2022年07月13日

バリ島関係・マニアックな推薦本・そのF姫子・イン・バリ(440)

今回の推薦本は、私がウブド滞在を始めて最初に手にした小説。

題名は「姫子・イン・バリ」。

著者は、有為(うい)エィンジェル。

中央公論社より、1987年12月発行。

私は1990年にウブド滞在を初めているので、想像できる時代の作品だと言える。

book-himeko.jpg


この小説が、誰から私に渡って来たかは、今となっては思い起こすことができない。

1990年当時、日本語の本と言えば旅人から手渡されたが物か、旅人がウブドに3〜4件あった古本屋に売っていった物しか手に入らなかった。

それ以外には、ビザの書き換えでシンガポールに出国した時に、紀伊国屋で購入して来た高価な本だ。

その数は、たかが知れている。

数少ない日本の本を、滞在者の間で貸し借りしていた。

滞在者数人の手を経て、私のところに回って来たのだろう。

写真の本は「和るん・あんかさ」の貸し出し本棚にあった物。


小説を推薦するのは初めてなので、読後感想をと思いましたが、そんな高尚なことは私にはできないので、内容を少し紹介することにした。

話は、ウブドが舞台。

あらすじはラブストリーだが、さらっとバリ文化が紹介されている。

失礼を承知で言えば、小説仕立てのガイドブックのようだ。

恋あり、笑いあり、ブラックマジックの話あり。

あのころ、こんなことがあったのだろうな、と想像できて楽しい。

ひょっとするとあの場所かな。

登場人物に似てるバリ人知ってる。

なんて考えながら読むと面白い。

ウブド人は年齢を尋ねない。

男同士で手を繋ぐ。

ジーと見つめる。

恋は時間なんで問題じゃない。

ウブドの宿には覗きのポイントがあった。

などなど、ウブド人気質のあるあるが随所に散りばめられている。


ウブドが今のように発展するのを、作者は見抜いていた。

文明化していくウブドに憂いを感じながら、受け入れねばならない。

どう受け入れるか。

今ウブドが直面している問題を、35年前に警告している。

リーゾート化した南部の街と違い、宗教・習慣・芸能を日々垣間見ることができるウブド。

ウブドらしく発展して欲しい。

まさに、そのことを危惧していた。


絶版のようです。

アマゾンにもない。

古本屋で探してみてください。

入手のハードルが高いかな。

読みたい人は、ウブドに来て借りてください。

「アパ?情報センター」のワヤン君に連絡いただければ、入手できるようにしておきます。

読んだことのある人も、もう一度読んでみることをお勧めします。

現地、ウブドで読むと、臨場感があって興味深く読むことができますよ!


『アパ?情報センター』
http://informationcenter-apa.com/

「極楽通信・UBUD」バリ関係・推薦本
http://informationcenter-apa.com/suisen_hon.html

posted by ito-san at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする