『祝・ガルンガン祭礼日』
ガルンガンは、バリの伝統的暦・ウク暦に従って210日ごとに巡って来る。
今年は5月11日と12月17日の2度訪れた。
17日はあいにくの曇り空だった。
村人は、まず村にある数々の寺院に供物を捧げ、そのあと家寺と親類の屋敷寺を巡ってお祈りをする。
暑さが避けられて幸いだったかもしれない。
内緒ですけど、私の滞在するテガランタン村では、お祈りのあと男衆はワンティラン(集会場)に集まってチュキをする。
チュキとは麻雀のトランプ版で、もちろんインドネシア御法度のギャンブルです。
訪問客もあり、ガルンガンは日本の正月風景に似ているかもしれない。
バリ人でない私には、まったく関係のない祭礼日。
ツーリストなんだと実感させられる日である。
前日・当日・翌日と、行きつけのレストランが休みになる。
私は、チョー暇になる。
昼過ぎから、ペンジョールが飾られたウブドの道筋をバイクで一回り。
正装姿のバリ人が、行き交うウブドの町。
女性は美しく、男性は凛々しく映る。
◇
神々の降臨を待つ、準備の整ったパチュン家の家寺(ムラジャン)。
神聖な空間に仕上がっているように感じられる。
家々の門前にペンジョールが立てられた。
前日遅くまで作業をしていた家もあったが、間に合ったようだ。
タマン村スリウェダリ通りを北部から見下ろす。
緩やかな坂で道幅の狭いスリウェダリ通りは、ペンジョールのトンネルが一段と美しく並ぶ。
ウブド近郊では、一二を争う美しさだ。
同じ条件のカジェン通りも、毎年見応えのあるペンジョールが立つ。
ゴメンなさ〜い、今年は写真を撮っていない。
ペンジョールが2本立っている家は、先年(210日以内に)当家で婚姻儀礼があり、一家族増えたことを報せている。
スゥエタ通りで見つけたネオンのついたペンジョールがふたつ。
家に帰ると、バレ・ダギンに家族が集まっていた。
「ミーティングですか?」と声を掛けながら部屋に向かう。
振り返りながら、先ほど見たネオンのついたペンジョールの話を伝えた。
「どうしたんだろうね、最近のバリ人は?」とパチュン君。
娘のアユちゃんが「ナタール(Natal=クリスマス)が近いから、一緒にしたんじゃないの」と、若者らしい冗談を言う。
私は、うなずきながら部屋に入った。