スバリ村のグスティ君がリーダーを務める、伝統芸能「ジョゲッ・ピンギタン」が、今年の「バリ・アート・フェスティバル」に出場することが決まったらしい。
スバリ村のジョゲッ・ピンギタンとは、27年来の付き合い。
伝統芸能の保存を願う私としては、嬉しい限りだ。
バリ・アート・フェスティバルは、毎年6月中旬の土曜日から7月中旬の土曜日までの一ヶ月間開催される。
今年は39回目。
現地の人に訊ねる時は「ペーカーベー=P・K・B」と言わないと理解してもらえないので、ご注意。
P・K・Bは、「Pesta Kesenian bali=フェスタ・クスニアン・バリ」の短縮語。
P・K・B出場のお披露目と最終審査が18日にギャニアール市で行われるらしい。
私は、グスティ君のインドネシア語をそう理解した。
当日が近くなって、詳しい情報がフェスブックのウブド・コミュニティ(https://www.facebook.com/ubudcommunity)から入手できた。
4月15日から19日まで開催されている「ギャニアール市制記念行事」のパレードに出場することがわかった。
テガララン郡のスバリ村を含んだクリキ地域は、18日に参加する。
パレードの練習は、クリキ村の公道で2度行っている。
ウブド・コミュニティの情報には、ギャニアール市制246年と書かれていた。
これは、246回目という意味でははないだろう。
単純に計算して2017年から246年を引くと1771年。
初回の1771年は、バリ島は、クルンクン王朝から各王国が分離独立して9王国になった時代。
ギャニアールは、その9王国の一つ。
王国時代に、使われた暦はウク暦ウク暦かサコ暦だったろう。
西暦を使って誕生日を祝っていたとは思えない。
歴史を振り返り、ギャニアールの地に王国ができてから西暦で246年を経たという意味と理解しよう。
グループの正装一式が、サポーターの私にも用意された。
そこまでされたら、行列に参加しないわけにはいかないだろう。
ガムラン隊を乗せた台車を押す覚悟はできた。
スバリ村のグループの登場は、午後2時30分。
この時間に間に合えば良いだろうと考えていたが、グスティ君は「正午12時には始まるので、それより前に到着していたほうがいいよ」とアドバイスする。
パレードは、モニュメントのある十字路からスタートして、王宮のある十字路までの大通りを東進する。
道路が閉鎖され、混雑が予想されるので、ウブドを午前11時に出発することにした。
グスティ君もそうだが、バリ人は往々にして自分の村が中心で、他の村のことは興味が薄く全体を把握していないことが多い。
結果は、スケジュールもわからず、ただただ、熱い陽射しの中で、待ちわびることになる。
11時30分、ギャニアールに到着。
道路は、まだ閉鎖されていない。
大通りの沿道には、ペンジョールが飾られ、大きなゲートが道をまたいで設置されていた。
沿道の立て看板には、JKPI(jaringan kota pusaka indonesia=インドネシア遺産のネットワーク)とある。
人影は疎らだ。
いつ始まるのかまったく予想できない。
バイクを町外れに止める。
下見のための散策。
王宮前の広場では、植木市と民芸品の展示ブースが作られていた。
午後1時を過ぎた辺りから、出演者と思われる衣裳の一団を見かけるようになった。
午後2時を過ぎると、あちこちに小さな人垣ができていた。
知合いのバリ人から声を掛けられ「スタートは4時だよ」と聞いた時は、もう帰ろうと思った。
正装をもらった手前、そうもいかない。
グスティ君の一団を見るまで、もう少し辛抱しよう。
嬉しいことに、行列は市場前を午後3時にスタートした。
しかし行列は、このあと4時間も続くのであった。
沿道は、観衆で埋め尽くされた。
椅子を求めて入ったワルンのイブは「毎年始まるのは3時だよ」と教えてくれた。
「11時30分から来ている」と言うと「午後2時30分に来れば、いいよ」と、断言された。
巨大なバロン・ケケが登場。
全長10メートルほどのラクササ・バロン ケケ(Barong Ketket Raksasa)に度肝を抜かれた。
行列は、王宮のある十字路手前でパフォーマンスが上演する。
この日は、ギャニアールの7つの郡と7つの州から芸能が参加している。
テガララン郡は、最後尾だった。
彼らもこの時間まで、待たされたのだ。
お疲れさま。
このあとワンティラン前のステージでは芸能が上演されるようだが、ギャニアール滞在8時間を経過して私はかなり疲れている。
残念だが、ウブドに戻ることにした。
次回、来るとすれば、スケジュールを熟知したうえで午後2時30分に着くようにしよう。
それとも、パレードはパスして、夜間ステージで上演される芸能を鑑賞しようか。
2017年04月23日
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