女性は、長い黒髪を後頭部で一つにまとめていた。
それは、彼女たちの美しさを際立てた。
小、中、高の女学生は、結わえるのが校則なのか、おさげ髪や三つ編みも見かけた。
老婆は、黒く染め、やはり後ろで結わえている。
ミニャクラパ(ココナツオイル)を擦りつけた髪は、艶やかだった。
当時、乱れる髪には悪霊が忍び込むと考えられ、魔女ランダを連想するのでよくないと、地元の友人に教えられた。

2000年に入ってからだろうか、ショートヘアーの女性を見かけるようになった。
公務員、銀行員などにショートヘアーの女性が多いと思われる。
事務系の仕事に推奨される髪型なのだろうか、それとも単にオシャレなのだろうか。
長髪が必須だと思われていた踊り子の中にも、ショートヘアーが現れた。
事務員と二足のわらじをはく踊る子だろう。
ショートヘアーが気にならない舞踊もあるが、興ざめする舞踊もある。
彼女たちは、私たち観光客のために生きているわけではないので、文句は言えない。

今では珍しくないストレートパーマや染髪が流行したは、いつの頃だったろうか。
2014年のブログに書いているから、その頃だろうと推測できる。
金額20〜30万ルピアのストレートパーマは、給料の5分の1に匹敵する。
スーパーやコンビニの開店で、手染めが手軽に購入できるようになった。
オダラン(寺院祭礼)で見かけるショートカットや染髪した長髪を結わえていない女性も見かけて、目を疑ったことがある。
髪の毛は栗色に染まっていた。
時代は変遷しているのだ。
今後、ヘアースタイルのバリエーションも増えることだろう。
そうそう私が利用している銀行BNIの女性スタッフは、夜会巻きと言われる髪型をしている。
夜会巻きは、長髪をねじり上げて留める髪型で、日本の鹿鳴館時代に流行った髪型の一種とウキペディアにはあった。
ガルーダインドネシアやマレーシア航空の男性CAさん(ファーストクラスとビジネスクラス)がしている髪型です。

もう一つ、変わったと感じるのは、ショートパンツ姿を見かけることだ。
上半身裸が普通の時代を経て、ある時期から外出時に肌を露出する衣類はご法度とされたバリ。
小川での水浴びでは、あっけらかんに半身裸を見せる女性が、外出では必ずカマンを巻いている。
それがこの頃では、ショートパンツどころか太ももパンパンのミニパンツ姿で驚かされる。
観光客のミニパンツ、ヨガウエアーで闊歩する姿に、顔を背けていたバリ人も、この頃は黙認。
イブイブ(ご婦人)たちの、ヨガウエアー姿も町で見かける。
個性を主張する女性が増え、オシャレが自由にできるようになったということか。
母親たちが年頃の時代は、抑圧されていたんだろうな。
娘には、自由に楽しんで欲しいと思っているのかもしれない。
ファッションは、女性の憧れの対象だ。
男性の短パン姿は少ない。
もちろん私も、短パンで外出はしない。
ファッションへの憧れは、どこの国でも同じだ。
誰にも止められない。
バリ人の常識は、さらに変化をしていくことだろう。
それは、楽しいことであり、寂しいことでもある。
2014年09月11日:■バリ人女性の長い黒髪は魅惑的(66)
https://itosan-ubud.seesaa.net/article/405251002.html
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YouTube伊藤博史の生涯旅人「バリ島ウブドに沈没」
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