毎度、疎外感に苛まれるガルンガン祭礼日(7月24日)を避けて、旅に出ることにした。
25日の72才の誕生日も、一人孤独に迎えようと決意。
隣の島、ロンボク島に愛バイク・スクピーに乗って。
その結末は、マグラン滞在記が終わり次第アップします。
乞うご期待!
と言うことで、残り2回のマグラン滞在記にお付き合いください。
4月27日、
ワヤン・クリッ(Wayang Kulit・影絵芝居)を鑑賞にボロブドゥールの街に。
ウブドでは、毎日のように芸能に接する機会があるが、バリ以外の地域では観られる事は少ない。
ワヤン・クリッは、古くからインドネシアの各地で親しまれてきた。
現在では、ジャワ島のジョグジャカルタとソロ、そしてバリが有名だ。
バリにワヤン・クリットが伝わったのは、マジャパイト王朝の15世紀頃だと言われている。
ルーツはジャワ島だが、形態が変わって今の根付いている。
オダラン(寺院祭礼)、削歯儀礼、婚姻儀礼、火葬儀礼、誕生日儀礼(オトナン)などの宗教儀礼の一部として、欠かせない奉納芸能だ。
バリのワヤン・クリッは、ダラン(人形遣い)はスクリーン裏で演じ、鑑賞者はスクリーンに映る影絵を見る。
ジョクジャカルタやソロのワヤン・クリッは逆で、影絵を見るよりは演者を鑑賞するがメインになっている。
バリと違って、宗教性のない娯楽として残っている。
この日は、ボロブドゥール最古のホテル「Pondok Tingal」で、月一回入場無料で催されているワヤン・クリッを鑑賞することができた。
ボロブドゥールで唯一、古典芸能を鑑賞できる場所のようだ。
ホテル施設の幾つかが建物が解放されていた。
ダランの甲高い声が聞こえる。
館内に入ると、正面奥に大きなスクリーンがある。
スクリーンの前には、女性のダランが後ろ向きの姿が目に入った。

女性のダランは初見。
ジョクジャカルタにある芸術大学のワヤン・クリッ科には何人かの女性がワヤン・クリッを学んでいるようだ。
4月21日は、インドネシア女性解放運動の先駆者「イブ・カルティニ(Ibu Kartini)」の日。
この日は、イブ・カルティニに敬意をあらわして、女性のダランを招待したようだ。
横には謡の女性2名が、こちらを向いて座っている。
女性は、伝統衣装のクバヤ。
男性は、ジョクジャカルタの王宮で見かける正装に包まれている。
その前(後ろというのか)は、大ぶりなガムランが並べられた広いステージ。
ガムランがバリのと、まったく違う。
すべてが大型だ。

バリのそれと比べると、豪華絢爛だ。
写真や動画で観たことはあったが、生の見るのは初体験だ。
観客は粉コの字型に並べられた椅子の座っている。
ステージの裏と中庭には、スナックや飲み物が用意され、鑑賞者は自由に取ることができる。

(オーナーの名誉のために付け加えておくが、中庭には、もっと立派なワルンが出ていた)
芸能を残したいと考えるオーナーの太っ腹な振る舞いだ。
コーヒーとお菓子を手に鑑賞する人々が、たくさんいる。
伝統衣装に身を包んだ男性が多い。
これもオーナーの考えなんだろう。
私はコーヒーを持って、バリでするようにスクリーンの裏に回った。
スクリーンの裏には椅子がなく、ジュータンの床に座り込んだ。

ジョクジャカルタ市内には、ソノブドヨ博物館(Museum Sonobudoyo)と王宮南広場(Sasono Hinggil)で毎晩ワヤン・クリッは公演されている。
ラーマヤナ舞踊は、プラウィサタ劇場(Purawisata)とプランバナン寺院(Prambanan)で公演がある。
バリのように、芸能を鑑賞する機会がもっとあればいいのにと思った。
そうすれば観光客を逗留するだろう。
posted by ito-san at 17:01|
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ウブド村帰郷記
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