2024年09月20日

チャロナラン舞踊劇の見納めは、リノさんの魔女ランダで!(548)

リノさんからメッセージが届いた。

ケチャの踊り手として有名なテガス・カンギナン村のリノさんだ。

9月5日から17日まで続く、オダラン(寺院祭礼)の奉納舞踊スケジュールだった。

スケジュール.jpg

今回のオダランは、大祭なので、連絡をくれたのだろう。

16日のチャロナラン舞踊劇で、魔女ランダをリノさんが演じると誘っている。

久しくオダランに参列していないが、日本本帰国も近いことだし、チャロラナンの見納めにいい機会かもしれない。

スケジュール表には、開演午後8時とある。


9月16日

テガスカンギナン村に、8時30分に到着した。

見納めだから、最初から最後まで鑑賞する意気込みでいる。

と言いながらも、バリ時間のことだからと30分の遅刻。

小さなオープンステージは、すでに満員。

オープンステージは、ケチャの会場になるスペースで、客席はコの字型の階段状になっている。

ガムラン隊はすでに陣取っていた。

オダラン期間限定の祠が建てられて、ステージはさらに狭くなっている。

この寺院では、1998年にオープンステージと境内で、一度ずつ奉納舞踊をさせていただいた。

どちらも反省点の多かった、踊りだったのを思い出す。

もうリベンジも叶わない。

「神々に捧げる踊り」https://informationcenter-apa.com/hounou.html


オープンステージでの鑑賞はあきらめて、外に設営されたスクリーンで観ることにした。

スクリーン.jpeg

午後9時開演は、予定どうりか。

御神体バロンが五体奉納舞踊された。

「聖獣バロン(barong)」
https://informationcenter-apa.com/gk_barong.html


テレックの群舞で、チャロナラン舞踊劇が始まった。

テレック.jpeg

テレックが退場すると、一幕の終了。

二幕は、女官が登場し物語を進行していく。

お姫様と魔女チャロンアランが加わって、物語は展開する。

人気のお笑い三人組が会場を沸かす。

写真を撮ることを忘れるほど、面白かった(言葉はわからないが)。

このあといくつかの幕があるが、説明は省略。


チャロナラン劇のクライマックスは魔女ランダの登場だ。





時間は、深夜1時をまわった。

チャロナラン劇は、まだまだ続く。

奉納舞踊を全編鑑賞する気力・体力がなくなってから久しい。

今回は、最後の鑑賞とになるだろうとの思いで、終了まで残ることにしている。

まずは、腹ごしらえ。

個人的小休止でサテ・バビを道端で食べた後、アクアを買いに。
ワルン.jpeg

ステージでは、シシアンの舞踊が始まった。
シシアン.jpeg

大臣と魔女ランダの終わりなき戦いが終わる。

深夜3時:ススオナンが火葬儀礼が行われる寺院に向かった。

村人が後ろをついて行く。

久々の6時間全編の鑑賞でした。

物語のあらすじは、ここでは説明しないので、それぞれで検索してください!

posted by ito-san at 21:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年09月02日

ウブドに行ったら、ムルカット( Melukat)儀礼に参加するといいよ!(547)

バリ島では、伝統衣装(Pakean Adat)に身を包んだバリ人たちが海岸(スガラ=Segara)や川の合流点(チャンプアン=Campuhan)、滝やパンチョラン= Pancoran( パイプから流れ落ちる湧き水)、ベジ= Beji (聖なる泉源)などに供物を持ってやって来て、沐浴する姿を見かける。

この沐浴は、ムルカット(Melukat)と呼ばれるバリ人の信仰するヒンドゥー・ダルマの儀礼であり、慣習の一つでもある。

ムルカット儀礼は、正装していれば観光客も参加できるので、人気の儀礼体験になっている。

供物やお香などが必要なので、できればバリ人の知人かガイドを同伴することをお薦めします。


マディ・クルトネゴロ氏と3月にお会いした時、氏が高僧プダンダの称号を手に入れたことを聞いた。

その時の話は、ブログ「34年目にして、マディ・クルトネゴロ氏と初対面!(529)」に掲載しています。
https://itosan-ubud.seesaa.net/article/502771426.html

今回のブログは、氏が著した小冊子「MELUKAT」を参考に、ムルカット初心者の心得をまとめてみた。

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ムルカットはカウィ・バリ語で、浄化する意味のルカット(Lukat)に由来している(バリ語:Ngicalang)。

無駄な知識かもしれないが、ムルカットに参加する人のことをプナンキル(Penangkil)と言うらしい。

これは、聖地に来るという意味のナンキル(Nangkil)が語源だと言う。


ムルカットは、冒頭に列挙した神聖なる自然の中や、高僧の屋敷グリオ(Griya)で、僧侶プマンク(Pemangkuka)や高僧スリンギ(Sulinggih)から聖なる水ティルタ(Tirta)によって清められる。

