出産予定日はわからない。
いつ、どこで生むのかは、見当がつかない。
「セリ」の行動範囲は広いと聞いている。
私は「精霊漂う渓谷(20)」で報告した祠まで散歩をしているのを見かけたことがある。
今は妊犬の心得として、適度の運動をしているのだろう。
それとも出産場所を物色していたのだろうか。
と思っていたら、コロコロと太ったキンタマーニ犬の子犬が台所の前でコロコロしていた。
足取りが軽かったのは、すでに出産したあと数日が経っていたのか。
「昨日、子犬を咥えて渓谷から登ってきた」とイブ・マデが教えてくれた。
人が下りられない程の急なところで生んだようだ。
子犬が、這いずるようになって危なくなっての引っ越しだろ。
猫は、3度ネグラを変えると聞いているが、犬の場合はどうなのだろう。
どこへ引っ越すのかが気になるところ。
このまま、この場所にいたら侵入犬にいじめられるゾ。
道端でたむろっていても、いざ、自分の家によその犬が入ると吠えて追い出す。
放し飼いの犬だけど、ちゃんとテリトリーはわかっている。
それでもズウズウシイ犬は、入って来る。
2〜3日後、私の部屋(バレ・ダジュー)の窓の下で、母親を呼ぶ子犬の声が聞こえてきた。
窓を開けると、下で「セリ」が子犬とジャレ合っていた。
子犬は、まだ目は見えないようだ。
家寺とバレ・ダジューに挟まれた、ここなら安心だ。
家寺の2カ所ある割れ門も一メートル弱と狭いので、侵入犬が入ってくれば「セリ」にもわかるだろう。
そんな侵入犬のこともわかっているように「セリ」は子犬を家寺の奥に隠したのだ。
通常、家寺側にバレ・ダジューの窓は作らないと聞いていたが、そうでもないようだ。
開けている時には気を使うが、窓があるおかげで涼しい風を入れることが出来るので、私に文句は無い。
今、子犬は家寺と私の部屋の間で丸くなって寝ている。
※極楽通信・UBUD
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