ウブドに滞在する日本人&訪れるツーリストに、
「ウブドで人気なカフェはどこですか?」と問えば、
ほとんどの人が「カフェ・アンカサ」と答えるだろう。
誰もが認める、日本人に人気のカフェ。
オープンが1997年と古いから、知名度も高い。
一号店は、サレン王宮のあるスゥエタ通りを北上した左手にあった。
現在、コンビニになっているところ。
この場で12年間ほど続けたあと、モンキーフォレスト通りに移転した。
多くの顧客を掴んでいた。
モンキーフォレスト通りに移転してから8年。
今年の4月で、トータルで20年になった。
ウブドで20年間も営業を続けるのは、至難の技だと想像する。
「カフェ・アンカサ」は今、「和るん・あんかさ」と変名して、和食中心の店になっている。
和食になったが、以前からの苦めのコーヒーは今でも飲める。
私は、ドリップてたてた苦めのコーヒーが好みだ。
ウブドで唯一、私の嗜好に合ったコーヒーが飲めるのが「和るん・あんかさ」だ。
6月24日、20周年謝恩会が催された。
あまり多くの人で溢れていたため、写真を撮ることをためらった。
だから、当日の模様は、一枚もありません。
謝恩会の一足先に、店で使ってもらうランプシェードを届けた。
8年前にモンキーフォレスト通りに移転した時にも、バナナペーパーを貼ったランプシェードを二つプレゼントしている。
この時には、私が作ったバナナペーパーを貼ったと思う。
今回も2つ、要望された。
自信はないが、コテツに頼まれたなら作らニャなるまい。
謝恩会が予定される3週間前ほどから、記憶を頼りに制作を始めた。
銅線を利用した下地の枠は完成した。
しかし、肝心のバナナペーパーが手に入らない。
バナナペーパーは、数年前から「和食・影武者」のスタッフ・クトゥト君が作っている。
私が指導して後を継いでくれた、頼りがいのある奴だ。
そんな彼が、今年3月に急死した。
今でも信じられない気持ちでいる。
手伝っていた村の友人も、もう制作できないと言う。
私がクトゥト君の家に出向いて作るのも、辛いものがある。
メイド・イン・バンリのバナナペーパーは、あきらめるしかない。
思案していたところ、テガランタンのオカちゃんことを思い出した。
そうだオカちゃんは以前、私の見よう見まねでバナナペーパーを作っていた。
忙しい彼だが、私も一緒に作業すると言えば、断らないだろう。
頼むと心良く引き受けてくれた。
今から作れば、ランプシェードに間に合うかもしれない。
クトゥト君の道具を、利用させてもらおう。
お兄さんは寂しそうだったが、承諾をしてくれた。
道具一式を、形見のような気持ちで引き取ってきた。
バナナペーパーは、20周年謝恩会の一週間前に出来上がって来た。
ギリギリで間に合いそうだ。
8年前に制作記憶を思い起こしながら作ったが、まったく形は異なったものとなってしまった。
あの時は、雲をかたどって作った。
思い出した時には、もう半ば出来上がっていた。
「和るん・あんかさ」20周年、おめでとう。
末永く繁栄することを祈っています。