ヒンドゥー・ダルマの精神的な活動であり、古代から存在する「魂と心の浄化」を目的とした儀礼で、思考と感覚を清らかに戻します。

特に、ダサ・マサ=Dasa Masaを除去することができる。

ダサ・マサには、次の10種類の不適切な性質がある。

1)Tandri:怠け者
2)Kleda :先延ばしにするのが好き
3)Teja:暗い考え
4)Kulina:人を侮辱したり傷つけたりするのが好き
5)Kuhaka:頑固
6)Metraya:傲慢で嘘つき / 誇張する
7)Megata:残酷
8)Ragastri:姦淫(かんいん)
9)Bhaksa Bhuwana:他人を困窮させるのが好き
10)Kimburu:浮気が好き

不調和、長期の病気、深刻な人生上の問題、不幸、悲しみ、不運、常に悪夢や黒魔術を感じている人々にも、ムルカットは行われます。


バリの暦に基づいた、特別ムルカットに良い日があります。

プルナマ=Purnama(満月)、ティルム=Tilem(暗月・陰月)、カジャンクリオン=Kajeng kliwon(15日に一回巡ってくる)、バニュピナロ=Banyu Pinaruh(サラスワティ=Saraswatiの翌日)などです。

この日以外でも、いつでもできるのがヒンドゥー・ダルマの良いところ。

もっとも重要なことは、プナンキルの心の準備です。

心の準備ができていれば、必ず、良い結果が得られるというわけです。

時間は、朝、午後、夕方に行われる。

新鮮なエネルギーの発する朝が、最もよい時間帯だとされている。

ムルカットの場所では、SekalaとNiskala、または目に見えるもの(現実世界)と目に見えないもの(超自然的なもの)のエネルギーが強いので注意しよう。

これには、無の境地で対処するしかないですね。

私なんかは、なんちゃってヒンドゥーなので、やりたい日時に勝手に瞑想的なムルカットしています。

と言っても、正式のムルカットに立ち会えれば、それ以上に満足感を味わえることは間違い無いです。

グリオでの個人的なムルカットは、儀礼を行う日の決定、特別な供物の準備などがあるため予約が必要になります。

通訳同伴でないと、スリングからのありがたいお言葉も無意味になってしまうので、ご注意注意です。

着替えも忘れずに!



高僧マディ・クルトネゴロ氏推薦のムルカット場8選。

1)ティルタ エンプル・Tirta Empul(Tampaksiring, Gianyar)

tirta-empul.jpg

バリでもっとも人気のあるムルカット場。

肉体的、および精神的な不純物を浄化し、マラ(不運 / 悪)を取り除くことができると信じられている。

泉が湧き出る話は、古代史「極楽通信・UBUD / プクリサン川の神話」https://informationcenter-apa.com/kb_pekerisan.htmlをご覧ください。


2)ムングニン・Pura Mengening(Desa Pakraman Saraseda, Tampaksiring, Gianyar)

10個の泉がある寺院で、観光客はその一つを利用できる。不眠症を解消する泉があると聞いている。




3)スバトゥー・Pasiraman Pura Dalem Pingit(Banjar/Desa Sebatu, Tegalalang, Gianyar)

心の汚れによって引き起こされる、さまざまな病気を治療できると信じられている。

魂が汚れていると、滝の水が濁ると言われています。時々、トランス状態で嬌声をあげている人を見かけます。

ムルカット場は、深い谷底にあるので体力に自信のない方は遠慮した方がよろしいようです。




4)ティルタ スダマロ・Pancoran Tirta Sudamala(Desa Sedit, Bebalang, Bangli)

デワタ ナワ サンガ(Dewata Nawa Sang)と呼ばれる高さ約3.5メートルの9つのパンチョランが有名です。

神秘的なものによって引き起こされるさまざまな病気を治療すると信じられており、黒魔術の力をすべて溶かし体内の汚れマラを消すことができる。

3つのパンチョランから始まり、デワタ ナワ サンガ、最後に3つのパンチョランと進みます。

プマンクにマントラを唱えてもらうことができます。




5)テガル ワジャ・Pura Telaga Waja(Banjar Kepitu, Desa Kendran, Gianyar)

碑文や古代ロンタルに記載されている寺院で、一番左のゴア(洞窟)は14世紀、高僧ダンヒャン・ニラルタが住んでいたと場所と言われている。


6)パンルカタン デダレン・Panglukatan Dedaren(Banjar Gria, Bangli)

デダレンとは天使という意味。内面の美しさを目覚めさせる場所と信じられている。


7)パンルカタン スラティ・Panglukatan Selati(Desa Bunutan, Bngli)

8)Pancoran Solas Ring Taman(Bangli Bunutan, Bangli)

9)Pura Luhur Tamba Waras(Tabanan)


参考になりましたか?

この他にもムルカット場は、たくさんあります。

情報をキャッチして、自分に適したムルカット場を見つけてください。

スラマット・ムルカット!

最後に、伊藤さん推薦を一つ足しておきます。

Bali・Pura Tirta Harum ・Melukat @ Bangli

posted by ito-san at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする