2020年04月03日

人々の心の叫びは、通じるか?(347)

地球規模で、災害が勃発している。

4月1日発の長距離バスで、マゲランに移動する予定でいたが、断念した。

中国湖北省武漢市で2019年12月に発生した新型コロナウィルス肺炎(COVID19)が、世界中に広まった。

「在デンパサール日本総領事館」からのメールは、2月に入って頻繁になった。

そのほとんどが「新型コロナ・ウィルス」に関するニュースだ。

これまで対岸の火事だった災難が、今回は自分にも火の粉が降りかかりそうだ。

バリ島ウブドにも、その影響が現れた。

これまでウブド滞在30年の間に、大きなニュースは数々あった。

1995年1月17日の神戸淡路大震災

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件

2002年10月12日のバリ島自爆テロ事件

2004年12月26日のスマトラ沖地震

2006年5月27日のジャワ島中部地震

2011年3月11日の東日本大震災

2017年1月25のアグン山噴火

このほかにも、隣島の火山噴火や地震が頻繁に続いている。

その中で、バリ島爆弾事件とアグン山の噴火はみじかで起きた事件だったが、それでも恐怖は感じなかった。


「新型コロナ・ウィルス」のニュースが広まると、観光客の足が遠のいた。

航空機乗り入れを禁止する国が出ている。

日に日に、観光客姿が減ってきている。

観光の目玉である、悪霊払いの綺麗「オゴホゴ」のパレードを中止した。

こんことは、30年の滞在で初めてのことだ。

バロンダンスの起こりは、疫病の流行を鎮める為に行なわれた。

今回も盛大な疫病退治の儀礼を行うだろうと思っていたが、それはなかった。

バリ人の考え方も合理的になったということか。

近代化されたバリは、もう呪術的な力に頼れなくなってきたのか。

バリ人の進行する、ヒンドゥー教の神々が守ってくれると考える彼らさえ、今回は神頼みじゃいけないと考えたのだろう。

ニュピ ( Nyepi )の翌日も外出を禁止した。
(ニュピ:http://informationcenter-apa.com/kb_nyepi.html

世界は今、一丸となって「新型コロナ・ウィルス」に立ち向かっている。

その後は、外出自粛。

海外からの渡航者は、入国禁止となった。

各国の各地域で、最良の対策が施されていることだろう。

ネット上には、人っ子ひとりいない街が、映画のワンシーンに似た風景が映されている。

現実とは思えない、様々な情報が流れくる。

思いもよらない未来の世界が今、目に前で繰り広げられている。

死亡者の数をパーセンテージで表していることに、悪寒が走る。

数字では、悲惨さは伝わらない。

犠牲者を、ぞんざいに扱ってはいけない。

死は、もっと丁重に扱うべきだ。

私は、いつ死んでもいい心つもりで日本を旅発っている。

しかし、他人には迷惑をかけたくない。

個人としては、何もできないが、早急に終息することを強く望んでいる。

世界が高齢者人口のリストラを願うなら、それに従ってもいい。

率先して、名乗りをあげてもいい。

地球に平穏が戻るなら、72歳の命を捧げよう。

呼吸困難で苦しむのは嫌だから、できれば痛みの伴わない処置をお願いしたい。

これは、贅沢な望みか。

国(インドネシア・日本)が、政府が、決めたことには、素直に従おう。

前途の見通しは、決して明るくない。

むしろ暗いと言える。

2日午後6時、バリ・ヒンドゥー教徒は「新型コレラウイルスの終息」を願って、お祈りを捧げた。

人々の心の叫びは、通じるか?


posted by ito-san at 17:34| Comment(2) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする