クニンガンのあと15日後に、トゥブサヨ村にあるダラム・プリ寺院でチャロナラン舞踊劇が奉納される。
今年は、2025年5月18日。
いつから、どんな理由で毎年奉納されるのか知らないが、毎年、多勢の人々が鑑賞に来る。
地元以外の村からも来ている。
私が最初にダラム・プリ寺院のチャロナラン劇を見たのは、1990年のこと。
寺院は、鬱蒼とした木々に囲まれた小高い丘の奥にあった。
舞踊劇は、土煙が上がる寺院の前庭広場で行われる。
広場には、30近くの屋台が不規則に建てられ、ケロシン・ランプの灯の中で営業していた。
チャロナラン舞踊劇は、夜10時頃から始まった。
滞在始めたばかりで、バリのことをまったく知らない。
それでも、なぜか興奮した。
人垣の肩越しに芸能を覗き込もうと、小さく盛り上がった土に登って見ている人がいる。
時々、盛り上がった土が沈む。
あとから聞くと、足元は埋葬場で、こんもりと盛り上がったところは「火葬前の死者が埋葬されている場所だ」と教えられた。
私もその上を、無造作に歩いていた(ごめんなさい)。
舞踊劇は、深夜2時頃まで続いた(内容に記憶がない)。
このあと、チョット怖い体験をした。
終演後は、真っ暗なウブド大通りを歩いて帰る。
私は、カジェン通りにあるロジャース・ホームステイに滞在していた。
観客は、四方八方帰路につく。
人の姿が、だんだんと減る。
そして、私ひとりになった。
カジェン通りの入り口に立つと、ロータスの見える池の横を流れる小川の中にボーッと人影のような物体が見えた。
深夜2時過ぎに、マンディ(水浴)する人もいないだろう。
しかし、誰かいるように感じる。
精霊がいても不思議じゃないウブド。
先ほど舞踊劇で見た悪霊かもと、思ったら怖くなってきた。
道は狭く、すれ違いたくない。
後ずさりして、遠回りをしてホームステイに帰った。
物体の正体はわからない。
明るくなってからのウブドで、こんな経験をすることはなくなった。
(資料:ミクシー2006年05月28日)
2025年05月16日
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