2023年02月15日

ウブド村のビジネス発展のプロセスを考える!(489)

リピーターのひとりから、こんな質問を受けた。

「ウブドって、他の村に比べて裕福じゃありませんか?」

その質問に、お答えした。

「そうなんです。多くの観光客が訪れ、パフォーマンスの定期公演にお金を落としていくからです」

数年前から、バリ島南部ウルワトゥ岬のケチャが大人気になっている。

ウルワトゥ岬観光プラス、ケチャの公演が成功したのだ。

地元の村は今、きっと裕福になっていることでしょう。

ケチャといえば、その昔はボナ村のケチャが有名で、ウブドから観光客をシャトルバスが送迎していた。

ウブドでケチャの公演が始まると、ボナ村のケチャは廃っていった。

栄枯盛衰とは、このこと。

ウブド村は13の集落(バンジャール=最小単位の自治体)で構成している。

ウブド・カジョ、ウブド・トゥンガ、ウブド・クロッド、サンバハン、ブントゥユン、タマン・カジョ、タマン・クロッド、テガランタン、ジュンジュンガン、パダントゥガル・カジョ、パダントゥガル・トゥンガ、パダントゥガル・クロッド、パダントゥガル・ムカールサリ。

現在ウブドのケチャ公演は、ウブド村、サンバハン村、タマン村が人気で高収益だが、パダンテガル村、ジュンジュンガン村と、それぞれの集落でも公演が行われ、利益をあげている。

これもウブド村に、多くの観光客が訪れるからできること。

ケチャ公演は集落主導で、村人によって演じられ、収益は集落に入る。

村営のビジネスが始まりだ。


ウブドに観光客が訪れるようになったのは、いつからだろうか?

インドネシア独立以前、オランダから汽船で訪れるツアーがあったと聞く。

フランス・パリで開催された世界植民地博覧会で、バリの魅力が知られると、世界中から観光客が来島するようになった。

ウブドでの宿は、王族の屋敷を解放していた。

海外からの画家が滞在し、農民だった村人に絵画の指導をしていく。

村人に絵描きが誕生し、画廊が開設される。

絵描きは、画廊に納めるか自分の屋敷に飾り、求める観光客がいれは売った。

バリ南部の観光地クタ海岸に、行商に行って財を成したという画廊主の苦労話を聞いた。

ウブド村は、絵画の村として有名になり、観光客が増えていく。

個人のビジネスの始まりは、絵描きだったのか。


バックパッカーが訪れるようになり、村人は屋敷の棟を宿泊施設として解放して、日銭を稼ぐようになる。

ホームステイ稼業の始まりだ。

訪れるツーリストが増加してくると、敷地内に貸し棟を増築していく。


村人相手の雑貨屋や食堂は、屋敷前の狭いスペースに簡易小屋を建て、営業していただろう。

屋敷前で始めた小さなワルン(簡易食堂)が繁盛すると、屋敷内のテラスを解放して営業していく。

その話は、次のブログでまとめてあります。

「@屋敷内にあるバリ料理のワルン(487)」
https://itosan-ubud.seesaa.net/article/497987515.html

こうして、ウブドに各種ビジネスが根づいていく。


ウブド民が裕福になったのは、貸家・貸店舗などの家賃収入を得るようになってからだろう。

屋敷の構造から、道路側の土地が活用できる家と、活用できない家とがある。

こちらのブログを読んでみてください。

「Aバリ伝統的屋敷の名称とレイアウト@スバリ村(488)」
https://itosan-ubud.seesaa.net/article/498092242.html

IMG20230211155746.jpg

屋敷寺が奥になる家は、道路側を屋敷門以外の土地を全面貸店舗に利用できる。

道路沿いに屋敷寺がある家は、門を挟んで屋敷寺の反対側の土地しか運用できないが、屋敷寺の壁との間に少しの土地が残っていて、奥行きの狭い店舗を確保しているところもある。

王宮に近いモンキーフォレスト通りとカジェン通り、ゴータマ通りとハヌマン通りなどは、屋敷が連なった集落のため、屋敷門しか見えない状態になっている。

集落のはずれに田畑を持っている村人は、その土地を売却したり借地にする。

売却したり借地にした土地には、ホテルやレストランが建つ。

集落は拡大し、隣村との境がわからないほどに発展していく。

現在のウブド村、プリアタン村、プンゴセカン村がそうだ。


こうやって店舗が建っていくことを、「私はメッキされる」と言っている。

極楽通信:メッキされるウブド //informationcenter-apa.com/gt_plating.html

本来の素材を覆い隠して、観光地というメッキがされる。

メッキの輝きが、ウブドの裕福さのバロメーターでもあると言える。

外観からはわからないが、ウブドの本質は失われていないので、ご安心ください。

今回も、うまく文章がまとまりませんでした。

「何が言いたいかわからない!」と、お叱りを受けそうですが、お許しを。
posted by ito-san at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ウブド村帰郷記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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