2019年06月29日

鍛冶屋の村と陶器の村を見学にGO〜!(314)

ボロブドゥール近郊にある、鍛冶屋の村と陶器の村を見学に行くことになった。

鍛冶(かじ)屋のことは、ジャワもバリと同様にパンデと呼ぶことを知った。

村あげての市が開かれていると聞いて、喜び勇んで出かけた。

原地直売で、ノミなどの工具を入手したいと目論んでいる。

山間部にある鍛冶屋の村は、閑散としていた。

暦を読み違えたのか、市は開催されていなかったのである。

それでも、2軒の鍛冶屋を覗くことができた。

昔ながらの、フイゴで火を起こしての手作業。

市が開かれる日の方が品物選びの選択支は広がるはずだから、今回は買わずにおいた。

次回の楽しみということで、写真も撮っていない。


陶器の里は、Nglipo村にあった。

主にテラコッタの鍋・釜・食器などを作っている村と聞いている。

バリと同様に、高温で焼く陶土がないのだろう。

村の中央にある広場に足を踏み入れると、片隅に稲のワラが積み上げられていた。

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陶器を焼く燃料だろう。

鶏がワラに包まって、気持ち良さそう。

バリでは、ココナッツの外殻が使われている。

所変われば、品変わるというわけだ。


広場の反対側に、ワラ灰の残る小屋がある。

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ということは、ここで焼くのか?

作った陶器を日干しした後、この小屋に積み上げ、ワラで覆って火を点けるのだろう。

なんと、素朴な釜だ。


「どうぞお入りください」と誘うように開放された家が、目の前にあった。

外から、そこがテラコッタの工房だとわかる。

中に入って見学させてもらうことにした。

声を掛けたが誰も出てこない。

手押しのろくろは、今まで誰かが廻していた形跡を残したまま。

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すぐに戻って来るだろうと、勝手に解釈して無断で侵入。

興味を引く物はないかと物色しながら、工房内をウロウロとする。

設置されているガス釜は、しばらく使われていないようだ。

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作りかけの商品が幾つも並んでいる。

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テーブルの上に、素人が作ったと思われる作品が何点か置かれている。

作品の横に、作者の名前が書かれた申し込み用紙があった。

観光客向けに、陶器作りの体験コースがあるようだ。

工房の設備や商品から想像すると、バリの方が進歩している気がする。

土産物店には陶製品が置かれているが、購買欲をそそるモノが見当たらない。

私の行動範囲が狭いからだろうが、おしゃれな食器を目にしていない。

陶器の市場が残されていると、思えた。

ジョクジャカルタの芸術大学(ISI)には、陶芸科がある。

Nglipo村のバルコンデスには、ユネスコが後援する陶芸スタジオが開館していると言う。

陶芸が発展する要素は充分に揃っている。


この日は見学した鍛冶屋と陶器は、奇しくも焼き物の村だった。

次回は、暦を確認して鍛冶屋の村をへリベンジ。

そして、陶芸スタジオを見学したい。

(バルコンデスの説明は■http://itosan-ubud.seesaa.net/article/465218138.html「バルコンデス @ マゲラン滞在!(305)」をお読みください。)


posted by ito-san at 18:06| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月22日

モリンガ(ケロール)ってな〜に?(313)

