早いもので、日本に戻ってから12日間が経ってしまった。
21日には、バリに向かう。
日本に居る間に「南米コロンビアの旅」を完(おわり)にしなくては、とチョッピリ焦り気味。
メモを見ながら、まとめている。
9月26日
サレントからアルメニアへの最終バスは、夜9時に出る。
深夜バスに乗るには、この時間帯がベストだ。
事務所前で8時30分から待つことにして、ピノさんに別れを告げて家を出た。
ピノさんは、昨日サレントに戻って来た。
歩道には、すでに乗客の列が出来ていた。
バス会社の係員に誘導されて、最後部に並んだ。
8時30分に、バスは出発した。
アルメニアのバスターミナルにもう少しで到着というころで、バスのシャフトが外れるアクシデントに見舞われた。
幸先の悪い、嫌な予感。
臨席の家族が「ここでバスを降りて、歩くことになるようだ」と教えてくれた。
現在地点がわからない私には、ここが歩くには遠いのか近いのかもわからない。
歩くのは辛いが、時間には余裕がある。
チケットを渡してバスを降りた。
歩道に降りると、後続のバスが目の前に止まった。
われわれは、このバスに乗ることになった。
歩くとばかり思っていたので、チケットを助手席に座っていたおばさんに渡してしまった。
「チケットはいるよ」臨席だった家族が教えてくれた。
慌てて、先ほど渡したチケットを取りにバスに戻った。
当然のように受け取ったおばさんは何者。
夜9時30分。
アクシデントはあったが、バスは通常通りの1時間でアルメニアに到着した。
ボゴタ行きは、9時30分と11時がある。
時間は、9時30分を少し過ぎた。
ボゴタまでは7時間。
宿のチェックインは、昼2時。
11時発なら、翌朝6時着だ。
チェックインには時間があるが、初めて訪れる土地だから早めに着くのが得策だろう。
ありあまる時間の使い方は、到着してから考えよう。
チケット50,000ペソ(約2,500円)を購入した。
乗り場をチックすると、手にしているチケットのバス会社のボゴタ行きが止まっていた。
9時30分発のバスが遅れているのだろう。
私が乗るバスが出るのは、まだ1時間ほどある。
コーヒーを飲んで時間をつぶすことにした。
待合室のベンチに腰をおろした。
サレントのバス乗り場で見かけたツーリストのグループが入って来た。
9時の最終バスに乗って来たのだろう。
彼らは、止まっているバスに乗り込んでいった。
私より後に着いて、このバスに乗るのかと、疑問に思う。
ほかにも、私の後に来てバスに乗る人がいた。
ヒョットすると、もしかすると、私もこのバスに乗る必要があるのかもしれない。
バスの前に立つスタッフ風の男性に、チケットを見せてジェスチャーで聞いてみた。
要領の得ない、答えが返ってきた。
乗客の荷物を預かる制服の男性は、運転手だろう。
チケットを見せると「このバスに乗れ」と、私のスーツケースを荷物室に入れた。
バスは、すでに満席。
ツーリストのグループの姿も見える。
私の席には、男性の先客がいた。
親切な乗客が先客の男性に正してくれたが、ダブルブッキングではないようだ。
運転手が間違えているかもしれない。
ウロウロしている私を見つけて、バス会社のスタッフが近づいてきた。
そして、今回の旅で上位にくい込むショックな言葉をはいた。
「お前の乗る11時発のバスは、今日は出ない」
そんなことがあるのか。
コロンビアではあるんだろう。
あるとすれば、事前に連絡して欲しい。
9時30分発のバスに客が集まらなくて、合同になったのだろうと推測する。
推測はできても、解決策にはならない。
今夜はバスターミナルで夜明かしになるのか。
ターミナル内での仮眠は、許されないだろう。
バス会社が、宿の世話をしてくれるとは思えない。
予約したボゴタのホテルには連絡がとれないから、明日の昼にはどうしてもチェックインしたい。
この場面で、素直に「はい、そうですか」と言うわけにはいかない。
荷物をバスに乗せたままゴネようかと考えたが、私を置いたままバスが出てしまっても困るので、取りあえず荷物をおろしてもらい、チケット売り場に走った。
「私の席がない」と伝えると、窓口の女性は慌てることもなくチケットの席番を25から35に書き換えた。
いかにも、通常の業務のような行動だった。
これで席は確保できた。
再び、荷物を運転手に預けバスに乗り込む。
乗客の視線が私に集まる。
心配してくれているのがわかる。
ホッとしたのも束の間、最後部の35番には女性が座っていた。
私は力が抜けたように、トイレの前に腰を下ろした。
もう、居座るしかない。
7時間、この場所で頑張ろうと決めた。
係員が乗り込んで来て、私を誘導した。
どうしよう。
降ろされてしまうのだろうか?
不安はマックス。
・・・・・・・
係員の指が17番の席を示した。
空席があった。
やっと席を確保。
バスは、私が腰を下ろすと同時に出発した。
時計は、夜10時10分。
こうして、車窓の人となり、ボゴタに向かうことになった。
11時発に合わせて行動していたら、どうなっていただろう、と考えると寒気がした。
嫌な予感は、これだったのか。
2015年10月14日
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そうですね、影武者で昔のように、みんなでお話ししたいです。