年内には最終回を書き終えるつもりだったのに・・・。
ウダウダしてる間に、年が明けてしまっていた。
『あけましておめでとう、ございます』
もうひとつ、案内しておきたい場所があります。
ボロブドゥール近郊に仏教徒の村がある。
キリスト教徒の村もあった。
村の名前は、教えてもらったはずだが、覚えていない。
足を伸ばして、キリスト教徒の村に出掛けた。
車は、ボロブドゥールから1時間ほど南に走り、幹線道路を右折した。
いくつかの村を過ぎて、田んぼの風景がある道を進んだ。
「このあたりからキリスト教徒の村になります」バダさんが教えてくれた。
十字架のある建物がなければ、普通の田舎の村だ。
「あの看板が、犬のサテを売っている店の印です」
キリスト教徒の村で、犬のサテが食べれるワルンがあるのは、教えられていた。
そうか、今日は、そこを案内していくれているのだ。
「私は食べないけど、ワルンでコーヒーは飲むことはできるよ」とバダさんは言う。
興味はあるが、食べたいとは思わない。
ワルンの椅子に腰掛けて、興味本位に店内を物色するのは気がひける。
看板の犬の写真を見て、嫌悪感は倍増している。
B1は犬を意味し、 B2は豚を意味するらしい。
イスラム教徒の多いこの島では、表示することが義務ずけられているのだろう。
できれば早く通り過ぎて欲しい。
我々の他にも、看板を一瞥して素通りする車があった。


最後に、バダさんから聞いた面白い実話。
バダさんの友人が、ジャカルタでの任期を終えて日本に帰国することになった。
帰国する前に、御別れ会をしたいと考えたバダさんは、電話を入れた。
「Tolong beritahu(トロン・ブリタウ)・・・・」
このあと”日本に帰る前に”と続く。
「日本に帰る前に、教えてね」と伝えたのだった。
数日後、友人は、豆腐を持ってバダさんのマンションを訪ねて来た。
「えっ! 何で豆腐?」とバダさん。
「だって、トロン・ブリ・タウと言われたでしょ」と友人。
ここでバダさんは、大きな勘違いを発見した。
友人は、ブリタウをbeli tahu(豆腐を買う)という意味に受け取っていた。
以前に、豆腐を買って来てと頼まれたことがあったのかもしれない。
豆腐はインドネシア語では、タウと発音する。
どちらも同じタウ。
買うのブリ(beli)と、教えてのberitahuのブリ(beri)。
エル(l)とアール(r)の違いを、聞き取らなければならない。
発音のできない私には、現地の人の微妙な違いを、今でも聞き分けられないでいる。
私よりインドネシア語が堪能な友人でも、聞き間違えることがある。
インドネシア語にも、発音が似ていたる言葉があるという話でした。
余談だが、バリ語でお兄さんのことはブリで、 オカ兄さんはブリオカと呼ぶ。
魚のブリを買ってきては、ブリブリかな。
くだらない冗談は、このくらいにして。
最後までおつき合い、ありがとうございました。
今年を、よろしくお願いしまう。