2019年12月15日

テガリンガ(Tegallingah)の遺跡で奇跡! (333)

12月に入って、暑い日が続いている。

例年より、暑いと他人は言う。

思考能力が鈍るほどの暑さで、ブログに手をつける気も起きない。

手先を動かすだけのランプシェード作りははかどり、注文の2つを完成させた。

今日(13日)は、昼2時頃に通り雨があり、ちょうど良い潤いの涼しさになった。

3日ほど前から、まとまった雨が降るようになったのは、雨季に入る兆候か。

暦の上では、11月で雨季に入っているはずだが、今年は遅いようだ。

涼しさのおかげで、そろそろブログを仕上げなくてはという気になった。

気分転換に「カキアン・ベーカリー」で、WiFiと洒落込む。

冷房が私の頭を冴えさせてくれるのを期待しての行動だ。


さて、何を書こうか?

ランブット・スダナ(Rambut Sedana)の吉日に出掛けた、チャンディを記録しておこう。

チャンディは石造の寺院や霊廟のことを言うが、バリでは建造物はなく崖(Tebing)に直接掘られている。

そんなことからCandi Tebingを呼ぶ。

この日は、ウブドの北東に位置するブドゥル村に残る「Candi Tebing Tegallinga」を目指した。

グヌン・カウィやゴア・ガジャの遺跡は有名だが、ここはまったく知名度がない。

ブドゥル村は、10〜14世紀に栄えたといわれるワルマデワ王朝時代(バリ王国)の遺跡が多く残る地域。
発掘されていないが、王宮があったのも、この地域だと確信している。

「Candi Tebing Tegallinga」は以前、バリ人知人のフェイスブックに紹介されたのを見て、気になっていた。

グーグル・マップを頼りに、愛バイク・スクーピーを走らる。

矢印が示す場所を何度も周回した。

村人に尋ねると「この小道を進めばいい」と言う。

tegallingah2.jpg

半信半疑で進むと、確かに目的地に出た。

しかしこの道は、情報として紹介できるルートではない。

正式ルートは、帰路の際に探すことにする。



とにかく、数時間を掛けて到着。

入場料大人Rp30,000-のところを、長期滞在者証明書でRp20,000-に。

tegallingah5.jpg

手渡された英語の説明書に書かれていた文章を、要約してみよう。

「Candi Tebing Tegallinga」は近年、クライスマンというオランダの考古学者によって発見された。

テガリンガ集落を流れるパクリサン川沿いの崖壁に刻まれている。

タンパクシリンにあるグヌン・カウィと同じ11世紀の遺跡と推定される。

以下、省略。

tegallingah14.jpg


渓谷に向かって下りて行く。

崖のチャンディが見えてきたので、カメラを構えた。

チャンディの階段は濡れていた。

滑りそうだな、と想像した瞬間に現実となった。

右手にカメラを持ったまま、ケツで数段滑る。

もう少して、左側の崖に落ちそうだった。

ここまま落ちるかもと、かなり危険を感じた。

頭も腰も打っていない。

ズボンはベタベタだが、運良く、擦り傷もない。

リュックのパソコンは大丈夫かな。

不幸は起こらなかったが、怪我をしていてもおかしくはない状況だった。

近くに人のいない状況で、身動きできなかったらと身震いした。

老齢72歳、これからは、十分に注意を心がけようと心に誓う。

気持ちが落ち着いたところで、見学を始める。

皆様は、動画を御覧ください。




ここからが、今回メーンの奇跡の話。

駐車場の脇にあるワルンで、コピ・バリを注文した。

支払いを先に済まそうと、ズボンの後ろポケットに手を当てた。

手応えがない。

財布がないのだ。

どこに仕舞ったのだろう。

カバンの中も料金場周辺も調べた。

あれっ!

泥んこズボンの右ポケットが裂けている。

階段を滑った時に、ポケットが破れてサイプが落ちたのかもしれない。

慌ててチャンディに走った。

戻りで、すれ違ったカップルが見つけたかもしれない。

すれ違ったのは、彼らだけだ。

彼らが届けてくれるか、取得してしまうかは五分五分だ。

カップルの姿が見えた。

私が転んだ場所を通り過ぎている。

息急き切っている私の姿を見て「どうしたのかな?」という顔をしている。

見つけたのを、とぼけているのだろうか。

疑い深くなっている自分に嫌悪。

私は階段の上に立った。

一抹の期待を込めて、彼らに声を掛けた。

「財布は、落ちてませんか?」

彼らは、互いに顔を見合わせている。

拾ってくれたのだろか?

どうしようか、迷っているようにも思える。

男性が階段を上りかけようとした時、私は奇跡を見つけた。

水浸しになった、黒い財布がある。

財布は、苔むした階段と同調していて、彼らには見えなかったのだ。

「ありました! トゥリマカシ!」

少しでも疑ったことを詫びる気持ちで、カップルにお礼を言った。

訪れる人の少ないところでラッキーだった。

チケット売り場の女性に「ありました!」と報告。

「よかったね、今日はランブット・スダナだから、神様が守ってくれたんだね」

今日は、お金に感謝し、大金の貸し借りはしない、借金を返さないとされている。

関係あるかどうかわからないが、そんな言葉が暖かく受け止められた。

ワルンのおばさんも「カウンターの上で濡れた札を乾かすといい」と、優しい言葉を掛けてくれた。

大きく動揺もしたが、結果オーライの「Candi Tebing Tegallinga」見学だった。


正しいルートは、ギャニアールの幹線道路からです。

tegallingah13.jpg

tegallingah11.jpg



おまけの動画:

グヌン・カウィ(Candi tebing・Gunung Kawi)


ゴア・ガジャ(Goa Gajah)



posted by ito-san at 13:09| Comment(2) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする