2019年02月01日

トゥガナン村の奉納舞踊ルジャン(293)

バリには、ジャワ島から「カースト」を持ったヒンドゥー教徒が移り住む以前から、バリ島民がいた。

ジャワ文化に影響を受けず、古来からの慣習を守り続けている集落がある。

その村のことを「バリ・アガ」と呼ぶ。

「バリ・アガ」で有名なのが、カランアッサム県トゥガナン村。

グリンシン(縦横絣)を織る村として名が知られている。

村では年に一度、ウサバ・サンバ(Usaba Sambah)の祭礼が催される。

中央の長い建物には、グリンシンをまとった独身女性たちの美しい姿。

その前では、上半身裸の男性たちが棘のある葉を持って戦い合うムカレ・カレ(Mekare Kare)の奇祭が繰り広げられる。

この地域のバリ・アガ独特の木製巨大ブランコも見応えがある。

祭りの間、村に残る独特の響きを持つ鉄製ガムラン、ゴン・スロンディン(Gong Selonding)が村内で奏でられる。


知人から、トゥガナン村の祭礼が1月18日から22日まで5日間催されると情報が入った。

都合で、21日しか行くことができない。

スケジュールは、まったくわからない。

ムカレ・カレが見られたらいいなと、小さな期待を持って出かけた。

正午に下宿を出発した。

到着したのは、1時40分(所要時間:バイクで1時間40分)。

小さな展示館が完成し、入村するエントランスが観光地らしく整っていた。

入村料はドネーション。

ドネーション帳の記載には、Rp20,000-が多かったので、私もそれに倣った。

村内は静かで、祭礼が行われる雰囲気がまったくない。

家々に、ガルンガン祭礼日ペンジョールが飾られていない。

バリ・アガだからだろうか?

屋台でアクアを買い、コピバリを注文した。

縁石に腰を下ろし、コピバリを啜る。

スロンディンの調べは、聴こえてこない。

祭礼の開催は5時からだ、と村人が教えてくれた。

3時間は待てない。

村の最奥に、お気に入りのビンギン大樹がある。

気根がトンネル状になっているビンギンだ。

今日は、それを見て帰ろう。



ビンギン大樹を見たあと、写真を撮りながら村内を散策。

時間は4時になっていた。

あと一時間も待てば、祭礼が見られる。

雨が落ちてきた。

この間に、昼食を済ませてしまおうと考えた。

トゥガナン村近辺にワルンがないようなので、チャンディダサまで足を伸ばした。

雨脚が激しくなってきた。

この状態で、祭礼は行われるだろうか?

とりあえず、雨の中をトゥガナン村に戻った。

中央の長い建物に、正装の女性たちの姿が見える。

なんらかの祭礼が行われそうだ。

私は持つことにした。

いくつかの屋敷門から、着飾った若い娘たちが出てきた。

娘たちは一応に化粧が上手く、ツケマツゲが施されている。

足元には、カカトの高いサンダル。

時代の様変わりを感じる。

トゥガナン村独特の気怠いルジャン(Rejang)の奉納が始まった。




今回の祭礼が、どうも腑に落ちない。

帰宅してから、「地球に歩き方・バリ島」を開いてみた。

トゥガナン村のページのコラムに「ウサバ・サンバ」が載っている。

そこには、ウサバ・サンバは例年6月か7月に3日間行われるとある。

お祭りの期間はムカレ・カレやトランスダンスのほかにも、二日目の深夜にドラマゴン、三日目の夜にジョケッ・ブンブンで、おおいに盛り上がると記載されていた。

祭りの一週間くらい前から、村には露店が出て、とても賑やかになる。

闘鶏なども見ることができる。

もしかすると今回の祭礼は、それと異なるのではないだろうか。

「アパ?情報センター」のワヤン君に、次回の「ウサバ・サンバ」の情報を調べてくれるようにお願いした。

posted by ito-san at 16:20| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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