たまには観光客気分で・・・・。
現在のペジェン村地域には、10世紀から14世紀に栄えたといわれるバリの王国・ワルマデワ王朝時代の遺跡が多く残っている。
疑問なのは、王宮の形跡がまったく残っていないこと。
ジャワのマジャパイト王朝がバリに侵攻した際に、打ち壊されてしまったのだろうか。
謎の残る事実だ。
数多く残る遺跡の一つ「グヌン・カウィ(Gunung Kawi)」を数年ぶりに訪れた。
ウブドの渋滞を抜けて、バイクで30分ほどの地点。
ゴアガジャ遺跡を通り越し、タンパクシリン村に向けて北上して右手にある。

グヌン・カウィは、岩肌に彫られた仏殿(Candi tebing)の名称。
チャンディ(Candi) は古い石造の仏殿、トゥビン(tebing)は川端、断崖の意味。
チャンディ・トゥビンは、バリ島のいたるところに残っている。
グヌン・カウィは、バリ島最大のチャンディ・トゥビン。
パクリサン川渓谷を挟んだ両岸に残る、心地よい空間にある。
それではグヌン・カウィを見学しよう。
遺跡までは、渓谷の急な階段を降りていく。
その道すがらの景色は、田んぼが広がるナイスビューと売店。


階段は途中から、岩を削った道になる。
岩壁の狭い道を進むと、岩をくり抜いた狭い門が見える。
入ることを拒む、結界を念わせる。

その昔、この門をくぐると異界だったのだろう。
人びとは、平穏を求めてこの地を訪れる。
今、門の前には案内板が立ち、観光客の便を図っている。
掲示板には、この地に建つヒンドゥー・バリ寺院の名がいくつか表示されていた。

左下に、CHANDI PRASADHA UKIRの表示。
ここではCandi tebingをCHANDI PRASADHA UKIRと呼んでいるようだ。
辞書を調べると、巨大な建造物(PRASADHA)&彫刻(UKIR)のこと。
巨大な仏殿石彫とでも訳せばいいのか。
右下にあるグヌン・カウィ寺院。
スバトゥ村に同名の古い寺院があるが、関係はわからない。
未調査でゴメンナサイ。

渓谷の川沿いに建つ「Candi tebing Gunung Kawi」。
高さ7メートル、奥に2メートル。
その大きさに圧倒される。
岩をくりぬく方法はインドのアジャンタやエローラ遺跡と同じで、インドの影響を受けたものとされている。
かつて栄えたワルマデワ王朝の壮大さがしのばれる石窟遺跡だ。
橋を渡った対岸にもチャンディが残っている。
川を挟んで対称になっている。

グヌン・カウィ寺院を抜け、川沿い進むと、瞑想のためのほら穴がいくつもある。
ここで瞑想をしていく、観光客もいるようだ。

のんびり散策していると、いにしえにタイムスリップしたような気分になる。
そして、心地が良い。
久しぶりに訪問だが、心は癒された。
前回の訪問では、復路の急な階段で息切れをした。
今回は、まったく疲れを感じなかった。
アグン山登山に向けて、数回した散歩に効果があったようだ。
階段の上り下りはキツイが、一見の価値有りで、お薦めしたい。
■入場時間:8.30am〜5.00pm
■料金:Rp15,000-(腰紐、腰布代含む。短パン、ミニスカートは腰布を巻く)
■駐車場料金:車Rp5.000- バイクRp2,000-
※参照文献:「地球の歩き方・バリ島'17 '18」
※付録動画
階段を登り切った田んぼビューの中に、近日オープンのレストラン「グヌンカウィ」。