《 知っていましたか? 》
ウブドを散策していて、T字路の交じ合う場所に、必ずと言ってよいほど祠が設置されているのを。
屋根を持たない座椅子のような造りの祠です。
このあたりには神々のいることが多く、平穏無事を願う村人は、神々に休んで頂こうと祠に供物を用意して感謝をあらわしているのだそうです。
ウブド大通りとスリウェダリ通りのT字路
ウブド大通りとハヌマン通りのT字路
ハヌマン通りとデヴィシータ通りのT字路
寺院や屋敷寺にも、座所がある。
大寺院の祭壇を「パドマサナ=Padmasana」と呼ぶが、小さな祠は「パドマサリ=Padmasana」と呼び分けているようです。
この解釈でいくと、T字路の祠はパドマサリと呼ぶのかな。
村人は、使い分けているようには思えないが。
神々や祭壇には様々あり、名称がはっきりしないところもある。
パドマサナは、太陽神スルヨ(Surya)のための祭壇。
スルヨはバリ・ヒンドゥーの教えによると、最高神イダ・サンヒャン・ウィディ(Ida Sanghyan widhi)でもあり、またシワ神でもある。
最高神イダ・サンヒャン・ウィディの座する処なので、上部に物質はないのです。
神々は、祭礼時に決められた祭壇に降臨してくると考えられている。
プラタナンサシ寺院のパドマサナ
グスティ家の屋敷寺のパドマサナ
フェイスブックに、沖縄にも石敢当(いしがんとう)と呼ばれる、似たような風習があるとのコメントがあった。
T字路に、悪霊除けの石敢当と呼ばれる守り神を置いているそうです。
精霊信仰の残る地域には、同じような風習が残っているようですね。
バリでは、邪悪に対する供物は地面に直接置く。
ブタ・カラと呼ばれる悪霊は、地表を徘徊するするからだ。
パドマサナは、神の座する処との認識のようです。
*蛇足だが、パドマは蓮。
両足を組む座法・蓮華座は「パドマ・アーサナ」と言うようですね。
語源は、ここかな。
バリには、「Tunjung」という呼び名の蓮がある。
調べてみると、睡蓮のようです
《 知っていましたか? 》
こんなのも、道端に立っているのを。
パドマサナとは、違う形をしていますね。
名称は、Indrablakaと言うそうです。
道端に立つ祠
屋敷門に立つ祠
また、田んぼに立っているのも見かけます。
田んぼには、田んぼと稲の女神デウィ・スリ(Dewi Sri)を祀っている。
これはサンガと呼ぶようです。
田んぼに立つ祠
一般カーストの屋敷寺もサンガ。
このタイプの祠は、寺院や屋敷寺などにもあるが名称は異なるようです。
限りなく面倒なので、私はこれ以上知るのをやめることにした。
《 知っていましたか? 》
バリ人の屋敷を訪れて、門を入った正面に小さな壁があるのを。
壁の名称は「アリン・アリン=Aling aling」。
これはマジック避けの壁。
手品じゃありませんよ。
レアック=Leakによる魔術のこと。
レアックの話は:「極楽通信・UBUD 」レアック=Leyakをお読みください。
悪しきものの侵入を防ぐための壁。
邪悪な存在は、真っ直ぐにしか進めないと考えているようです。
これなんかは、沖縄の石敢当と似てますね。
アリン・アリンを見かけない屋敷も増えてきた。
これは、近年の傾向か?
理解せずに習慣として行ってきた風習が、少しづつ消えていっていると感じる。
変化するのは、仕方がないことだ。
見られるうちに、体験しておきたいと思う今日この頃です。