2018年11月16日

最終編・突然、思い立ったように小旅行(284)

ウブドを出発した日から、朝は7時には起きている。

普段は、昼12時頃まで寝ているのに、旅になると目覚めが早い。

なんでだろう。

1日の使い方が違うからだろうか。

今日、急に思い立った3泊4日の小旅行を終えてウブドに戻る。


「朝は、コーヒーか紅茶をサービスしています」

主人の声に送られて、ホテルをチェクアウトする。

クタパン港にあるフェリー乗り場に向かう。

不安だったが、バリ島からクタパン港の入島はスムーズだった。

帰りも問題はないだろう。

ゲート前に、検問の警察官の姿はなかった。

タイムスケジュールを知らずに飛び込んで来たが、フェリーは終日営業のようだ。

運航は1時間ごとにある。

乗船カードに、名前と住所とパスポートナンバーと年齢を書き込み、性別の欄の男性にチェックを入れた。

カードを提出して、Rp25,000-を払い込めばフェリーに乗れる。

はずだった。

料金場ゲートの列が、なかなか進まない。

係員と話をして、その場を離れる人がいる。

「何かあったのですか?」と尋ねると「新しいルールができて、カードを買う必要がある」と教えてくれた。

乗船カードを書き込むエリアで、カードを発券していた。

これを購入しないと乗船できないようだ。

係員に「観光客の私も購入する必要があるのか?」と聞くと、困った顔をして首を縦に振った。

しかたなく私も、発券テーブルに向かう。

プラスチックのカードが配られていた。

何の目的で発券しているのかわからないが、このカードがないと今後、乗船できないと言う。

「2度と乗船しないのに購入しないといけないのか?」

ここのスタッフは、無表情で首を縦に振った。

この態度は、忙しいから仕方がない。

乗船料込み、Rp48,000-也のカードを購入。


バリ島側のフェリー乗り場、ギリマヌッ港に到着。

乗船時間は、帰りもキッチリ1時間。

警察官の検問を受ける。

バリ入島は、テロリスト対策のチェックが厳しい。

車検証と免許証を提示。

しかめっ面をして、カードを返してきた。

銀行のカードを免許証と間違えて渡していた。

ゴメンなさいの笑顔を作ったが、むさ苦しいお爺の笑顔をいらないととでもいうように、手を振って早く行けと促した。

バリ島に上陸してしまえば、もう怖いものない。

あとは、暗くなるまでにウブドに着けばいい。


天気は快晴、幹線道路も思いの外空いていて、快適なバイク・ツーリングをしている。

ヌガラの町からは、何度も通った通い慣れた道。

純粋にツーリングを楽しめる。

時間に余裕がある。

前々から行きたかったところに、寄ってみよう。

このチャンスを逃すと、次はないかもしれない。

ウブドに滞在初めて(1990年5月)、すぐに知った場所。

地方新聞「バリ・ポスト」に掲載された記事に、興味を惹かれた。

ウブドからは遠く、脇道のため、行く機会がなかった。

ヌガラとタバナンを繋ぐ幹線道路の中間地点に、北上してププアン(Pupuan)に向かう脇道がある。

今回は、この脇道を上って目的地に向う。

Desa-Asahduren.jpg
途中の村にあったリアルな彫刻


目的のところは、道路を塞ぐようにあるので、決して見逃すことはない(はず)。

脇道を30分ほど車で走ると、目的地に到着した。

車が潜りくけることのできる、珍しい大樹。

これが見たかったのですよ。

複雑に絡んだ幹が、私の心を騒つかせる。

「大樹の前で瞑想するといいですよ。夜にでもまた来ると良い」と僧侶が教えてくれた。

村の名前は「ブヌッボロン=bunut bolong」。




ウブドに帰るに、来た道を戻らずに、ププアンから抜けたほうが近道だと教えられたが、これはかなりの誤算だった。

箱庭にような棚田が望める場所に、新しくワルンができていた。

癒された昼食ができたので、誤算は帳消しになった。




この小旅行、何か収穫はあったかな?

ブヌッボロンの大樹が見られただけでも満足だった。

そのくらい恋い焦がれた場所でした。

久しぶりに冒険心が湧き上がったのも確かだ。

旅心にも、火が点いたかな。


★おわり



posted by ito-san at 17:17| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする