地球規模で、災害が勃発している。
4月1日発の長距離バスで、マゲランに移動する予定でいたが、断念した。
中国湖北省武漢市で2019年12月に発生した新型コロナウィルス肺炎(COVID19)が、世界中に広まった。
「在デンパサール日本総領事館」からのメールは、2月に入って頻繁になった。
そのほとんどが「新型コロナ・ウィルス」に関するニュースだ。
これまで対岸の火事だった災難が、今回は自分にも火の粉が降りかかりそうだ。
バリ島ウブドにも、その影響が現れた。
これまでウブド滞在30年の間に、大きなニュースは数々あった。
1995年1月17日の神戸淡路大震災
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件
2002年10月12日のバリ島自爆テロ事件
2004年12月26日のスマトラ沖地震
2006年5月27日のジャワ島中部地震
2011年3月11日の東日本大震災
2017年1月25のアグン山噴火
このほかにも、隣島の火山噴火や地震が頻繁に続いている。
その中で、バリ島爆弾事件とアグン山の噴火はみじかで起きた事件だったが、それでも恐怖は感じなかった。
「新型コロナ・ウィルス」のニュースが広まると、観光客の足が遠のいた。
航空機乗り入れを禁止する国が出ている。
日に日に、観光客姿が減ってきている。
観光の目玉である、悪霊払いの綺麗「オゴホゴ」のパレードを中止した。
こんことは、30年の滞在で初めてのことだ。
バロンダンスの起こりは、疫病の流行を鎮める為に行なわれた。
今回も盛大な疫病退治の儀礼を行うだろうと思っていたが、それはなかった。
バリ人の考え方も合理的になったということか。
近代化されたバリは、もう呪術的な力に頼れなくなってきたのか。
バリ人の進行する、ヒンドゥー教の神々が守ってくれると考える彼らさえ、今回は神頼みじゃいけないと考えたのだろう。
ニュピ ( Nyepi )の翌日も外出を禁止した。
(ニュピ:http://informationcenter-apa.com/kb_nyepi.html )
世界は今、一丸となって「新型コロナ・ウィルス」に立ち向かっている。
その後は、外出自粛。
海外からの渡航者は、入国禁止となった。
各国の各地域で、最良の対策が施されていることだろう。
ネット上には、人っ子ひとりいない街が、映画のワンシーンに似た風景が映されている。
現実とは思えない、様々な情報が流れくる。
思いもよらない未来の世界が今、目に前で繰り広げられている。
死亡者の数をパーセンテージで表していることに、悪寒が走る。
数字では、悲惨さは伝わらない。
犠牲者を、ぞんざいに扱ってはいけない。
死は、もっと丁重に扱うべきだ。
私は、いつ死んでもいい心つもりで日本を旅発っている。
しかし、他人には迷惑をかけたくない。
個人としては、何もできないが、早急に終息することを強く望んでいる。
世界が高齢者人口のリストラを願うなら、それに従ってもいい。
率先して、名乗りをあげてもいい。
地球に平穏が戻るなら、72歳の命を捧げよう。
呼吸困難で苦しむのは嫌だから、できれば痛みの伴わない処置をお願いしたい。
これは、贅沢な望みか。
国(インドネシア・日本)が、政府が、決めたことには、素直に従おう。
前途の見通しは、決して明るくない。
むしろ暗いと言える。
2日午後6時、バリ・ヒンドゥー教徒は「新型コレラウイルスの終息」を願って、お祈りを捧げた。
人々の心の叫びは、通じるか?