2013年08月26日

架橋工事の再開(49)

果たして、この橋の開通でウブドの慢性的交通渋滞に歯止めがかけられるか?

サンバハン村のスウェタ通り北部(ウブド第一高等学校から100メートルほど北上)とタマン村のスリウエダリ通り(テガランタン村手前)の間にある渓谷に、2つの通りを結ぶ架橋工事が着工されたのは昨年4月のことだ。

工期8ヶ月で、完成予定は同年12月。

開通すれば、ウブド中心部の交通渋滞緩和に繋がると、少々期待されている橋だ。

サクティ村に位置するゆえ、この橋を便宜上「サクティ(Sakti)橋」と命名しておく。

読者の方は、それぞれ「チャンティク」「ビアビア」「ビンタン」など、かってに付けてください。


交通渋滞の原因は、大型バスの侵入、観光客を乗せた車の乗降、駐車場スペースなど様々。

ウブド南部プンゴセカン村方面とテガス村方面から来る観光客を乗せた車が合流する、モンキーフォレスト通りが渋滞のメイン道路。

モンキーフォレスト通りがウブド大通りと交わる地点が、ネックとなっている。

サクティ橋が架けられる地域は、観光ルートでも幹線道路でもない一般村道。

交通渋滞に、あまり影響がない地域。

なぜ、ここに????? 疑問符がたくさん浮かぶ。

ほかに、渋滞の鬱血を緩めることができる適所があるはずだ。

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テガランタン村側に崖崩れがあったのは、2012年9月19日。

乾季の真っ盛り、乾燥する日々が続き崖の土が砂状になり、道路のアスファルトいっぱいまで路肩が滑り落ちた。

アスファルトの下は、えぐれていた。

これでは危なくて自動車は通れない。

さっそく、自動車通行止めのパネルが立てられた。

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現場の状況から判断して12月完成はありえない。

崖崩れが要因で工事が遅れているとは思えない。

8ヶ月の工期では、短いのか。

私は工事関係者に尋ねた「いつ完成ですか?」

すると、自信たっぷりに「12月末には完成できる」の答えが返ってきた。

「ホントに!」私は彼に感動の言葉を返したのではなく、疑いの顔でつぶやいたのだ。

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2013年の年が明けると、完成予定は3月に延長された。

3月が近づくと、さらに6月に延長されていた。

5月にはいると工事はストップとなり、現場作業員は仮設住宅を去っていった。

ストップの原因は、川幅の測量ミスで橋が短く予算オーバー&工事資金を誰かが横領した、このふたつの噂がたっている。

どちらもありそうな話だ。


作業員が現れたのはラマダン(イスラム教断食月)前の7月。

道路の杭打ち作業を終えると、再び姿を消した。

ラマダンの明けの祭日「Eid al-fitr」(8月8日・9日)後に、仮設住宅に作業員が戻り、工事が本格的に再開された。

州知事・県知事の選挙が終わり、新年度の予算が下りたのだろうか。

これで途中放棄される心配はなくなった。

最後までやり遂げて欲しいものだ。


工事中のサクティ橋を渡ってみた。

橋上から望む渓谷は、手つかずのジャングル。

谷底には、細い川が流れている。

テガランタン村側の道路面と橋は同じ高さだが、サンバハン村側は道路面が橋より2メートルほど低い。

道路をかさ上げすると言っているが、どうなることやら。

作業を終えた年配の職人に、完成予定を訊くと「わからない」と答えた。

そう「わからない」というが一番正確な答えだ。

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サクティ橋が開通して、誰がどう恩恵を受けるのか?

橋まで100メートル以内の距離に滞在している私にとっては、無用。

モンキーフォレスト通りを通らずに王宮のある十字路に行かれるが、これが渋滞を回避したことにはならない。

対岸にすぐ渡れる、それは一部の村人が便利になるだけのこと。

ウブド第一高等学校の生徒が助かるのではと言う意見があるが、それだって一部の生徒だろう。

「外国人のあなたには関係ないかもしれないが、地元の人にとってはメリットのある橋です」とお叱りをうけそうですが、テガランタン村の住人だとて恩恵に浴するとは思えない。

環状線を造る計画の一環だとしたら、中心部から近すぎる。

それとも、私の貧弱な脳力では想像できない、将来を見越したプロジェクトが進められているのだろうか。


唐突ですが「ウブド公設市場(PASAR UMUM UBUD)」(2013年3月19日オープン)の新築工事にともなって建築された「シンガクルタ村大型市場」は、その後どうなっているのだろう。

宝の持ち腐れに、なっていないか。

ウブド市場地下駐車場&シンガクルタ市場バスターミナルの話は、噂話で終わったようだ。

サクティ橋の開通で、ウブドの慢性的交通渋滞に歯止めがかけられるか?

宝の持ち腐れに、ならなければいいが。


posted by ito-san at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | テガランタン村滞在記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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