2019年03月02日

巻き寿司作りに挑戦!(297)

私には、味覚センサーが鈍いのと、料理センスがない。

いつの頃からか、食べることにあまり執着しない人間になっていた。

空腹になっても、作るよりは我慢してしまう。

料理は作れないので、食べる専門。

だから持ち寄りパーティーには、誰も呼んでくれない。

人が集まるところが苦手だから、ちょうど良いのだが、ちょっと寂しい。

そんな私が、なぜ「巻き寿司」を作ろうと思い立ったのか。

それには、こんなわけがあります。

昨年(2018年)11月、バダさんの結婚式に招待されて、ジョクジャカルタ・マゲランに行った。

4日の間、お世話になった。

これといったお礼もできずに、ウブドに戻ってきた。

2015年に、南米コレンビア・サレントでジュンペイさんに6ヶ月間お世話になった時に気づかされたことが、ここで思い出された。

お世話になったお礼に、日本食を振る舞ってもよかったのではないかと。

料理に興味がないから、まったく気がつかなかった。

きっと、ささやかなも料理でも喜んでくれたはず。

私は、そんな努力を怠った。

これから海外旅行に出る若者にアドバイスする。

「日本食の一つくらい覚えておこう!」

きっと、コミュニケーションの役に立つはず。

日本料理で、材料や道具が少なくて外国人に喜ばれるもの。

思い立ったのが「巻き寿司」だった。

次回、マゲランを訪れる時には「巻き寿司」を食べてもらおう。

できるかどうかわからないが、とにかく挑戦してみることにした。


料理に興味のない私の部屋には、調理道具は皆無。

とりあえず他人の家で経験させてもらおうと考え、知人のレストランで行われる「たこ焼きパーティー」に「巻き寿司作り」を便乗した。

寿司を巻く道具がないので、片面がビニールコーティングされた包装紙を代用した。

この包装紙は、ナシ・チャンプールやサテなどのブンクス(持ち帰り)用に多用されている。

招待客となった私は、料理の下準備をしなくてもいい。

この日は、巻くことに専従。

巻き寿司は「海苔巻き」のことで、カルフォルニア・ロールは「裏巻き」「逆巻き」のことらしい。

料理作りは和気あいあいと進んだ。

初体験でまったくうまく巻けないが、巻き寿司の全貌は見えてきた。


「YouTube」で「巻き寿司」を検索すると、作り方が出てくる。

様々な動画がアップされていて、手に取るように理解できる。

見ているだけで、できる気になってくる。

まずは、調理道具を揃えなくてはいけない。

寿司を巻く道具は、「巻き簀」と呼ぶらしい。

「巻き簀」のことを「簀巻き」と言っていた私は、うぶな奴。

「簀巻き」だと、土左衛門(水死体)を連想してしまってよくないよね。

竹を削って「巻き簀」を作り始めた。

完成はしてみたものの、「YouTube」で見た物と比べると使いにくそうだ。

日本から誰かに持ってきてもらおうかと考えていた時、「和食・影武者」女将が、デンパサールに昨年開店したダイソーで買ってきてくれた。

makisu.jpg
(手前の薄汚いのが、私の手作り巻き簀)

ご飯を炊く炊飯器もない。

預けてあった携帯コンロを返してもらった。

1合が炊ければいいので、小さな鍋を買った。

鍋でご飯を炊くには、得意だ。

スーパーで、計量カップと計量スプーンを見つけたので即買い。

計量スプーンは、寿司酢を作る時と、炊いたご飯に、寿司酢を入れてを酢飯(すめし)を作る時に使う。

さてさてあとは、何が必要だろう。

包丁はとりあえず、工作用のナイフで間に合わせよう。

木の柄杓と小さなまな板も揃えた。

炊いたご飯に寿司酢を掛けてほぐすために、プラスチックのパットを買った。

布巾もある、皿と丼が一つずつあれば、あとは何とかなるだろう。


「巻き寿司」は、毎週土曜日の夕食として作ることにした。

いよいよ、実践に入る。

料理の説明は、皆さんの方がよくご存じだと思うので省きます。

巻き寿司だから、海苔は必須。

「和食・影武者」が、1パックを援助してくれた。

そして、寿司酢。

寿司酢は、酢に砂糖と塩を加えたもの。

(メモ:調合は、酢180cc・白砂糖大さじ5杯・塩大さじ1杯)

今回は、調合された寿司酢を、これも「影武者」から頂いた。

台所もないので、床に直接座り込んで作業する。

モビールを作る時と同じだ。

一合の米は150gで、炊き上がると370gになった。

茶碗のご飯で二膳分。

370gのご飯に対して、標準より少し多めの30ccの寿司酢を入れる。

これで、太巻きだと2本、細巻きだと4本が作れる。

慣れるまでは、前もって92gをサランラプして用意しておくことにした。

キュウリが入るカッパ巻きは、すぐに習得できた。

マグロの刺身がないので、鉄火巻きは作れない。

マゲランでは、カルフォルニア・ロールの方が喜ばれるだろう。

酢飯が表になるカルフォルニア・ロールは、うまく巻けずに苦戦した。

具に、キュウリにアボガトと人参、キュウリに生ハム、キュウリにスモーク・サーモンなどを使った。

サランラップを巻くと使いやすくなるのを「YouTube」で知った。

細巻きを作ると、酢飯が3本に少しあまる。

切り分けてから、もう一度巻き簀で形を整える。

早い段階で、包丁を購入した。

包丁に水を浸すと切りやすくなるのも、切ったあと包丁を濡れ布巾で拭き取るのも「YouTube」で知った。

食べる時には、キューピー・マヨネーズを使った。

キューピーは高価なので、現地ではローカルの「Mama Suka (Minyak Kedelai 67%. Telur6%)」を使うことになるだろう。

6回目の土曜日で、何とか形が整うようになった。

これ以上、技術の進歩は望めない。

あとは、現地の本番で覚えることにする。

条件は違うが、売り物じゃないので、許してくれるだろう。

バダさんたちにも、一緒に巻いてもらおうと目論んでいる。

彼らの好みの具を入れてもらうつもりだ。

楽しい「巻き寿司パーティ」が、目に浮かぶ。

4月に1ヶ月ほどの滞在で、マゲランを訪れる予定でいる。


posted by ito-san at 23:06| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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