先日のこと。
夜の「和食・影武者」の大テーブル。
スタッフは、すでに帰っている。
そろそろ我々常連組も、おいとましよう。
と言っても、今夜は大原さんと私だけ。
11日はクニンガン祭礼日。
前日の10日プナンパハンから「和食・影武者」は、2日間休みになる。
忘れ物のないようにと、大テーブルの周りを見渡す。
「あれあれ、スマートフォンが作業台の下に置いてあるゾ」
大原さんが、忘れ物を見つけた。
そう言えば、作業台横のコンセントに、M子さんがチャージするためにつないでいた。
M子さんは、少し前に帰っていった。
家には、まだついてないくらいの時間だ。
スマートフォンがないのに気がついて戻ってくるかな?
明日から2連休だというのを知っているはずだから、焦っているだろうな。
店が閉まってしまってからでは遅い。
その前に、連絡を取らなくては。
「電話してあげようかな?」
私の言葉に、大原さんが大声を出して笑った。
「スマートフォンを忘れたのだから、電話に出られないんだよ」
大原さんの言葉で、我にかえる。
停電だと言っているのに「何もできないから、テレビでも見て時間をつぶそう」とつぶやいた私がそこにいた。
私の年代の多くは、スマートフォンと携帯電話の違いがわからないので、とっさの時、こんなトンチンカンな会話になってしまう。
同じ年代の大原さんは、冷静だったことになる。
気がついて電話をしてくるかもしれないと思ったが、それも、スマートフォンを置き忘れたのだから掛かってくるわけがない。
ウブドに公衆電話はないし。
とりあえず、女将・由美さんに相談することにした。
「由美さん、M子さんがスマートフォンを置き忘れたんだけど、どうしよう?」
由美さんは、一瞬考えて「わかった、ラインで連絡取ってみる」
予想通りの返事が返ってきた。
私と由美さんのダブル・ボケに、大原さんは大ウケ。
「スマートフォンを忘れたんだから、ラインにも出られないんだよ」
自分の間違いを棚に置いて、鬼の首でもとったかのように、私が説明する。
さてさて、忘れ物のスマートフォンはどうしたものか。
「意外とあの人、気がついていないかもしれない。タブレットを持っているからなんとかなると思うけど、持って行ってあげて」
こうして、近所に住む私が届けることになった。
シンプルなボケで、大声で笑った夜でした。
2017年11月12日
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