5月1日のこと。
夜の出勤、「和食・影武者」への出発時間を間違えた。
いつもは8時45分に部屋を出る。
9時前後には、坂田さんをプンゴセカンの十字路付近でピックアッップすることができる。
たいていは坂田さんが、先に待っていてくれる。
しかし、この日、坂田さんの姿はない。
そして、なかなか現れない。
ちょっと足を伸ばして、コンビニ前の屋台付近を歩く。
トウモロコシが美味しそうな匂いをあげて焼き上がっている。
ここからなら、宿から出て来る坂田さんの姿が見られるはず。
慌てて出て来る姿を想像していたが、それもない。
もう一度、待ち合わせの場所に戻った。
やはり居ない。
嫌な予感!
スマートフォンで時間を確認した。
液晶画面には、20:05が浮かんでいる。
あれっ!
時間、間違えたか?
一時間早く家を出たのだ。
部屋に戻るには、中途半端な時間。
早めに「影武者」に行こうかな。
呼び出せば坂田さんは出て来てくれるだろうが、それも申し訳ない。
さてさて、どうしよう。
どうやって時間をつぶそうか。
そうだ、買い物を思い出した。
明日の予定を今、済ませてしまえばよいのだ。
プリアタン村にあるコンビニで、目的の商品を購入。
私は今、鼻風邪でマスクをしている。
マスクの下は、ティッシュペーパーが両鼻に詰めてある。
コンビニ前で、マスクを外し、新しいティッシュペーパーに詰め替えた。
時計は、20:20。
まだまだ、中途半端な時間だな。
アンドン地域に近々オープンすると聞いているスーパーマーケット「ペピート」まで、ツーリングしてみようか。
「ペピート」は、バリ南部で有名なスーパーマーケットらしい。
今年の初め、ウブドの南地域に開店して人気を博している。
私は一度も行ったことがないので、人気の要因はわからない。
プリアタン大通りを疾走中、夜空にイルミネーションの卑猥な色が目に付いた。
イルミネーションのキラメキは、ペンジョールを飾っていた。
5年ほど前、カジェン通りのペンジョールのひとつに、クリスマスに使われる点滅ランプがついていたのを見た。
その後、一度も見かけなかったのは、評判が悪かったからだろうか。
オダラン(寺院祭礼)の舞踊公演も、年々、照明が派手になってきている。
ツーリストがとやかく言う筋合いではないが、個人的には素朴が好みだ。
アンドンの交差点を突っ切って「ペピート」の前。
大きな電飾看板を、ファサードに取り付けているところだった。
店内には、すでに什器が並んでいる。
この様子だと、今月中には開店かな。
9時までには、まだ時間がある。
のんびりバイクを走らせても、時間はつぶせない。
鼻水も止まらない。
クシャミも出てきた。
夜風は、風邪に悪い。
しかたがない、坂田さんに早く出て来てもらおう。
一路プンゴセカンへ。
ハヌマン通り南下した「カキアン・ベーカリー」前で、面影のある2人ずれの姿を発見。
ウダンをした後ろ姿に、記憶がよみがえる。
まさかとの思いはあったが、声をかけてみることにした。
バイクを止めて「お〜い!」。
振り返ったご両人は、やはり知合いだった。
彼らは、カキアンで明朝食用のパンを買って宿に戻るところ。
私は、時間つぶしでブラブラしていた途中。
会うべくして会うんだな。
私に、偶然はない。
年末年始にお会いした時、5月に来ると聞いたのを思い出した。
再会の挨拶を交わして別れようとする私のマスク姿に気がついたのか「葛根湯を持ってますよ」の一言。
私は「ちょうだい・頂戴」の二言。
では、宿「テガル・サリ」までと相成った。
「テガル・サリの借景が、以前と、すっかり変っちゃってね!」
そうこれが、気に入らない景色・今日の2つ目。
私の趣味の問題ですが、と断りをいれて。
テガリサリ・バンガローの向こうに見えるアパートのようなホテルの夜景。
こういう興ざめする風景が、否だ。
ウブドに似合わないと思っている
表のプンゴセカン通りから見える紫色の看板も気に入らない。
このホテル名前は「the evitel resort」。
話し込んでしまい、待ち合わせの時間を少し過ぎてしまった。
痛め止めなど数種の薬をもらい、宿を辞去する。
食後に服したパブロンゴールドは効果てきめん。
いつのまにか、鼻水は止まっていた。
早出の結果が、葛根湯の入手に繋がった出来事。
この再会は、やはり必然だったんだろうな。
2017年05月03日
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今年は8月にウヴドに行きますが、今回こそ必然でお会い出来ますように。