ジョクジャカルタ・マゲラン滞在に向けて「巻き寿司作り」以外に、もうひとつ挑戦したことがある。
タイトルにもある「ココナッツ石鹸作り」だ。
バダさんの経営するカフェには、地下水が大量に湧く泉がある。
泉水は、近隣の家々に配られている。
この泉の湧く場所で、時々、村人がマンディ(水浴び)をする。
その時、持ってきた石鹸の包装紙を捨てていく。
バダさんは、そのゴミがいつも気になっていた。
石鹸をこちらで用意すれば、ゴミはなくなるかもしれない。
前々から、石鹸を作りたいと考えていたようだ。
この話に、私が乗ったというわけだ。
石鹸作りは、以前に挑戦したことがある。
「ブンブン・カフェ」を開店した20年前だ。
ワルンやレストランから廃油を引き取って、リサイクルできないかと考えていた。
「居酒屋・影武者(現在の和食・影武者)」で廃油を分けてもらい、挑戦した。
みごとに失敗に終わった。
苛性ソーダ(水酸化ナトリウムの通称)を加えるのを知らなかった。
そりゃ、固まらまらないわ。
苛性ソーダは固めるために使うのかな?
加水分解されて石鹸になると説明されても、わからない。
作り方は「巻き寿司作り」同様に、「YouTube」で検索した。
これも、様々な動画が出てくる出てくる。
親切丁寧で、手に取るように理解できる。
見ているだけで、できる気になってくる。
まずは、必要な物を揃える。
材料は、ココナッツオイルと精製水と苛性ソーダ。
これだけで、石鹸はできる。
ココナッツオイルは、私が売っているのですぐに手に入る。
精製水は、アクア(飲料水)で代用。
苛性ソーダは、インドネシアでは「ソーダ・アピ」という名前で建材屋で売っている。
計量する必要があるので、ポータブルのハカリを買った。
微妙な温度調節のために、温度計が必要だ。
初めは「和食・影武者」で借りていたが、マゲランに持っていく必要があるので、購入する必要があった。
ネット通販で買おうかなと思っていたら、デンパサールのレノン地域に開店したダイソーでRp28,000-で売っていた。
目盛りは200℃まである。
あとは、手鍋と攪拌棒。
熱源は携帯コンロ。
さあ、用意はできた。
参考にしたYouTubeでは、
材料、ココナッツオイル:500g・精製水:150〜170g・苛性ソーダ:85gだった。
1)苛性ソーダと精製水を混ぜて、苛性ソーダ水溶液を作る。
水溶液は、60〜80度になる。
2)ココナッツ・オイルと苛性ソーダ水溶液を、40度の同じ温度にする。
3)同じ温度になったら、ココナッツ・オイルの入った容器に苛性ソーダ水溶液をゆっくり注ぐ。
30分、トレース状になるまで、ゆっくり混ぜる。
4)型に流し込む。
1日、保温して寝かす。
5)寝かした石鹸を取り出す。
6)使いやすい大きさに切り分ける。
7)切り分けた石鹸は、風通しの良いところで乾燥・熟成させる。
1年未満でも3ヶ月経てば使えますが、肌に刺激を感じるかも。
少なくとも半年以上はしっかり熟成させてください。
8)これで出来上がり。
2018年12月から、2019年1月2月3月と隔月で制作。
数ヶ月、風通しの良いところで熟成させると良いと書かれてあったので、違いのチェックにそうしてみた。
合計で、5回作った。
ココナッツオイル:500g・アクア水:160g・苛性ソーダ:80gで、3回。
その後、ココナッツオイル:500g・アクア水:100g・苛性ソーダ:50gで、1回。
そして、ココナッツオイル:500g・アクア水:160g・苛性ソーダ:60gで、1回。
苛性ソーダの量を、それぞれ違えて実験してみた。
アクア水:100g・苛性ソーダ:50gの石鹸は、しっかり固まらない。
苛性ソーダは水に溶かすと発熱するので、アクア水に苛性ソーダを少しずつ入れて溶かしていくほうが良さそうだ。
水溶液中の苛性ソーダ小片が気になるので、小片が見えなくなるまで、よく撹拌する。
以前、市販されている石鹸で、ピリピリしたことがあった。
あれは、苛性ソーダがよく溶けていなかったのではないかと思う。
ココナッツ・オイルの入った鍋に、水溶液を加える。
アルミ製手鍋は腐食したので、ホーローかガラスの鍋を使った方が良いだろう。
30分ほど攪拌するうちに、乳白色に固まってくる。
参考YouTubeにはトレース状になるまでとあるが、型に流し込んでもよさそうな硬さになれば良しとした。
石鹸は、柔らかいうちがカットしやすいので、翌日に切り分けた。
ワイヤー&カッターナイフ、最終的には包丁でカットしたが、どれも上手くいかなかった。
これは、マゲランに行ってからの課題とした。
乾燥・熟成1ヶ月の石鹸を使ってみたが、ピリピリ感はなかった。
最終的には、初期に実験した分量が良しと結論した。
作った石鹸を携えて、4月1日は出発だ。
マゲランでも作るゾ!