昨年の9月に西村家でご馳走になったパパイアの果実は、ほんとうに美味しかった。
その美味しかったパパイアの苗木をいただいだ。
テガランタン村滞在記に再々登場する西村家については「西村邸を訪問(40)」を御覧下さい。
パパイアは、バナナと同じように大きな茎の植物だ。
だから苗と呼ぶ方が正しいのだろうが、大きさは苗木なみだ。
パパイアはパワーが強い木だということで、バリでは何故か屋敷の裏に植えられるのが通常。
果実の生らない雄のパパイアは特にパワーが強く、チャロナラン劇の舞台に使われる。
西村家からいただいたパパイアは、パチュン家の裏に植えられた。
半年で果実がなると言われているから、今年の3月を楽しみにしていた。
「Fruits of Bali」で、パパイアを調べてみた。
Papayaは、ラテン語&インドネシア語だった。
バリ語ではグュダン(gedang)だって、知ってた?
私は、今の今まで知らなかった。
知ろうとしなかった。
知ったとしてもグュダンは使わずパパイアと言ってただろうな。
その理由は、次の通り。
「影武者」のウィキペディアことダユーに、パパイアのバリ語名を訊いてみた。
バリ文化についてわからない時は、いつもダユー質問する。
ダユーはいつも的確な答えをくれる。
「パパイアこと、バリ語でガダンって呼ぶんだよね?」
さっそく、私は昨夜知ったばかりの知識をひけらかす。
ダユーは笑顔で「ガダン(gadang)は、バリ語で緑色です。パパイアのことはグュダンと呼びます」といなす。
そうだった「椰子の実の話(29)」で教えてもらっていた。
ニュー・ガダンは緑色の椰子で、黄色い椰子はニュー・ガデン(gading)と呼ぶと教えられた。
私は「Fruits of Bali」で調べて、控えた時にガダンと書いてしまったようだ。
「グュダン? グュダンって倉庫のことでしょう?」
納得できない私。
「それはグダン(gudang)。インドネシア語で倉庫のことでしょ」とダユー。
また、私の耳に同じ発音に聴こえる単語が登場した。
何度もグュダンとグダンを繰り返して発音してみたが、ダユーとは同じにならなかった。
gedang、gadang、gudang、おまけにgadingが乱入して、私の脳味噌がパニックしている。
クウチン=kucing(猫)、クンチ=kunci(鍵)、クンチン=kencing(小便)の三つ巴以上の四つ巴地獄だ。
果実が生るはずの2014年3月が過ぎ、4月に入った。
花は咲いたが、未だ果実はならず。
土が合わないのかもしれない。
もう1〜2ヶ月すれば果実がなり、食べられるようになるだろう。
美味しかったパパイアの食感がよみがえる。
そして悲しい現実が待ち構えていた。
「ルアック・ヴィラ・スパ」工事の境界線に、パパイヤが掛かってしまったのだ。
このままだと、撤去される。
ここまで大きくなると移植は無理だとのこと。
子供の頃よく遊んだ砂取りのように、パパイヤを残してまわりが削られていく。
なんとかならないのか。
岸壁に立つ灯台のようにひっそりと立つ姿を、せめて写真だけでも残しておこう。
明日、ギリギリに残ったところを撮影しよう。
その考えがアダとなった。
13日の朝、写真を撮ろうと早起きして現場を覗くと、もうそこにパパイヤの姿はなかった。
枝や土砂と同じように、谷間に投げ捨てられたのだろうな。
職人は、最後まで残してくれていたと思うが、残念である。
そして翌日。
パチュン君に「パパイヤが渓谷に飛び込んでしまったね」と言うと、思わぬ答えが返ってきた。
「植え直しました。その裏に」
パパイヤの実る夢が復活した瞬間です。
さすがパチュン君だ。
育つかどうかわからないが、悲しみは延期され、小さな楽しみが残った。
2014年04月17日
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ガイドさんに唱えてもらったマントラ美しかったのでYouTubeで見て覚えようとしましたがもちろん全くわかりませんでした( ´∀`)
パパイヤ、実るといいですね。
コメントありがとう。
実るのを楽しみにしている毎日です。
また遊びに来ます!!
コメントありがとうございます。また、覗いてください。