2017年05月19日

取って置きの「マンディ場」教えます(131)

5月18日、久々にパンチョランでマンディ(沐浴)をしてきた。

パンチョランとは、湧き水をパイプ(竹・塩ビ・鉄etc)を通して落としているマンディ場のこと。

寺院祭礼で舞踊を奉納する前には、必ず身体を清める意味でパンチョランに打たれた。

ほとんど、モンキーフォレスト内にある沐浴場を利用している。

1998年の事です。

ツーリストが今ほど多くなかった時代で、沐浴場まで足を伸ばすツーリストはいなかった。

正装姿で「マンディに行きます」と手を振れば、料金場を素通りできた。

私の奉納舞踊の話は「神々に捧げる踊り」にしたためてあります。


久しぶりに、晴れ間が見えた。

ジメついた身体に活を入れるためにマンディ(沐浴)をしようと、思いついた。

人気のスバトゥ村のムルカットは、混雑が予想されるし、私にはちょっくら遠い場所。

モンキーフォレスト内の沐浴場で、ツーリストの前に裸体を晒すのも何だな。

幾つかのパンチョランを思い起こしたが、どれも「何だな」だった。

そして、天命のように記憶がよみがえった。

ウブド内に素晴らしい「マンディ場」があるのを思い出したのだ。

さっそく正装に着替えて、出発。

記憶がよみがえった場所は、私の取って置きのマンディ場。

取って置きの場所なのに、なぜ、一番に思い出せなかったのかって?

そりゃ、ボケですよ。

「ホテル・イバ」の裏手にひっそりとあるマンディ場は、もう20年近くも行っていない。

なかば、忘れかけていた。


ウブド大通りを西に進むと、チャンプアン橋の手前右手に「ホテル・イバ」の看板が見える。

看板のある道を入り、バイクを道端に止める。

道の正面に見えるのが「ホテル・イバ」のエントランス。

「イバ」に向かって進む。

途中から、左に下る道の先には「グヌン・ルバ寺院」がある。

「イバ」のエントランスで、ガードマンに「マンディに行く」と告げると、心良くゲートを上げてくれる。

ホテルのフロントに向けて歩くと、車寄せの手前左手に幅1メートルほどの小さな鉄扉が見える。

この扉がマンディ場に続く入口。

入口のたたずまいが秘密っぽくて、前途を期待させる。

一歩足を踏み入れると、10センチほどの石を引き詰めた小道になる。

右手は「イバ」のある丘、左手は東Wos川の渓谷を覆い隠す木立。

東Wos川と西Wos川が合流するところが、チャンプアン(混ざる)と呼ばれる。

川の流れる音と鳥の声が清々しい。

時折、強い木洩れ陽が眼に飛び込んでくる。

渓谷沿いのなだらかな下り坂を5分ほど進むと、小さな橋の袂に出る。

橋の向こう側には、アランアラン草葺きのヴィラが見える。

私が訪れた1990年には、ここから先に進めば、東Wos川と西Wos川に挟まれた尾根に出られた。

アランアラン草の生い茂る風景をハイジの丘と名付けて、何度も散歩した。

イメージ貧困で、ゴメンナサイ。

今は、通行止めになっている。

現在、この尾根に行くには「グヌン・ルバ寺院」の横を抜ける専用のルートを使う。

尾根は「ブキット・チンタ=Bukit Cinta 」呼ばれ、ローカルのカップルや家族連れが訪れ、デートやオーキングのコースになっている。

ブキット・チンタとは、愛の丘の意味。

なんて、ロマンチックなネーミングだろう。

ツーリストには、見たそのままの「Campuhan Hill」と呼ばれている。


目的地のマンディ場に行くには、橋を渡らずに右手の細道を進むことになる。

残念なことに、入口の鉄の扉からここまでの映像が撮れていなかった。

どうやら動画モードになっていなかったようだ。

私には、よくあることです。

川の流れる音に、水の落ちる音が重なった。

パンチョランが近いのだろう。

パンチョランは2カ所、東Wos川の水ぎわにある。

「グヌン・ルバ寺院」が建立された8世紀以前から存在する、歴史の古いマンディ場だろう。

どの泉も古くから湧いていたのだろうが、今さらながらに関心する。

祠の近くにあるパンチョランは、聖水として頂くところだろう。

奥にある2つ目のマンディ場で、水浴びをさせていただくことにした。

人っ子一人いない空間。

ウブドの町中に、こんな静かな空間が、今も残っているのに驚かされる。

冷たい水が、気持ちい〜い!

気分はムルカット(浄化儀礼)

私の取って置きの場所だから、他の人に教えないでね(取りあえず、言ってみた)。

あとは、動画でご覧下さい。





posted by ito-san at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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