ウブドの私の周囲では今、モリンガの話題で盛り上がっている。

身体に良い薬草だと聞いている。

「そんなのもうだいぶ以前から知ってるよ!」の声が聞こえてきますが、そんなことに疎いのが私「うぶなウブディアン」なんです。

世の中は健康志向で、この手の情報はたちまちのうちに拡散していく。

ちょっと、ネットで調べてみた。

モリンガの正式名は、モリンガ・オリフェイラ(Moringa Oleifera) 。

90種以上もの豊富な栄養素を含むスーパーフード「モリンガ」。

種・茎・葉・花・根の部分に栄養素が含まれている植物。

葉と花の部分はハーブやお茶として、種はオイル、また化粧品や香水にも使われている。

インドネシアではケロール(Kelor)と呼ばれ、ジャムー(インでネシア漢方)に、バリでは青汁(Lolo Bali)として服用している。

タガス村のチャ・ニナさんがケロールの湯気が目に良いらしく、ココナッツ殻のお椀に顔を伏せている動画を、先日インスタグラムにアップしていた。

伝統的治癒方だとのこと。


「Kafe Mpat」で、今ウブドで旅行者にケロールが人気だとという話をすると、

住人Waunさんが「ケロール料理のワルンが、PalbapangのT字路の近くにあるよ」と教えてくれた。

好奇心をそそられる情報だ。

ヘルシー志向者のサプリメントだと思っていたが、日常的に食している人々がいるのだ。

と言うことで、今回はメニューにケロール(モリンガ)料理のあるワルンを紹介しよう。

ローカルバスに揺られて出かけた。

PalbapangのT字路は、バリからの深夜バスで降り立った場所だ。

Waunさんの情報は、Tの字の横棒を東に進んだコンビニの近くだという曖昧なものだった。

コンビニの左右を見渡し、見つからないので商店が切れるところまで行ってみた。

見当たらないので、西に戻ることにした。

出鼻を挫くように、小雨が降り始めた。

軽い好奇心で雨に濡れてまで、食べたいわけでもない。

Tの字の縦棒を越えたところになければ、あきらめよう。

なんと目の前に、看板が立っていた。

目的地は東300Mだった。

同じ道を戻り、かなり歩いたY字路で2つ目の看板を見つけた。

本通りを左手に避ける道の看板には、150Mとある。

左手に足を進めると、バス会社や鉄工所などの町並みになった。

雨は止んでいた。

道の先には、背の高い草の繁る風景が広がる。

地元の人と思われるおじさんに「このあたりにダウン・ケロールのワルンはありませんか?」と尋ねた。

「知らない!」の返事。

意外と認知されていないメニューなのかもしれない。

それとも、私のインドネシア語が理解できなかったのか。

鉄工場で仕事をしている若者に尋ねると「それなら、その先にあるよ」と教えてくれた。

彼は、ワルンの常連のような言い方だった。

しばらく歩くと、ブロック塀に貼られた看板が目にはいった。

たらい回し情報でなかったことに安心する。

バリでは、知らなくても教えてくれる人がいて、何度もたらい回しにあっている。

ブロック塀の続きにワルンがあった。

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ほとんどが、知らないメニュー。

女将さんは、話好きだった。

日本人が珍しいのか、私とのツーショットを撮るために、ご主人にスマホを渡した。

撮り終わると、さっそくどこかに送信していた。

kelor_nasi.jpg
《 Nasi Sayur Kelor 》Rp8,000-(料理Rp5,000-/白飯Rp3,000-)。

kelor_rolada.jpg
《 Rolada 》Rp5,000-
ケロールを混ぜた豆腐を揚げた「 タフ・ゴレン」。

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《 Bobor 》Rp5,000-
若いパパイヤとケロールとココナッツ・ミルクのスープ。

kelor_bening.jpg
《 Bening 》Rp5,000-
トウモロコシとケロールの透明なスープ。

ケロールは、無味、無臭だった。

料理には、採りたての葉を使っている。

葉は、長い方が2センチほどの楕円形で薄くて肉厚が薄い。

栄養豊富ならサラダにして、食べてもいいな。

後日、知人の家を尋ねた時に、炒め物をご馳走になった。

激辛だったが、白飯によく合った。

ケロールは小さくてワカメのように薄いので、他の野菜を混ぜないと炒め難いだろうな、なんて料理もできないのに想像した。

バリに戻ったら、ケロールのハーブティーを愛用しようかな。



◎参考資料
《 効能・効果 》
〈 葉 〉
免疫力を高め、血圧や脳細胞をコントロールし、ホルモンのバランスを整え臓器と潰瘍の治癒に効果的
熱、気管、目、耳、感染症カタル、甲状腺機能亢進に効果的
糖尿病治療や高血圧の抑止、精神(特に自律神経系)の安定に効果的
肌の殺菌に効果的
母乳を豊富に作り、貧血にも効果的
肝臓・腎臓・脾臓・膵臓を活性化する
便秘の改善、アルコール代謝の促進、不眠症の改善に効果的
〈 鞘・種 〉
若い鞘は高級食材として利用
口内炎、疲労回復、胃潰瘍や胃ポリープに高い効果がある
噛で砕いて食べると口臭がなくなり、毎日食べると虫歯予防になる
抗酸化作用が非常に高いオイルが取れる
〈 花 〉
香水の香料として有名
古くから強壮剤、利尿剤として使われている
絞ったジュースは喉の痛みやカタルを緩和
男性の強壮剤として効果的
〈 根 〉
非常に高い解毒作用(デットクス)で腸内のガスを取り除く
すりおろし、塩と混ぜるとリウマチ・関節痛のシップ薬になる
壊血病の治療に効果的
高麗人参の数倍の栄養価で滋養強壮に効果的


posted by ito-san at 19:11| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月13日

べべ(Bebek・アヒル)の行列にアクシデント(312)

バナナのことはインドネシア語で、Pisang。

ジャワ語では、Gedang。

スンダ語では、Cau。

このジャワ語のGedangが、スンダ語ではパパイヤのことになるらしい。

そんな言葉がたくさんようだ。

いやはやまったく、紛らわしい。

Pisang.jpg
《 珍しい双子のピサン 》

聞かなきゃよいものを好奇心が旺盛な私は、つい訊ねてしまう。

共同体に馴染むには、その地域の言葉を覚えるのが有効的だという考えはバリで習得した。

片言でも一生懸命、その地方の言葉を覚えようとする外国人に対して、親しみを覚えるのは当たり前。

ボロブドゥール地域はジャワ語。

インドネシア語も小学生低学年レベルなのに、ジャワ語を覚えるのは至難の技。

しかし、仲間意識を芽生えさせるのは、片言でもいいからジャワ語を覚えたい。



「Kafe Mpat」滞在中に、月曜日が3回あった。

月曜日恒例の早朝散歩、すべてに連れて行ってもらった。

毎回コースは異なり、朝陽を浴びたり、道端に咲く野花を愛でた。

あぜ道トレッキングだが、時には道無き道や小川上りをするハプニングもある。

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20羽ほどのべべ(Bebek・アヒル)の群団を引き連れる老人が、我々の前を行く。

