私の下宿から、プンゴセカン村とテガス村の自動車渋滞エリアをショートカットして、マス村のメイン道路に抜けることができるからだ。
ホテルやレストランが増え、近頃繁華になりつつあるチュンパカ通りに、お世話になったバリ人・ブリオカ氏の長女がレストラン「Mai Ubud」をオープンしたのも利用する理由でもある。
南下するとT字路に突き当たる。
マス村に向けて左折すると、すぐに右手に割れ門に続く道がある。

この日は、目的もなくバイクを走らせていた。
割れ門の奥には、ダラム寺院があることは知っていた。
祭礼の奉納芸能でチャロナラン劇を鑑賞したことのある寺院だ。




大きな屋根の建物は、闘鶏場だった。
これが噂に聞くマス村の闘鶏場か。
以前から、年に何度か大きな闘鶏が開かれているとは、聞いていた。
中を覗くと、遥か下方に四角い土俵が見える。
4面の階段が、目の下にある。
数人の男女が、忙しそうに動いていた。
明日、朝10時から、闘鶏が開かれると教えてくれた。
出店するワルンのオーナーのようだ。
早朝の開始にちょっとたじろいだが、何年かぶりに闘鶏見学も乙かな、なんて思っている。
朝の10時は、私には早い朝になる。
昨日入場できた扉は閉ざされていた。
壁沿に奥に進むと大勢の男たちがたむろしている。
パイプ椅子に腰掛けた男が「オム・スワスティ・アストゥ」とバリ語で挨拶をして、右手を出した。
入場料金の徴収だ。
お金を払えば、堂々と見学できる。
入場料Rp50,000-を支払って建物の中に入る。
目の前では、チュキと呼ばれる博打が開帳されていた。
大勢の男が、ギャンブルに興じていた。
ギャンブルコーナー以外の3面は、各種のワルンが営業している。
朝10時、闘鶏の観客はマバラ。
今回は、意外と小規模なのかもしれない。
ゴングの音が場内に響いた。
鶏の声も騒がしくなった。
いよいよ、試合開始か。
徐々に観衆が集まり始めてきている。
鶏の入ったカゴを持つ男たちの姿も増えてきた。
ルールは、まったくわからない。
あっという間に、決着がつく。
バリ人の熱気にビックリ!
熱い男たちの世界が、ここにあった。
闘鶏場のワルンで食す、サテ・カンビン(ヤギ肉の串焼き)は美味しかった。
さすがに、この場でサテ・アヤム(鶏肉のサテ)は食べられない。
負けた鶏の肉料理は美味しいと聞く。
サテは、硬くて食べられないが、煮込みは一品だとバリ人は言う。
負けた鶏の肉は「Ayam Cundang」と呼ばれ、買うこともできるらしい。
機会を見つけて、食べてみたいと計画している。
会場を正午前に失礼した。
喧騒の中での2時間は、心地よかった。
試合は、このあと何時まで続くのだろうか?
開催期間は、3日間だと聞いている。
◼️闘鶏についての詳細は「極楽通信・UBUD / タジェン(Tajen = 闘鶏)」を参照ください。
https://informationcenter-apa.com/kb_tajen.html