2014年08月01日
旧・影武者でのマイマイ事件(58)
ブログ「ダプール・バリ 神々の島の台所」の「カクル・2014/07/23」を読んで思い出した。
2008年7月の「旧・影武者」でのことだ。
7月2日のミクシイに、私はこんなことを書いていた。
プンゴセカン村にあった「旧・影武者」は、北側と東側に田んぼが残っていた。
夜になると庭に供えられた供物を求めて「でんでん虫=カタツムリ」がやってくる。
「影武者」に出没するでんでん虫は、マイマイと呼ばれる種族らしい。
学名は「アフリカマイマイ」。
インドネシア語とバリ語では、ブキチョッ(=Bekicot)と呼ぶ。
ひと月ほど前から、「影武者」の庭にエスカルゴに似たマイマイが姿を見せるようになった。
決まって、夜の9時を過ぎた頃。
田んぼから這い出し、門前にある供物に向かう。
2匹いる。
仲の良い夫婦だろうか。
カタツムリは雌雄同体だから、どちらが夫でどちらが妻というわけではない。
供物のバナナを食しているようだ。
輪切りのバナナは、皮を残して奇麗に無くなっている。
影武者のオーダーストップ10時30分になると、マイマイたちも帰路につく。
時間の観念と匂いを嗅ぎ分ける能力を持っているのか。
のんびり歩む姿に頬笑んだ。
半月ほど前から、マイマイは3匹に増えた。
子供がついて来たのだろう。
私は、マイマイ・ファミリーと命名した。
いつも同じマイマイが来るのだろうか、と私は疑問を持つようになった。
それを確認するために、殻に印をつけてみようと思う。
印は名前がいいだろう。
世帯主は太郎で妻は花子、長男は一郎だ。
そんなことを考えながら庭を見ると、この日の供物には4匹が集まっていた。
これは親子じゃなくて、兄弟なのかもしれないゾ。
兄弟なら、名前はバリ人のようにワヤン、マデ、ニョマン、クトゥトだ。
この名前なら雄雌(男女)に関係がない。
5匹目は、またワヤンにもどるのかな。
とにかく、印をつけることにしよう。
翌日は、命名して印をつけようと、アクリル絵の具と筆を持参して「影武者」にでかけた。
供物に群がるマイマイに驚く。
どんな情報がまわったのか、今夜は7匹と増えていた。
きっと美味しいご飯があるとの噂が広まっているのだろう。
この調子で行くと、庭一面にマイマイが埋め尽くす日も近いかもしれない。
創造するだけでオゾマしい。
実はわたくし、ナメクジ系は大嫌いなのです。
それとこれとは別。
殻に名前を描くことは決めている。
S田さんとY美さんと相談の上、バリ人の名前でなく、友人の名前をつけてしまえということになった。
いざ描く段になって・・・。
アーチストB場ちゃんが現れ「僕も書きたい!」と参加した。
彼の描いた絵はストライプ柄だった。
こうなれば我々もと、当初の計画は頓挫してアートとなった。
ドット柄や顔も描いた。
楽しいお絵描きの時間となった。
7匹のマイマイは喜んでいるのか迷惑しているのか、表情がないのでわからない。
夜10時30分、マイマイは一匹一匹、竹柵をくぐって田んぼに向かって去っていった。
後ろ姿は、嬉しそうでもあり、悲しそうにも見えた。
次の日、マイマイの姿は2匹しか見ることができなかった。
派手な柄になって仲間に嫌われたのかな。
その翌日からは、まったく姿を見ることができなくなった。
ひょっとするとマイマイは、殻で呼吸しているのかもしれない。
そうだったら、大変だ。
彼らは皆、死に絶えたのだろうか。
殺生してしまったのか。
これは無抵抗な相手に対しての苛めだったのかもしれない。
無知とはいえ反省しています。
ごめんなさい。
もう二度といたしません。
この話、事件と言うほどのおおげさなことでもないか。
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