鍛冶(かじ)屋のことは、ジャワもバリと同様にパンデと呼ぶことを知った。
村あげての市が開かれていると聞いて、喜び勇んで出かけた。
原地直売で、ノミなどの工具を入手したいと目論んでいる。
山間部にある鍛冶屋の村は、閑散としていた。
暦を読み違えたのか、市は開催されていなかったのである。
それでも、2軒の鍛冶屋を覗くことができた。
昔ながらの、フイゴで火を起こしての手作業。
市が開かれる日の方が品物選びの選択支は広がるはずだから、今回は買わずにおいた。
次回の楽しみということで、写真も撮っていない。
陶器の里は、Nglipo村にあった。
主にテラコッタの鍋・釜・食器などを作っている村と聞いている。
バリと同様に、高温で焼く陶土がないのだろう。
村の中央にある広場に足を踏み入れると、片隅に稲のワラが積み上げられていた。
![Nglipo1.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo1-thumbnail2.jpg)
陶器を焼く燃料だろう。
鶏がワラに包まって、気持ち良さそう。
バリでは、ココナッツの外殻が使われている。
所変われば、品変わるというわけだ。
広場の反対側に、ワラ灰の残る小屋がある。
![Nglipo2.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo2-thumbnail2.jpg)
ということは、ここで焼くのか?
作った陶器を日干しした後、この小屋に積み上げ、ワラで覆って火を点けるのだろう。
なんと、素朴な釜だ。
「どうぞお入りください」と誘うように開放された家が、目の前にあった。
外から、そこがテラコッタの工房だとわかる。
中に入って見学させてもらうことにした。
声を掛けたが誰も出てこない。
手押しのろくろは、今まで誰かが廻していた形跡を残したまま。
![Nglipo3.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo3-thumbnail2.jpg)
すぐに戻って来るだろうと、勝手に解釈して無断で侵入。
興味を引く物はないかと物色しながら、工房内をウロウロとする。
設置されているガス釜は、しばらく使われていないようだ。
![Nglipo4.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo4-thumbnail2.jpg)
作りかけの商品が幾つも並んでいる。
![Nglipo5.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo5-thumbnail2.jpg)
![Nglipo6.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo6-thumbnail2.jpg)
![Nglipo7.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo7-thumbnail2.jpg)
![Nglipo8.jpg](https://itosan-ubud.up.seesaa.net/image/Nglipo8-thumbnail2.jpg)
テーブルの上に、素人が作ったと思われる作品が何点か置かれている。
作品の横に、作者の名前が書かれた申し込み用紙があった。
観光客向けに、陶器作りの体験コースがあるようだ。
工房の設備や商品から想像すると、バリの方が進歩している気がする。
土産物店には陶製品が置かれているが、購買欲をそそるモノが見当たらない。
私の行動範囲が狭いからだろうが、おしゃれな食器を目にしていない。
陶器の市場が残されていると、思えた。
ジョクジャカルタの芸術大学(ISI)には、陶芸科がある。
Nglipo村のバルコンデスには、ユネスコが後援する陶芸スタジオが開館していると言う。
陶芸が発展する要素は充分に揃っている。
この日は見学した鍛冶屋と陶器は、奇しくも焼き物の村だった。
次回は、暦を確認して鍛冶屋の村をへリベンジ。
そして、陶芸スタジオを見学したい。
(バルコンデスの説明は■http://itosan-ubud.seesaa.net/article/465218138.html「バルコンデス @ マゲラン滞在!(305)」をお読みください。)