バリ語でべべは、イティ(Itik)。

老人は細い竹の棒を左右に振りながらべべを誘導する。

この風景はバリの風物誌でもあり、私にとっては珍しくはない。

かつてバリでは、日本人団体客をべべと呼んでいた。

引率者の小旗に続く、従順な団体客の風景を揶揄した言葉だ。

前方から10羽ほどの小さな群団が、やはり年老いた男性のべべ使いに追い立てられるように進んで来る。

行列がすれ違う風景は、バリでも見たことがなかった。

両群団は道の左右に分かれて、行列を乱すことなくすれ違った。

なるほど、よく飼い慣らされている。

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しばらく進むと、もう一団が現れた。

30羽ほどの大群を2人の若者が、連れている。

今度も道の左右に分かれて素直にすれ違うだろうと思ったが、そうではなかった。

両群団は遭遇すると同時に、入り乱れ、混乱が始まった。

ベーベーとかしましい。

私には、他部族との交流を楽しんでいる風情に思える。

老人と若者のべべ使いが、混乱を鎮めるためにべべを引き離す。

何事もなかったように、若者たちの行列は進み始めた。

取り残された老人のべべが、明らか半減している。

老人は、若者たちのべべを振り返った。

若者たちのべべに、老人のべべが混じっている。

べべには、持ち主の目印がついている。

若者たちは、何事もなかったように行列を追い立てて行く。

老人は、自分のべべを取り戻そうと若者たちの行列を追いかける。

列は乱れ、道いっぱいに広がった。

若者たちは、まったく協力しない。

メスのべべに、オスのべべがついて行ってしまう。

これはオスの本能なのか?

積極的なのは良いが、立場もわきまえないとね。

老人は、無事取り戻すことができたようだ。

こんな風にして、べべが盗まれることがあるのだそうだ。

のんびりとした早朝の散策で、こんなアクシデントにも遭遇する。

そんなすべてが、新鮮なカルチャーショックでもあった。

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(写真提供:Nubogana Badaさん)


次回は、メニューにケロール(モリンガ)料理のあるワルンを紹介したいと思います。

お楽しみに!


posted by ito-san at 16:29| Comment(2) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月08日

インドネシア人はフライド・チキンがお好き!?(311)

「ボロブドゥール遺跡公園の外周散策(310)の続きということで。


外周散策の出発地点だったボロブドゥール遺跡公園正面入り口に戻った。

この地点は、チャンディ・パオンから真っ直ぐに伸びる道でT字で交わっている。

先ほど進んだ、西側の柵沿いの道の反対側は、商店が連なっていた。

お腹が空いたので、どこかで食事がしたい。

角のレンタカー屋から50メートル先の脇道の角にあるロスメンまで、バイク店、コンビニ、マスジット(モスク)、スパ、ワルン、カフェなどが軒を並べている。

その一つのワルンの店先に、気になる看板を見つけた。

看板には、"Ayam Geprek"と"Ayam BECEM"とメニューが書かれてある。

Ayam Geprek1.jpg

"Ayam"とあるから鶏料理だろう。

値段が安い!

どんな料理かわからないが、ワルンに飛び込んだ。

Rp10,000-のAyam Geprekを頼んだ。

しばらくして、運ばれてきたのが、これ。



これは、鶏肉を揚げたフライド・チキンだ。

インドネシア語で、フライドはゴレンで、鶏肉はチキン。

だから、アヤム・ゴレンと呼ばれているはずだ。

アヤム・ゴレンは、バリ人ばかりじゃなくインドネシア人の大好物。

鶏肉だから、豚肉料理の駄目なムスリムの人も食べられる。

牛肉の食べられない、ヒンドゥー教徒も大丈夫だ。

こんな土壌だから、KFC(ケンタッキー・フライドチキン)のインドネシア進出も可能だったのだろう。

KFCのフライド・チキンにも、ナシプティ(白飯)付きがある。

インドネシア専用スペシャル・メニューだろう。

バリの各地に、KFC(ケンタッキー・フライドチキン)に似た、フライド・チキン店が増えている。

話が逸れた、なぜアヤム・ゴレンがAyam Geprekと呼ばれるか?

郷土料理なのか?

Ayam Geprekは、形が少々崩れていたが美味しかった。

次回は、Ayam BECEMを試そう。


あとで、バダさんに聞くと、

「Geprekは叩くという意味で、Ayam Geprekは叩き潰されるチキンの意味だ」と教えてくれた。

Ayam Bacemは、ジャワ料理で、砂糖漬け料理のことのようです。

ジャワ語&スンダ語も興味が惹かれるが、地方料理にも食指が動く。

アロンアロン&プランプランと、ゆっくりゆっくりと知っていくとしよう。


posted by ito-san at 18:15| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする