ウブドを出発した日から、朝は7時には起きている。
普段は、昼12時頃まで寝ているのに、旅になると目覚めが早い。
なんでだろう。
1日の使い方が違うからだろうか。
今日、急に思い立った3泊4日の小旅行を終えてウブドに戻る。
「朝は、コーヒーか紅茶をサービスしています」
主人の声に送られて、ホテルをチェクアウトする。
クタパン港にあるフェリー乗り場に向かう。
不安だったが、バリ島からクタパン港の入島はスムーズだった。
帰りも問題はないだろう。
ゲート前に、検問の警察官の姿はなかった。
タイムスケジュールを知らずに飛び込んで来たが、フェリーは終日営業のようだ。
運航は1時間ごとにある。
乗船カードに、名前と住所とパスポートナンバーと年齢を書き込み、性別の欄の男性にチェックを入れた。
カードを提出して、Rp25,000-を払い込めばフェリーに乗れる。
はずだった。
料金場ゲートの列が、なかなか進まない。
係員と話をして、その場を離れる人がいる。
「何かあったのですか?」と尋ねると「新しいルールができて、カードを買う必要がある」と教えてくれた。
乗船カードを書き込むエリアで、カードを発券していた。
これを購入しないと乗船できないようだ。
係員に「観光客の私も購入する必要があるのか?」と聞くと、困った顔をして首を縦に振った。
しかたなく私も、発券テーブルに向かう。
プラスチックのカードが配られていた。
何の目的で発券しているのかわからないが、このカードがないと今後、乗船できないと言う。
「2度と乗船しないのに購入しないといけないのか?」
ここのスタッフは、無表情で首を縦に振った。
この態度は、忙しいから仕方がない。
乗船料込み、Rp48,000-也のカードを購入。
バリ島側のフェリー乗り場、ギリマヌッ港に到着。
乗船時間は、帰りもキッチリ1時間。
警察官の検問を受ける。
バリ入島は、テロリスト対策のチェックが厳しい。
車検証と免許証を提示。
しかめっ面をして、カードを返してきた。
銀行のカードを免許証と間違えて渡していた。
ゴメンなさいの笑顔を作ったが、むさ苦しいお爺の笑顔をいらないととでもいうように、手を振って早く行けと促した。
バリ島に上陸してしまえば、もう怖いものない。
あとは、暗くなるまでにウブドに着けばいい。
天気は快晴、幹線道路も思いの外空いていて、快適なバイク・ツーリングをしている。
ヌガラの町からは、何度も通った通い慣れた道。
純粋にツーリングを楽しめる。
時間に余裕がある。
前々から行きたかったところに、寄ってみよう。
このチャンスを逃すと、次はないかもしれない。
ウブドに滞在初めて(1990年5月)、すぐに知った場所。
地方新聞「バリ・ポスト」に掲載された記事に、興味を惹かれた。
ウブドからは遠く、脇道のため、行く機会がなかった。
ヌガラとタバナンを繋ぐ幹線道路の中間地点に、北上してププアン(Pupuan)に向かう脇道がある。
今回は、この脇道を上って目的地に向う。
途中の村にあったリアルな彫刻
目的のところは、道路を塞ぐようにあるので、決して見逃すことはない(はず)。
脇道を30分ほど車で走ると、目的地に到着した。
車が潜りくけることのできる、珍しい大樹。
これが見たかったのですよ。
複雑に絡んだ幹が、私の心を騒つかせる。
「大樹の前で瞑想するといいですよ。夜にでもまた来ると良い」と僧侶が教えてくれた。
村の名前は「ブヌッボロン=bunut bolong」。
ウブドに帰るに、来た道を戻らずに、ププアンから抜けたほうが近道だと教えられたが、これはかなりの誤算だった。
箱庭にような棚田が望める場所に、新しくワルンができていた。
癒された昼食ができたので、誤算は帳消しになった。
この小旅行、何か収穫はあったかな?
ブヌッボロンの大樹が見られただけでも満足だった。
そのくらい恋い焦がれた場所でした。
久しぶりに冒険心が湧き上がったのも確かだ。
旅心にも、火が点いたかな。
★おわり
2018年11月16日
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