世界には、様々な奇習がある。
グーグルで調べてみると。
★素手でサメを捕獲する(パプワ・ニューギニア)
★ライオンを狩る(マサイ族)
★木のツルで足首を縛り、30メートルの高さからジャンプする(バヌアツ共和国)
★体に牛糞を塗りたくり、牛の背中を渡り歩く(エチオピア)
★毒アリがたくさん入った手袋に手を突っ込む(サテレ・マウェ族)
かなり強烈で野蛮な奇習があげられていた。
これらは、成人としての通過儀礼だ。
調べてみて、慣習を残すのも重要だが、生死を伴う奇習は考えたほうが良いと思った。
インドネシアにも、奇習といえる成人の通過儀礼がある。
先住民族の刺青の習慣。
ニアス島の、2メートル程もある岩の跳び箱を飛び超える儀礼。
勇気を試される風習だ。
インドネシアは多宗教とは言え、イスラム色の強い国。
トルコ旅行の際に、イスラム教の男児割礼に立ち会ったことがある。
意外と、男児のアッケラカンとした態度に驚いたのを思い出す。
女子割礼があるとすれば、それは悪弊かもしれない。
割礼の意義について詳しく知らない私が、発言をすることは控えよう。
これ以外にも、島々や民族によって珍しい風俗習慣が残っていることだろう。
バリ島にも、珍しい風習が残っている。
数々のカルチャーショックを受けた。
風葬や闘鶏も珍しいが、削歯儀礼は衝撃的だった。
マレーシア・マラッカを訪れた時、博物館に立ち寄った時に、世界の7奇習のひとつと知った。
削歯儀礼は、前歯の上6本をヤスリで削って平らにする儀礼。
バリ人の信仰する宗教・ヒンドゥーダルモに、五つの教義(パンチョ・ヤドニョ)がある。
その一つのソ・ヤドニョ(五つの教義)が人間の儀礼で、生誕から火葬までの通過儀礼を行う。
削歯儀礼は成人としての通過儀礼で、火葬に付すまでに済ませねばならない。
ピアスの習慣もショックだった。
我が伊藤家では、親から授かった身体に傷をつけることは法度だった。
親に背くのは、不良のすることと心得ていた。
刺青はもちろんのこと、ピアスも駄目でしょう。
以外と常識的な考えをする男だったのです。
そんな不良行為が、バリでは乳幼児に施されていた。
これも通過儀礼。
儀礼として必要不可欠なもの。
生後42日の儀礼が終われ、ピアスの穴の開けてもよいとする。
昔は両親がピンで穴を開け、そこのアランアランの茎を刺したという。
現在は、プスケスマス(公共診療所)で、無料から廉価(村に行って異なる)で穴を開け金具を通してくれる。
生後105日目の儀礼(ウパチャラ・ニャンブータン)には、金のピアスに付け替えられる。
金には、特別な魔よけの力があると信じられている。
これは、バリ人が古来からの信仰するヒンドゥー教に由来する。
現在は必須ではないようだ。
たいがい一歳を過ぎる頃には、ちぎれて無くなっていることが多いそうだから、バリ人女性の全員がピアスの穴が空いているとは限らないようです。
日本脱出して、やってみたかったこと。
と言っても、30年前の話だ。
刺青を入れることと、ピアスをつけること。
度胸がなくて、親から授かった身体に傷をつけることができなかった。
ウブドに長期滞在を決意した時に、この二つを実行した。
刺青は、右上腕に聖獣バロンを入れた。
その時の話は「極楽通信・UBUD / P12〜P13 / TATTOはやっぱり痛かった」をお読みいただけると嬉しい。
今では、色落ちしてみすぼらしい限りだ。
ピアスは、日本から穴あけ機を持ってきてもらった。
「居酒屋・影武者」の囲炉裏コーナーで、カチャンと一瞬にして。
銀製品の町・チュルクで買った金のピアスも、バロンだったような気がする。
とっくの昔に落としてしまい、今は穴も塞がっている。
これは、私にとっての通過儀礼だったようだ。
2019年12月23日
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