2016年09月16日

ウブドの変則十字路の意味(85)

ウブドの道路には、変則十字路、T字路、S字カーブが多い。

Jl.rayaubud2008.jpg
サレン王宮の変則十字路(撮影:2008年)

ハヌマン通りのT字路.jpg
ハヌマン通りとウブド大通りとのT字路


Cat Cafe Ubud7.jpg
プンゴセカン通りのS字カーブ


何故だろうか?

それは、バリ人の風俗習慣に関係する。

彼らは、悪霊は真っすぐにしか進めなくて行き止りがあると右往左往する、と考えている。

だから辻には、必ず、悪霊を鎮めるため祠が建っている。

深夜、辻々に、犬がたむろするのは、そこに何らかの霊的パワーがあるからだろう。

屋敷の門をくぐってすぐ正面にある、背の低い壁も悪霊除けだ。

悪霊除けの低い壁は、アリン・アリン(=aling_aling)と呼ばれる(丁寧語も普通語も同じ)。

各家々で、工夫を凝らして作られている。

作られていない家もあるようなので、必須ではないようだ。

aling_aling1.jpg

aling_aling2.jpg
悪霊除けの壁・アリンアリン

壁にぶつかって、引き返す悪霊も罪がない。

悪霊がはびこっていると考えるところがバリらしい。

沖縄にも、そんな魔除けの壁があると聞いている。

インドネシア語の「チャンプール」は、沖縄の「チャンプル」と同義語らしい。

もしかして、ルーツが同じかも。


バリ人の住む地域の道路は、ほとんどが変則十字路、T字路、S字カーブの構造になっている。

村々では、村はずれの結界だと思われる場所がそうなっている。

たいてい、そこには寺院がある。

pura2016.jpg
S字カーブに建つ寺院


交通量の少ない時代には、自動車&バイクのスピード緩和に役立っていた。

年々交通量は増え、道幅が狭いため交通渋滞を頻繁におこしているのが現状だ。

と言って、道を拡張してバリのユニークな風習が途切れるのは問題だ。

ウブドは、この村規模のまま発展させたい。

『 流入車両の規制と駐車場の完備 』

これしか、問題解決の方法はないのだろうか?


posted by ito-san at 18:19| 愛知 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
官、民の私心を捨てて、公共交通普及させるしかないと思います。
Posted by at 2016年09月18日 11:29
同感です。
Posted by ito-san at 2016年09月22日 14:42
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