数十年に一度行われる大規模な儀礼のようだ。

準備のため、毎日、村人が手伝いに訪れ、邸内は慌ただしくなった。

おびただしい数の供物が用意されるのか、各種供物台が作られ、供物のための下準備が整ってていく。


供物台1.jpg

供物2.jpg

供物3.jpg


この日は、椰子の葉を編んで作るネットを勉強した。

実は、見ているだけですが。

ネットの名称をクラバン(=kelabang)と言う。


kelabang3.jpg


大きな葉は、屋根に拭かれたり、編んで壁や日除け使われる。

ジャコー椰子(シュロ椰子)の葉は、長さ3メートル、幅1メートルはある。

オジイさんの熟練の技を御覧下さい。



極楽通信:16「椰子の木はスーパーマン」も読んでね。


posted by ito-san at 17:46| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする