「古希記念アグン山登山」本番まで、あと5日と迫った20日。
小手調べでバトゥール山に挑戦した。
小手調べだから、サンライズもサンセットもお呼びじゃない。
体力チェックの登山だから、昼間に登る。
20日は、晴れるだろうと予測を立て、運を天に任せて決行する。
ガイド君とは、バトゥール湖畔の村トヤ・ブンカにある温泉ホテル「Toya Devasya」の駐車場で午後1時の待ち合わせ。
所要時間を2時間と見立て、ウブドを午前11時に出発。
同行者大原さんの宿「アルチャ・イン」から、一路バトゥール山へ向けてレッツらゴー。
もちろんバイクです。
2人会わせて141歳の老人コンビ。
外輪山にあるペネロカン村の火口湖への降り口まで、なんと1時間で到着してしまった。
待ち合わせ時間まで、1時間残っている。
下降口を左手にとって、バトゥール山の裾野を右回りに走ろうと即決。
幾つかの懐かしい場所に立ち寄りながら「Toya Devasya」に。
ジャスト1時到着。
ガイド君に電話。
さっそく駆けつけてくれた。
駐車場で「イトさん!」と声を掛けられる。
ウブドの友人・ランドゥン君だった。
ガイド君の家に、案内される。
お願いしたガイド君はこの日、他の仕事があるため、姉上ワヤン嬢を紹介してくれた。
見た目もアスリートな女性で、心強い見方を得た気分。
家族と雑談しながら、コーヒーをご馳走になる。
スタート地点まで、バイクで移動。
午後2時、歩き始める。
20数年ぶりのバトゥール山。
記憶では、楽勝の散歩コースだった。
50歳のアグン山登頂を目指してトレーニングした。
当時、40代後半だが、まだ若かった。
久々のバトゥール山の登山道は、険しくなっていた。
林道を抜けると、急斜面の岩場が続く。
これは、ブサキ寺院から登るアグン山の登山道と同じレベルだ。
体力が落ちているのは、承知している。
大原さんに、悪いことをした。
出発前に「楽勝だよ!」と励ましていた。
記憶が、ねつ造されていたのかもしれない。
大原さんもアグン山登山に参加する。
バトゥール山で、自信をつけてもらいたかった。
小休止のたびに「ダマされた〜!」と連呼する。
午後4時15分。
頂上に、倒れ込むようにたどり着いた。
「楽勝だよ!」の言葉を信じれば、確かにダマされた感はある。
大原さんの頑張りを実況中継していれば、見ている人はきっと感動することだろう。
姉上ワヤン嬢の誘導も、巧みだった。
2時間15分、頑張りました。
このままのテンションで行けば、アグン山登頂も大丈夫だ。
頂上には、われわれ3人だけ。
サンライズ・トレッキングなら、数百人が頂上に鈴なりになる。
登山道にも、長蛇の列。
1,000人を記録したこともあると聞く。
残念だが、ワルンも閉店している。
姉上ワヤン嬢が、湯気の吹き上がる岩場に卵を置いた。
待つこと10分、ゆで卵が出来上がる。
美味しく食す。
湯気を網に集めて貯めた水を発見。
ごりやくがありそうな水だったので、ペットボトルにいただいた。
下山は、1時間30分。
私は、小手調べに満足を得ることができた。
心地よい疲れを全身に感じ、バイクを駆る。