ウブドの渋滞緩和に、大英断がくだされた。
18日から、メイン道路の大型観光バス乗り入れ禁止となり、広範囲の通りが駐車禁止地域となった。
まさに、抜本的解決策だ。
赤いマーカーで線が引かれているのが、大型バス乗り入れ禁止道路。
駐車場は、トゥブサヨ村ダラム・プリ寺院前庭とモンキーフォレスト大駐車場の2箇所を指定。
バリ島旅行.com様より拝借
2010年9月、こんな看板を眼にするようになった。
【ウブドに、大型観光バスの乗り入れを避けよう=UBUD TOLAK BIS BESAR】
ステッカーも無料配布されている。
大型観光バスの乗り入れ反対は、この頃から始まった。
発信元は、長期滞在の欧米人。
勇気ある行動だ。
“すれ違えない" “廻りきれない" 大型観光バスの乗り入れる昼間時間の交通渋滞は、凄まじい。
町の機能が麻痺しないうちに改善しなくては、観光地ウブドの面目もない。
目に余る、交通渋滞に見かねた人の行動だろう。
コンセンサスを得るために署名活動が始まり、多くの署名が集まった。
日本人も「ウブド・エコ・プロジェクト=http://www.dapurbali.com/uep/」主導で、署名活動をした。
署名用紙は「和食・影武者」「アパ?情報センター」「カフェ・アンカサ」「ワルン・ソフィア」の各店に用意された。
国籍問わず、滞在者や旅行者に署名をお願いした。
現状を思わしくないと考えている村人も多いはず。
地元バリ人にも参加を呼びかけた。
この行動も、いつの間にか影を潜めてしまったが、今回の布石にはなったのは確かだ。
地道な行動が、実を結んでいる。
住民の念願は叶った。
2016年8月以来、トゥブサヨ村ダラム・プリ寺院の駐車場から小型バスがシャトルバス運行している。
ダラム・プリ寺院に駐車する大型観光バスの乗客を、ウブドの中心部に送迎するためだ。
車体に、バリ風景のイラストが描かれたシャトルバスが、4台待機している。
チャーター料金は、一台50,000〜100,000ルピア。
収益金は、ダラム・プリ寺院の運営費に割り当てられると聞いている。
モンキーフォレスト大駐車場は、今年10月5日にオープンした。
モンキーフォレスト入園者は、駐車料金と循環バスが無料で利用できる。
バス・ストップ予定地。
ウインドーは巻上げ式黒テントの遊覧仕様。
入園者以外の車両は、料金を徴収されます。
(✳︎知人のフェイスブックにアップされたコメント抜粋。
料金は、いまのところ無料。
ローカルでも、旅行者でも、在住外国人でも無料で乗れます。
毎日朝07:00から夜の10:00まで30分おきに出ているそうです。)
コミュニティ&事業主およびその他の関係者に、一般自動車の駐車禁止を呼びかけている。
赤いマーカーで線が引かれているのが、駐車禁止区域。
広範囲の通りが駐車禁止地域となった。
バリ島旅行.com様より拝借
「大型観光バス乗り入れ禁止」「一般車両の駐車禁止」が実行された。
おかげで、交通渋滞はなくなった。
同時に、観光客の姿も見られなくなった。
アグン山噴火の影響が続いているのか?
それとも、駐車禁止のために客足が遠のいているのか?
観光地としては、路上駐車禁止が理想だ。
車やバイクが乗り入れられていた歩道は、観光客が安心して歩けるようになった。
観光客は歩くことになるが、ショッピングとは本来歩くものだ。
さまざまな問題が発生するだろうが、観光地としては正しい政策だろう。
統計を取れば、車両の駐車状況は推測でき対応策も考えられる。
推移すれば、飽和の沸点は予測できる。
すでに行政は、試作しているだろう。
机上では想像できなかった事態がおこるかもしれないが、役所は、まず実行に移した。
問題が起これば、その都度、軌道修正していけばいい。
私は、そんな考えだ。
まず、根本的なところを改善してしまおう。
だから、乗り入れ禁止。
車がなければ、渋滞はしない。
そうは言っても、コミュニティ(住民)と事業主とそこで働くスタッフの所有する車両がある。
観光客や長期滞在者が利用する車両もある。
これらの車両を締め出していては、住民は不便になるし、利用者も訪れなくなってしまう。
現に私も、目的地に行けず不便で困っている。
巷では「一般車両&バイクの駐車禁止は、すぐに取り下げられるだろう」との声があがっている。
住宅&ショップへの訪問者の駐車は、必要になってくるだろう。
それに対する方策は、どうすればいいのか?
駐車場の確保は、必須だろう。
「車が近くまで行けないから不便だ!」
ウブドは、限りなく便利な村に成り下がっていっている。
何が便利で、何が不便かは、考え方次第。
すでに、駐車場の問題も循環バス運行の計画もされているとは思う。
大英断が細部まで報告されていないため、住民は困惑しているのだ。
住民は、観光地としての認識を持って、受け入れなくてはいけない。
2012年9月にオープンした「シンガクルタ村の大型パサール」の駐車場も利用価値が出てくるのではないだろうか。