2019年09月21日

「ウブド・本の交換会」閉会(326)

寂しいニュースをお伝えしなければならない。

ウブドの人気イベント(自称?)だった「ウブド・本の交換会」が、閉会することになった。

9月1日「和るん・あんかさ」主催を持って、終了。

実に、100回。

幕開けの第1回は、2009年3月21日「カフェ・アンカサ」だった。

10年間、続いたことになる。

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私が長期滞在を始めた1990年代、ウブドに紀伊国屋もBookOffもなかった。

あれから30年になろうとする、今もない。

バリ島内どこを探しても、日本の新書を扱う書店はなかった。

日本人のバックパッカーが手放していった本が、数件の古本屋で手に入る程度。

古本屋の本は、旅行記や精神世界系に偏っていた。

現在、古本屋の姿を見かけない。

知り合った旅行者が置いていった本が、数冊。

その本も、ほとんどが旅行記か精神世界系だった。

観光客が増えるとともに、日本語の書物が少しずつ手に入るようになった。

作者やジャンルも囚われている余裕はない。

恋愛・推理・歴史・エッセーなんでも読み漁った。

ビザ取得でシンガポールに出掛けると、三越百貨店内にある「紀伊国屋書店」を覗き、物色する。

税金が加算された本は節約旅行者には贅沢品で、一冊手に入れるのにサンザン悩んだことを思い出す。

長期滞在者のほとんどが、こんな読書事情の中で暮らしていたと思う。

私は、読書好きというわけではなかった。

日本では、ビジネス専門書かインテリアデザイン関係の雑誌しか読まない。

こんな私が、活字に恋しくなったんですよ。

貪欲に本を読みたい人には、本の絶対数が足らない。

「新しい本が読みた〜い!」

そんな要望から「ウブド・本の交換会」が、スタートした。

言い出しっぺたちが、実行委員スタッフに任命された。

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ピンクのスタッフ・Tシャツ

最初は、純粋に本の交換が目的だった。

徐々に、コミュニティーの場としての役目も担っていった。

本を読む人が減っているようにも思われる。

インターネットに詳しくないが、電子書籍が読めるようになったのが大きな要因だろうか?

蔵書の新陳代謝が悪く、参加者の足が遠のいていく。

新陳代謝を促進するのは、旅行者の協力が必須だ。

旅行者に絶好の情報交換の場になるだろうと考えていたが、まったく見向きもされなかった。

何度も存続が危ぶまれたが、スタッフミーテングで打開策を考えてきた。

推薦本の紹介。

スタンプカードの発行。

交換の方法をポイント制にした。

本の交換だけでは人が集まらず、来場を促すために、さまざまなプランが出た。

フリーマーケットとバザーを併設した。

フリーマーケットの古着は、地元の娘さんたちに評判がよかった。

おでん、たこ焼き、お好み焼き・焼きそば、ラーメン、ピザ、ケーキ、豆腐、様々な総菜がテーブルに並んだ。

売り上げの10%が「ウブド・本の交換会」の活動資金としてご寄付された。

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寄付金が貯まると、新作文芸書を購入した。

ポイントカードの景品購入に、寄付金を充てたこともある。

年末には「大ビンゴ大会」を催した。

景品のスポンサーになってくれた、ホテルやレストランやスパetcに感謝した。

一般公募した「ゆるキャラ・ハノメン」も、あと製作に入るだけという段階で頓挫してしまいましたね。

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会場は「和るん・あんかさ(旧名:カフェ・アンカサ)」以外は、「ワルン・ソフィア」「和食レストラン・萬まる」「サリナ・ワルン」「ビンタン・ダイニング」「ティー・ルーム」と転々とした。

楽しい思い出がいっぱいだ。


打開策のアイデアも枯渇し、手の打ちようがなくなった。

惜しまれる声も聞こえるが、これも時代の流れ。

本を抱えて交換に来る人、イベントを楽しみにして参加してくれる人もいる。

気をきかせたリピーターさんが、土産に日本の小説を持って来てくれることが嬉しかった。

新刊をどっさ買い込んで交換会に寄付してくださった「本の運び屋」さん。

一人一人の暖かい行為が、交換会を盛り上げてくれた。

そんな方々には、申し訳ない気持ちがいっぱいだ。

最後に、会場を提供してくださったお店、フリーマーケットやバザーに出店してくださった方々、準備&後片づけに奔走してくれたボランティアのスタッフ、会場に足を運んでくださったすべての皆さま。

本当にありがとうございました。

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posted by ito-san at 17:15| Comment(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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